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VOL.42 MARCH 2007

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[現代社会を見る眼] 初めてのスクーリングを終えて

教授 岩渕 勝好

 昨秋からレポートを採点して,ほとんどの学生は通学生より字がきれいで熱意を持って取り組んでいることがわかりました。スクーリングは仕事を休み費用を負担し家族の協力を得て参加するので,1分1秒たりとも無駄にできません。チーム対抗でディベートしたいと思ったのですが,受講者が60人を超えたため断念。最新のデータと豊富なビデオを活用して多角的な講義を目指しました。
 テーマは少子化,格差社会,社会保障。いずれも関連する問題です。2日前に公表された人口推計の資料を追加するなど努力はしたものの,空回りした面も否定できません。論文試験の解答を見ると,合計特殊出生率に%をつけたり,数字が古かったり,意味を取り違えたり。いずれも時間を惜しんできちんと説明しなかった私の責任です。
 論文試験の少子化対策では,(1)夫の家事育児分担,(2)職場改革と企業の責任,(3)若者の正規雇用,(4)経済的負担軽減─の4点セットが圧倒的に支持されました。高齢者の子育てボランティア,高齢者の基金が貸し出す奨学金などのアイデアも。
 格差問題では,地域格差に対する関心が目立ちました。公共事業の削減が雇用縮小を招くことを懸念する意見が多く,地域の深刻な実情を肌で感じているようです。湯沢市や夕張市などの街づくり問題,地域社会が崩壊する限界集落問題についても,実生活に根ざしたさまざまな意見や提案がありました。
 アンケート結果を見ると,好意的な評価だけでなく,厳しい指摘も。「休み時間が短く開始が早い」「休憩時間もビデオを流され休んだ気がしなかった」「ビデオは途中で切らないで」「意見交換や質問ができなかった」「話が脱線しすぎ」「資料の該当部分を探している間に次へ進んでいた」「新聞名?日付も明示を」。
 反省します。講演の癖が抜けず,時間オーバーはサービスと勘違いし,休み時間も活用できると心得違いして詰め込んでいました。ただし,最も多かったクレームは「教室が暑過ぎた」。過ぎたるは及ばざるがごとし。その場で言ってほしかったのですが,今後に活かします。
 テキストとスクーリングの講義内容に関連性がないという批判もありました。これはテキストを参考にレポートを書いて故?谷勝英先生の森羅万象に渡る深遠な遺業を学ぶ一方,私の記者経験を生かして激変する現代社会を見る眼を養うという一石二鳥の作戦です。皆さんの負担は重くなりましたが,少なくとも「可」はいただけるのではないかと自負しています。

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