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VOL.19 MAY 2004

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[生涯発達心理学] 春期スクーリングを終えて

福祉心理学科
木村 進

◆1 3回目のスクーリングでした

 5月1日(土)?3日(月)の3日間,「生涯発達心理学」のスクーリングを行いました。この科目のスクーリングは,昨年の同時期,11月に続いて3回目でしたので,私としては少し慣れてきた感がありました。東京と札幌にインターネットによる中継ということも昨年経験済でしたので,気にはなりませんでした。ぎゅうぎゅう詰めの教室(仙台)での3日間の集中講義,まずは「お疲れ様」「ご苦労様」と言いたいと思います。
 だいぶ慣れてきてはいるものの,「通信教育」というものに,まだ戸惑いを感じているのも事実です。その戸惑いとは,通学にせよ,通信にせよ「心理学」を学びたいと思っている人に授業を行い,必要単位を獲得すれば,心理学を学んだ人として大学を卒業するわけだから,基本的には区別をしないで授業を行うのが当然だという考えと,通信教育生の多くは働きながら学ぶ人であり,対面式の授業は限られているわけだから,レポートの採点を含めて,通学生と同じ水準の学習を求めることには無理があるのではないかという考えの間でのものです。私は,区別をしない主義で取り組んできていますが,その分「難しい」という感想を抱かれた受講生が多いのではないかと推察されます。現に,寄せられた「感想」の中に,「通学生と同じ水準の試験をすることには無理がある」というご指摘がありました。通信教育だからといって,講義のレベルや試験のレベルを下げるつもりはありませんが,検討しなければならない課題だと思っています。

◆2 いくつかの批判にお答えします

 「質問を拒否したことに驚いた」という指摘がありました。1日目の質問の時間に「アダルト?チルドレン」に関連した質問をしようとした受講生に対して,「そういう質問はしないでください」といったことに対する批判だと思われますが,本来質問というものは,講義の内容に関するものに限定されるべきだと考えてのことです。「質問の時間が長引いて所定の時間に終了しないのは困る」という指摘も同時にあったことからもわかるように,質問の時間は授業時間に含まれており,今回の場合は,仙台会場の受講生だけでなく,東京会場と札幌会場の受講生も同時に聞いているわけですから,個人的な興味に基づく質問は,この時間内にとりあげるべきではないと思うのです。言うまでもないことですが,「アダルト?チルドレン」の質問を取り上げるとすれば,質問者以外の受講生の理解を進めるために,「アダルト?チルドレンとは何か」ということから説明を始めなければなりませんので,短時間でお答えすることは難しいでしょう。
 次に,私の注意の仕方についてもご指摘がありました。賛否両論でしたが,大きな声を出すのは大人気ないという批判があり,私としても反省させられました。今後は気をつけようと思っています。ただ,注意の内容については,受講生にも考えてほしいと思います。それは,たとえば,時間が来て私が前に立っているにもかかわらず私語をやめようとしないというようなことについてです。「先生が来たら,ベルでも鳴らして知らせてほしい」というご要望があったのには驚きましたが,開始時刻からさほどずれることなく教室に行っているのですから,そろそろ来るかもしれないという姿勢があってもいいのではないかと思われます。「真剣さが足りない」とまで言うつもりはありませんが,授業途中でもざわめきも含めて,授業に集中するということについて考えてみてほしいと思います。

◆3 スクーリング終了試験について

 私の試験は難しいという評判があるみたいですが,「ノートを見てよろしい」という形の試験ですから,ノートさえ作ってくれば,それほど難しいはずはありません。今回の試験は,194人が受験し,不合格者は51人(26.5%)でした。他の科目の試験の不合格者の割合がどのくらいかわかりませんので,この数字が高いのか低いのか判断はできませんが,他方では100点をとった人が11人いるので,非常に難しかったというわけではなさそうです。受講生はおわかりのように,100点がとれた人は,最後の「キーワード」を書く問題で点数を稼いだということです。

◆4 充実したスクーリング受講のために

 昨年も書いたことですが,別に通信教育だからというのではなく,こういう集中講義形式の授業は講義をするほうも大変だけれど,聴くほうはもっと大変ということになりがちです。それをできるだけ緩和しようとして私としてもいろいろ努力はしましたが,理解度ということにポイントをおいた考えると,結局は,受講生が,スクーリングに来る以前に,どれだけ教科書を読んできたかということが重大な意味をもっているように思われます。
 授業中にも言いましたが,通学生の場合だと,同じ内容で1週間に1度の講義なわけですから,予習も復習も時間をかけてできるわけですが,スクーリングの場合は,それが不可能なので,多分,期間中に予習をするというのは難しいことだろうと思います。だから,スクーリングが始まる前にどれだけ教科書を読んだかということがポイントになります。別の角度から言えば,レポートを書くためには教科書を読む必要があるわけですから,スクーリング以前に一つでも二つでもレポートを仕上げておけば,まさに「一石二鳥」の効果が期待できるということになります。
 いずれにせよ,「わかりやすく」を心がけたつもりではありますが,その分,話があちこち飛んでつながらなかったというご批判もありました。もとより受講者全員にある水準までの理解を実現するということは不可能なのかもしれませんが,「講義のプロ」としては,より良い講義を目指して今後も努力する所存です。

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