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VOL.55 NOVEMBER 2008

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●通信教育を終えて

社会福祉学科 長場 謙

 ついに終わった,というのが,最後のレポートを出した後の正直な感想でした。1年次より入学して5年…終わった今は,長かったような短かったような…少し寂しくも感じる不思議な気持ちです。
 この5年間が長く辛かったかと問われると,辛い時期もあれば楽しい時期もあった,というのが正直な気持ちです。特にスクーリングでは,同じ通信教育で学んでいる方々の状況がさまざまであることを知って励まされ,レポートを作成する上での力となりました。スクーリングでのコミュニケーションをいつも楽しみにしていました。その一方で,レポート作成のコツや方法がわかるまでは,非常に辛く感じました。
 通信教育で大学を卒業する際に最も苦労するのがレポートだと思います。これは1年次から始めた方も,他大学を卒業し3年次編入してきた方も同様であると思います。そこでおせっかいかとは思いますが,私が掴んだレポートのコツを,最後のレポートとしてここに残したいと思います。
 まず,「レポート」とは何でしょうか。英語で書くと「report」。これを辞書で調べると,「報告書」や「報告する」との意味が載っています。つまり,自分が書いたレポートから誰かが何らかの情報を得られるように記述する必要があるのです。
 通信教育の場合で考えると,自分の学習の成果を報告するのが「レポート」になります。提示されたテーマについて自分がどのように学習し,そこから何を学んだのかを先生方に報告するのです。この学びの際に必要となるのが,教科書やスクーリングの資料,参考文献,インターネットから得られる情報です。これらの情報には,レポートを書く際に提示されているテーマと関連するキーワードが必ず複数あります。それを単に羅列するだけであれば簡単なのですが…。大学を卒業するための学習である以上,学習成果の報告は単なるキーワードの羅列だけでは済まされません。そこには,レポートの中になぜこのキーワードが出現したのか,また,歴史的な事象である場合には,それが起った社会的な背景などの理由が説明されていなければなりません。説明するということは,同時に,テーマやキーワードを自分の中で噛み砕いて理解し,それを誰かに伝えることに繋がっていきます。これを,他人が読んでわかり易いように,文章構成していくのです。この文章構成は,キーワードさえ出揃えば,パズルのように当てはめ配置していくだけです。
 このように書くと,レポートを書くのに本当に時間がかかり,大変さが増すように感じます。ですが,学習の時間として私が確実に確保していたのは1日30分程度です。寝る前や起きた後30分を意識的に作りました。30分あれば1つのキーワードについて教科書を読むことは難しくありません。これを繰り返し,最終的にレポートへと繋げました。私の場合,レポートを書く時も根を詰めてしまうと自分本位の文章になりやすかったため,2?3日で読み返しながら少しずつ書き進めていきました。この作業を自分に無理のないかたちで繰り返したことが卒業に繋がったのではないかな,と思います。実際に仕事をしながらの学習は本当に大変です。だからこそ,無理のない形で,かつ毎日必ず大学の勉強のことを頭の片隅に置くことが大切だと思います。充分な休息を取りながら,自分が飽きない工夫をしながら,時間をかけて学習する,これが通信教育のレポートを作成するコツではないでしょうか。

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