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VOL.44 JUNE 2007

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スクーリング講義概要

■夏期スクーリングIV

基礎英作文 窪田 美穂子

 英和辞典と和英辞典を持参してください。
 1コマ目から6コマ目はテキストUnit1から10までと英語談話室Iのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
 7コマ目から11コマ目はテキストUnit11から20までと英語談話室IIからIVのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
※受講条件あり『レポート課題集(1?2年次)』p.51参照


科学的な見方?考え方 大内 真弓

 『レポート課題集』の「科目の内容」でふれたなかで,特にスクーリングだからこそ可能な部分に力を入れて進めます。具体的には,数多くの情報のなかから必要な情報を取り出すことや,ある情報を説明してみることにチャレンジしつつ,互いに指摘し合う場面も盛り込み,全員で見方や考え方は様々あることをテーマに掘り下げます。そしてどうすれば内容を良く見ていることになり,十分に考えられたことになるのか,さらには,どうすれば理解した内容をわかり易くかつ十分に他者に伝えられるのかを考えます。論理の飛躍や矛盾に気付かない場合も多々出てくるはずですが,それらの失敗や様々な材料を通じて自身の癖に気付いたり,何か新しいことを他者の姿から学び取ることができたりすれば幸いです。


文学入門 花井 滋春

 テキスト(花井滋春著『文学入門』),およびレポートの課題内容に即して講義します。最初に,伊勢物語の概説および主人公?在原業平の生涯((1)),続いて惟喬親王,二条后藤原高子の生涯((2)(4))を扱い,次に伊勢物語の作者について((3))講義します。(5)は,研究レポートを書くためのサンプル的な講義です。
 (1) 在原業平と伊勢物語の関係
 (2) 惟喬親王と伊勢物語
 (3) 源順?融と伊勢物語
 (4) 二条后と伊勢物語
 (5) 枕草子の階級意識
 ※本科目のスクーリングは,今年度が最終となります。


心理学研究法I 木村 進?西野美佐子?吉田 綾乃?大関 信隆

 この科目は,心理学において使われるいくつかの代表的な方法のうち,「観察法」「面接法」「質問紙法」についてとりあげ,これらの基本的理解を図ることを目指しています。まず,最初の1コマで心理学における方法論について全般的な講義を行います(担当 木村進)。その後,「観察法」「面接法」「質問紙法」それぞれについて2コマずつ講義を行い(担当 「観察法」西野美佐子,「面接法」大関信隆,「質問紙法」吉田綾乃),これらの方法の特徴およびその効用と限界について具体的に解説していきます。そして,スクーリング終了後,「観察法」「面接法」「質問紙法」のいずれかの方法を実際に用いた研究論文を配布します。配布された研究論文の中から1つを選び,そこで用いられている方法についてまとめ,考察を行うことが「心理学研究法I」のレポート2単位めの課題となります(くわしくは,『レポート課題集(1?2年次配当科目)』p.255?263を参照してください)。
 受講者は,受講前に『レポート課題集(1?2年次配当科目)』p.255?263,さらに,『福祉心理学科 スタディガイド』の「III章 心理学研究に取り組む」p.32?42をよく読んできてください。

●受講条件  スクーリング申込締切日(7月27日)までに福祉心理学科専門必修科目?選択科目A群いずれかの科目から7科目分のレポートを提出していること(心理学実験を含めても可?提出していれば不合格や未採点のものがあっても可)。くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.257参照のこと。
●研究法IIIと違ってスクーリング試験があります。


教育社会学 星山 幸男

 教育を社会的な現象として捉える教育社会学固有の視点を解説し,その切り口からみえてくる今日の教育問題の本質を理解することに主眼を置いている。まずは,(1)教育の社会的性格をめぐる理論の発展を整理し,(2)社会的?政策的課題と教育との関わりについて戦後の能力主義政策を手がかりに検討していく。
 そして(3)社会集団と子どもの社会化について,しつけの現状と課題,子どもの遊びの変化と成長?発達の問題を中心に考えてみたい。さらに(4)学校の持つ社会的機能を多面的に検証し,学校文化についても論じていく。問題点の指摘に留まらず,今後の展望を探りたい。


社会福祉原論(職業指導を含む) 田中 治和

 スクーリングでは,配布資料およびテキストを用いて以下の〈目的〉ならびに〈骨子〉で行います。
〈目的〉
 I. 社会福祉全般の概略的な理解を図る。
 II. 社会福祉の理念(目的論と一般論)を,歴史的社会的観点から考える。
 III. 社会福祉学の対象論および方法論について,吟味する。
〈骨子〉
 (1) 日本の社会福祉史について─────全体の輪郭と肝要な細部
 (2) 利他的行為について────────その特色と陥穽
 (3) 社会福祉の目的と必然性について──社会福祉の存在理由
 (4) 社会福祉の思想について──────人間観の創造と再生
 (5) 社会福祉学方法論について─────人間理解の要諦
 テキストを使用する場合は第4版で進めるが,第2?3版をもっている方でもとくに問題はない。


心理学実験II 村井 則子?西野美佐子?白井 秀明?中村 修

 心理学実験IIでは,心理学実験Iと同様に,下記の4実験を体験してもらう。すなわち,受講生は4グループに分かれ,毎日1グループ1種目ずつ,(1)実験のオリエンテーション (2)実験の実施 (3)データの整理?分析 (4)実験レポートの作成 という一連の作業を行う。これを4日間で4種目をローテーションして全種目を終える。
 実験1 「系列学習法」(村井則子)
 実験2 「鏡映描写」(西野美佐子)
 実験3 「概念学習」(白井秀明)
 実験4 「集団意志決定」(中村 修)
 4つの実験レポートは,スクーリング期間内に提出することが望ましいが,やむを得ない場合は後日郵送でもかまわない(8月31日必着)。
 さらに,スクーリング終了後,単位認定レポートを12月25日必着で提出してもらう。詳しくは,『レポート課題集2007(1?2年次)』p.250?254を参照のこと。

●9月末の卒業希望者は,8月末までに4つの実験レポート?単位認定レポート双方とも提出する必要がある。

 なお,心理学実験IIは,原則として,事前に心理学実験Iのスクーリングを受講済みの者のみが受講できる(この原則とその例外措置の申込み方法については,『レポート課題集2007(1?2年次)』p.253参照)。
 筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓を持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。


精神保健福祉援助技術総論 志村 祐子

 精神保健福祉士資格が誕生し時間が経過した。今後はより質の高い専門職としての人材が求められてくることと考えられる。そこで,本講義では,精神保健福祉士がかかわる対象者の理解はもとより,専門性の本質的な要素として一般的にあげられている(1)価値(倫理を含む),(2)知識,(3)技術を精神保健福祉分野において理解することを中心におこなっていく。今回のスクーリングでは,社会福祉の実践の基本である原理や原則,対人援助の基本的な理解を個別援助を中心にVTRも用いながら講義する。受講者は,教科書の第2章,および111頁から115頁を熟読してきて欲しい。


社会福祉援助技術論I 山本 邦男

 本講義は社会福祉援助技術の現場の実際を通して,「個別援助技術論」の意義を学ぶ。特に医療機関におけるケースワーク事例と介護保険制度のケアマネジメントの実際を学ぶ。具体的には次のような項目に触れてみたい。
 (1) ケースワークとソーシャルワークの分類。
 (2) 個別援助技術における「環境」と「個人」の調整の意味を理解する。
 (3) 援助技術における「価値」「知識」「技術」とは。
 (4) 個別援助技術の発展について。
 (5) 個別援助技術に関連するのキーワードの解説。
 (6) 介護保険制度の概要とケアマネジメントの意義。
 (7) 在宅医療とケースワーク,ケアマネジメントの実際。
 (8) レポート課題の要点を解説する。
 社会福祉援助技術を学ぼうとする時,基礎的理論と併せて,現場の実際の事例に触れながら,実践的経験を通して,その意義を理解することが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】である。知識や技術,制度はそれを活用する援助者の実践によって,はじめて有効なものになるからである。


医学一般 柏木 誠

 障害や疾病をもった方々の支援に携わる場合,福祉職と医療職とが連携することとなります。福祉をメインに学ぶ方々にも,医学一般についての知識が必然的に必要とされるのです。急速な高齢化に伴う疾病構造の変化を理解したうえで,人体を構成している各臓器の構造と機能について,理解を深めることが基本となります。テキスト以外にも資料として,カラーの図等を示して講義を進めたい。そして,福祉職がかかわる機会の多い,各種疾病の特徴について澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なポイントをしっかりと把握してもらいます。また福祉施策の実際は行政との関係が密になります。国?県?市町村の動向に注目することも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。インターネットを活用した現時点での“生きた”情報の取得についても,注意すべき点も含めて,自在にできるようになりたいものです。以上のことについて,できるだけやさしくわかりやすく講義したいと考えています。


心理学研究法II 木村 進?白井秀明?中村 修?大関信隆?佐藤俊人

 スクーリングにおいては,検査法の実習と調査法のデータ分析(心理統計)の実習を行う。受講生の人数によるが,1日目の最初の2コマが検査法実習,3コマ目が統計法についての講義,2日目の3コマを使ってデータ分析の実習を行う。実習はいくつかの小グループにわかれて行う。実習内容の概要は以下を予定している。
1. 検査法実習(2コマ:担当 木村 進 ほか)
 (1) 検査法一般についての講義
 (2) 性格検査(「谷田部ギルフォード性格検査」〈YG検査〉)の実施と結果の整理
2. 調査法(データ分析)実習(4コマ:担当 白井秀明 ほか)
 (1) 心理統計学の基礎についての講義
 (2) 統計的検定(x2検定,t検定,無相関検定)の基礎についての講義
 (3) 統計的検定の課題実習
 この科目の1単位めのレポートは,スクーリング期間中または9月3日(月)必着で提出することが求められます。受講生は『レポート課題集(1?2年次)』p.264?268,ならびに申込者に事前に送付される講義資料をよく読んできてください。
 さらに,スクーリング事前学習として『レポート課題集(1?2年次)』p.265の(3)「要約レポート」が課されています。「要約レポート」はスクーリング初日に必ず持参してください(郵送しないこと)。
 この科目の2単位めのレポートは,スクーリング受講後ならばいつでも提出できます。
●受講条件
 スクーリング申込締切日(7月27日)までに福祉心理学科専門必修科目?選択科目A群いずれかの科目から7科目分のレポートを提出していること(心理学実験を含めても可?提出していれば不合格や未採点のものがあっても可)。くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.264参照のこと。
●9月末の卒業希望者は,8月末までに1?2単位めのレポートを提出してください。


精神保健福祉援助技術各論 大和田 誠子

 精神保健福祉援助技術各論は,社会福祉援助技術を基本とし,疾病と障害を併せ持つ精神障害者やその家族に対する医療,保健,福祉にまたがる援助についてその理論と方法を学ぶことが目的です。
 本講義では,主に精神保健分野における援助技法を具体的に学習します。精神障害者やその家族を対象にした実践であるが,ドメスティックバイオレンス?虐待への危機介入?PTSDの理解と対応等もいくつかとりあげる。
 (1) 精神保健分野のケースワーク(事例?面接技法等)
 (2) 精神保健分野のグループワーク(SST等のグループワーク体験)
 (3) 家族への支援(D?V,虐待,PTSD等への理解と支援を含む)
 (4) 精神保健分野のコミュニティ?ケア ケースマネージメント
 テキストを基にし,以上の4点を柱に講義する。したがって,テキストを通読し予習が必要です。特に,序章を読み熟考しておくこと。


社会福祉援助技術論II 都築 光一

 主な講義内容は,(1)社会福祉調査のこれまでの史的展開について学びながら社会福祉調査の現代的意義について考えてみよう,(2)実際の調査にはどのような方法があり,どんな長?短所をもちあわせているのか,なかでも面接調査の技法について学習する,(3)調査を行う場合の標本をどのように抽出するのか,標本抽出の意義と方法についての基本を学習する,さらに標本の大きさの決定について学ぶ,(4)調査票作成の基本とは何か,(5)調査したデータをどのように整理?分析するのか等について講義する。


歴史考古学 吉井 宏

 開講にあたって,まず歴史考古学とは何かについて話す。日本においては考古学といえば普通,いわゆる先史考古学を意味するが,欧米でも同じ認識なのか。先史考古学と歴史考古学との違いを紹介しつつ,歴史考古学が持つ今日的な意義にまで触れてみたい。
 その意義と深くかかわるものとして,古代遺跡の中から第一に取り上げるのが宮都である。飛鳥京から平安京までを順次紹介する。続いて形成期古代国家の国家意識を象徴する山城について述べる。寺院,集落についても触れてみたい。
 中世は,いわば分権の時代である。そのことを象徴する遺跡として都市と城館を取り上げるが,城館については歴史考古学研究法に触れながら紹介してみたい。また,遺物としては陶磁器と銭貨を個別に取り上げる。


心理学実験III 木村 進?宇田川一夫?佐々木千鶴子?渡部純夫

 大部分の受講生は,すでに「心理学実験I?II」を受講済であるはずなので,心理学における実験とはどういうものかについての認識はしっかりできていると思われる。「実験III」でも4つのテーマにしたがって実験を行う。「要求水準」「投影法」「コラージュ」および「家族のイメージ」の4課題である。それぞれの実験の目指すところについては,スクーリングにおいて説明するが,3年生における実験ということで,心理学研究における「実験法」の意味についてきちんと理解するとともに,それぞれの課題に取り組むことで,それぞれの実験内容が現実の生活経験や人間の姿とどう関連するかという視点から考えてみることが望まれる。
※筆記用具,定規,電卓,のり,ハサミを持参すること。コラージュの素材になるような雑誌,パンフレット,チラシ等も必ず持参すること。
●受講条件
 「心理学実験III」は,「心理学実験I」か「II」のいずれかがスクーリング受講済であれば受講できます。
●4つの実験レポートは,スクーリング期間内に提出することが望ましいが,やむを得ない場合は後日郵送でもかまわない(9月6日必着)。
 さらに,スクーリング終了後,単位認定レポートを12月25日必着で提出してもらう。
●9月末の卒業希望者は,8月末までに4つの実験レポート?単位認定レポート双方とも提出する必要がある。


社会福祉法制 志田 民吉

 スクーリングでは次の書籍を用いて講義を行います。
 (1) 志田編著『臨床に必要な人権と権利擁護』(弘文堂)
 (2) 志田?伊藤編著『社会福祉サービスと法』(建帛社)

講義内容
1日め(4コマ)

 講義テーマは“社会福祉専門職が理解すべき人権と権利とは何か”
 社会福祉は憲法の保障する社会権的基本権(日本国憲法の保障する人権一類型)のひとつであり,人権と権利の理解は社会福祉専門職としての基本であり,必須の理解項目です。法律専門職とは区別された社会福祉専門職が学ぶべき人権や権利とは何か,をテーマに「臨床に必要な人権と権利擁護」を用いて講義をします。講義内容の理解を補助する資料も準備の予定ではいますが,上記の(1)「臨床に必要な人権と権利擁護」をスクーリング参加希望者は用意していただきたいと思います。
*(1)の文献は大学配付ではありません。スクーリング当日大学の購買部で購入(5%学割)することも可能ですが,事前に内容を一読して頂きたいので,最寄りの書店で購入準備をされることを希望します。同書の定価は2,700円(税別)です。
2日め(5コマ)
 講義テーマは“社会福祉の法制度”です。「社会福祉サービスと法」を用いて講義をします。講義の補助資料は準備の予定ですが,大学配付の文献を一読してスクーリングに望まれることを希望します。講義内容は,文献の目次に沿って“社会福祉法”の項目から入ります。
3日め(3コマ)
 講義テーマは,2日めと同様に“社会福祉と法制度”です。
 なお,3日めの終わりに試験(理解度テスト)を行いますが,1日めの講義の始めに“出題傾向”を提示します。試験の傾向と対策を各自において準備ができるように配慮します。

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