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VOL.24 DECEMBER 2004

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[学習心理学] レポートを添削して

教授
村井 則子

◆1 レポート添削者になっての正直な気持ち

 学習心理学は,3年生以上を対象に今年から始まりました。それまで私は2年生向けの「心理学実験II」と大学院演習科目のレポートだけで,通信の添削に追われて悲鳴をあげている先生方をよそに,「レポートを添削するのはどれほど大変なのか」をあまり考えないようにしていました。
 新学期が始まって,通学生のオリエンテーションがまだ終わらないうちに,早速レポートが出てきたのには,チョットびっくりしました。さすがに3年生ともなればレポートを書き慣れていらっしゃる感じで,一見して「これはひどい」というのはなかったように思いました。むしろ要領よくまとまりすぎている印象でした。しかし,ここで私としては複雑な思いに駆られてしまい,レポートを前に考え込んでしまいました。
 学習心理学は,通学生の場合毎週一コマ80分で半期の授業に出席してから試験となるわけです。学生のなかには,講義をさぼったり,体だけ出席しても居眠りなどしているのがいるのは事実ですが,教員は休講にしない限り,毎回少しでも理解してもらえるようにと授業をしています。
 「通信と通学とは全然システムが別である」と割り切ってしまえばよいのでしょうが,何だか頑張って毎週講義をしている自分が空しく思えて気が重くなってしまいました。
 そんなわけで早々とレポートを提出した方には少しきつめな評価になってしまったようです。その後は,毎回それほど数は多いとは言えないのですが,添削から解放されて「ヤレヤレ」と思う間もなく,あまり切れ目なくレポートが続いています。だんだん甘くなってきているように自分でも思います。ただそうなると「はたして添削の対象になるのか」と考えさせられるような,試験を受ける資格取得のために形式的にレポートを提出しているとしか思われないようなものも混じっていて,ため息が思わず出てしまいます。
 通信の場合,はたして本当に勉強したのかどうかは,試験とレポートしかないわけですが,あまりその辺の所を考えずに試験問題を作成してしまったのではないかと,悔やまれて少し落ち込んでしまいました。

◆2 レポートを添削して気がついたこと

 レポート課題の1単位めは,基礎的な勉強をしてもらいたいと思っていたわけですが,要領よく課題に直接関係する部分だけを,教科書や参考書の索引で引いたり,インターネットで探してそのまま順番に並べただけではないかと疑われるレポートがあります。少なくとも教科書全体に目を通して,特に課題に関係する章をよく読んで,全体の中での位置づけに従って書く順番を決めて欲しいと思います。
 レポート課題の2単位めは,それまでの経験を学習理論的に考え直してみることをねらった応用問題ということになっています。経験豊かな方が多くて感心しながら楽しく読ませてもらっております。ただし,なかには単なる体験談になってしまって,学習理論との結びつきがほとんど書いていない残念なレポートもあります。これは課題1についても言えることですが,レポートでは,勉強したことと自分なりの考えとをバランスよく書くことが大切だと思います。
 レポート全体として言えることは,お習字の単位ではないので,字の上手下手は評価の対象ではありませんが,丁寧に読みやすい字で書いてください。なかには私の下手な字で添削するのは気が引けるように「水茎のあと麗しい」のもありますが,あまりにも達筆で判読できにくいのや大急ぎで書いたのか修正液や二本線で消しただけというのもあってガッカリさせられます。せめて提出する前にはもう一度見直してください。それから,できるだけ国語辞典などを手元に置いて,基本的な用語は,「ひらがな」だけではなく漢字で書くように心がけてください。
 また,だらだらと同じ事の繰り返しでは困りますが,あまりにも短いレポートは,本気で勉強したのかと疑いたくなります。原稿用紙の穴埋め問題ではありませんので,少し短かったり,はみ出したりは仕方ありませんが,やはり,用紙全部を使って書いた方が良い印象になると思います。

◆3 さいごに

 教員も,特に通学生を相手に長年やってきた教員は,勝手が違って気持ちの切り替えが必ずしもうまく行かずに悩んだり,とまどったりしながらなんとかガンバッテおります。学生の方々もあまり焦らずに身体に気をつけながら,そして楽しみながら学習を続けていくようにしてください。

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