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VOL.58 MARCH 2009 【学習サポート】 【現場から現場へ】 【5月科目修了試験のご案内】 【春期スクーリングIII?IVのご案内】 【オンデマンド?スクーリングのご案内】 【通信制大学院コーナー】 【4月新入生の方へ】
【お知らせ】
【卒業と資格?免許状取得のために】
【教員?卒業生からのメッセージ】 【ひろば】 |
【学習サポート】[卒業される方へ] 卒業おめでとうございます通信教育部部長 寺下 明 ◆成し遂げたことの喜び晴れて澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】通信教育部を卒業される皆さん,ご卒業おめでとうございます。日本の大学は,入るのはむずかしく,出るのはやさしいといわれます。しかし,大学通信教育はまったく逆です。皆さんの多くは,本来の仕事をもちながら,あるいは,家庭で子育てや家族の介護をしながら,通信教育課程で学びました。単位を修得するために,つねに,レポート,試験,スクーリングと取り組まなければなりません。卒業するのは,並大抵ではなかったと思います。そんな中で,初志を貫徹し,卒業まで到達された皆さんには,そのたゆまない努力と研鑽に対して,心より敬服いたします。 ◆卒業の成果卒業の卒は,学業を卒える(終える)と読み,終える,終わるという意味があります。新たなる生活のための節目として,終えるということがいわれます。あるいは,映画『卒業』のように,これまでの世界を振り切って飛び出す,ある種の夢を追い求める意識もあると思います。 しかし,荀子の「周公卒業」を読みますと,卒業とは,周公旦がことを成し遂げた,つまり,業績を挙げたということをいっています。卒業するということは,本来の意味に照らすと,単に,所定の単位を修得したということだけでなく,その間に一定の成果を挙げたことを指しているといえます。 卒業によって得られた本当の成果は,目に見,手に取ることのできない自らの知性と精神にあり,それは形あるものよりもはるかに大きなものであることを確信しております。ですから,卒業式は,大学で学位記を受け取る儀式や人生の一区切りとしての式ではなく,皆さんが大学通信教育を通して得た成果を讃えるための式典であると思います。 ◆社会人基礎力21世紀は,知識基盤社会であるといわれてきました。このことを意識しながら,本学通信教育部では,学問を単に解説し伝達するだけではなく,それを乗り越え,パラダイムの転換を図るような柔軟な思考力と創造力を身につけてもらうよう努めて参りました。 ますます高度に複雑化する時代に対応するために,一つの考え方ですが,経済産業省(「社会人基礎力に関する研究会」)が大学に対し求めてきたものに「社会人基礎力」というのがあります。どういう能力なのかといいますと,(1)前に踏み出す力 (2)考え抜く力 (3)チームで働く力 として説明されています。 「前に踏み出す力」は,一歩前に踏み出し,失敗しても粘り強く取り組む力とされています。「考え抜く力」は,問題発見力と計画力や創造力のことです。「チームで働く力」は,さまざまな考え方の人とともに,目標に向けて協力する力と説明されています。 こうした能力は,これまで大人になる過程で自然に身につくものと考えられ,その定義や育成の方法については明確にされませんでした。それが今日,さまざまな背景のもと,社会人のこうした能力の低下が指摘されるようになったわけです。 ◆建学の精神「社会人基礎力」は,要するに「学んだ知識を実践に活用するために必要な力」のことであり,考えてみますと,本学が皆さんに伝えたいこととして表明してきた建学の精神と通じるものがあります。 本学は,建学以来受け継いできた「行学一如」の伝統に沿い,学問研究とともに実習や課外活動を通して,実践力に富んだ人材の養成を主眼としています。「行学一如」は,学業も実践も根本は一つであり,知識や理論は活用されてこそ意味をもつということです。実践活動の中で物事に進んで取り組むことによって,課題意識が生まれ,広く,深く考えることができるのだと思います。 また,職場や地域社会等では,仕事の専門化や細分化が進み,個人として,組織としての付加価値を創り出すためには,多様な人との協力が必要になります。これと近い意味にあるのが,本学の願いである「自利?利他円満」という仏教の理念です。本学では,多様な人がもてる力を出して支え合いながら,ともに生きがいを感じられるような社会を築きあげることを目標にしています。 このような意味で,今日の社会が求めている力は,本学が建学以来行っている教育実践の基本と同じものであることがわかります。 ◆卒業は新たな始まり変化し続ける社会にあっては,何が正しく,何がそうでないのかを見極めることは大変難しく,時には自己を見失いかけることもあるかもしれません。しかし,本学通信教育部で学んだことは,今後皆さんが人生を生き抜くうえで,大きな糧となるはずです。 卒業を意味するgraduationの語源はラテン語のgradusです。gradusには,一歩踏み出すという意味があるので,卒業を出発と意識したいと思います。皆さんが,これからどのような道を歩まれるにしても,学ぶ心と社会に目を向ける努力を忘れずにいてほしいものです。そして,本学通信教育部の卒業生であることを誇りに思うことを願っております。 最後に物理学者アインシュタインの言葉を皆さんへの餞の言葉としてお贈りしたいと思います。それは,次の言葉です。Try not to become a man of success, but rather try to become a man of value. つまり,「名ばかりの成功者になるより,むしろ真に価値のある人になるように努力せよ」ということです。 皆さんの今後のご活躍をお祈りいたします。 |