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VOL.20 JUNE 2004

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[OB MESSAGE] これまでを振り返って

函館市福祉部介護高齢福祉課 高齢者?介護総合相談窓口
円山 史康

◆はじめに

 私が卒業したのは,昭和59年です。卒業後は,地元の病院(精神科がメイン)に医療ソーシャルワーカーとして勤務しました。5年間勤務した後,市職員採用試験を受け,配属されたのが市立函館病院分院(精神科単科)でした。そこでも医療ソーシャルワーカーとして7年間勤務しました。
 平成12年福祉部介護保険課認定係に異動となり,訪問調査や介護認定審査会の業務などを行い,平成14年から現在の部署に勤務しております。

◆通信教育を受けてみて

 現在の部署は,老人福祉課と介護保険課が統合になったもので,私の勤務するところは,函館市福祉部介護高齢福祉課高齢者?介護総合相談窓口と言います。
 今回,通信教育部の学生さんに向けてということで,自身の学生時代のことを振り返ってメッセージをと考えたのですが,学生時代は不勉強でしたので,あまり語れるような内容はありません。ただ,私自身も社会福祉士を取得する際は通信教育を受講しており,その辺のところをお伝えしたいと思います。
 私が取得した資格は,社会福祉士と精神保健福祉士,介護支援専門員の三つです。周囲からは資格マニアと呼ばれていますが,どれも社会人になってから取得したものです。もともとは,福祉の現場に携わる者として,対外的に認知を得るために,というのがきっかけでした。
 最初に述べましたように,学生時代は不勉強でしたから,社会福祉士の受験資格を得るために通信教育を始めることとなりました。通信教育を受けて感じたのは,学生時代には,○○施設,○○施設と聞いても,ちんぷんかんぷんだったのが,就職して福祉の仕事に携わってから,改めて勉強すると,その施設がどんな施設なのかというイメージが湧きやすかったことと,何にもまして,親の金で勉強させてもらっていた学生時代と比べ,自分の懐から出した通信教育の方が,払った分は元を取らなきゃという気持ちになり,自分で学ぼうという姿勢が出て,能動的だったように思います。
 また,当時,同じ通信教育を受けていた医療ソーシャルワーカー仲間の中には,国家試験で不合格になった場合,周囲に知られるのが嫌だからと,通信教育を受けていること自体を隠している者もいましたが,私自身は特に隠すこともなく,周囲に明らかにすることで,逆に途中で挫折しないように自分で自分を,追い込んでいきました。社会福祉士の国家試験の合格率は30%前後と厳しい数字です。しかし,公務員試験のときもそうですが,とりあえず受けてみようという人もいますので,合格率の低さに臆することなく,最後は自分との勝負なのだと思います。

◆高齢者の総合相談窓口

 さて,この辺で現在の私の業務についてふれなければなりません。私の係は高齢者?介護総合相談窓口という名前が示すように,介護保険やその他の高齢者福祉の相談窓口となっています。制度の相談から申請受付,関係機関との連絡調整,ときには,サービスの利用調整のため現場に出向いたり,在宅介護支援センター職員やケアマネジャーに同行したりもしています。ゴミの分別からサービス利用にあたっての苦情,高齢者虐待,財産管理についてなど多種多様です。日中の勤務時間では窓口業務に追われ,午後5時を過ぎて,やっと事務処理に取り掛かるといった状態で残業続きの毎日です。

◆文章化することの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性

 年数だけ増えていくとそれまでの感覚で仕事を進めてしまいがちですが,法的根拠はどうなのかといったことや,基本的視点が定まっていないと,足元からすくわれることが往々にしてあり,注意が必要です。
 そして,役所という組織で仕事をしていると,今,行っていることを文書で表現することの大事さを痛感します。上司には,「現状と課題,問題点,そして今後の方向性はどうなのか」ということを事ある毎に聞かれます。
 文章化することの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性は医療ソーシャルワーカー時代もあったのですが,目の前の業務で結構おろそかにしがちで,記録もきちんと整理していませんでした。記録は自分を救うとも言われますが,行動の記録を整理し論理的に捉えることが日々の業務の積み重ねには不可欠なのだと思います。
 皆さんも通信教育で多くのレポートを提出されていることと思いますが,レポートをまとめることは,このことの基礎訓練になるのではないでしょうか。

◆これからの高齢者介護

 現在,介護保険は見直しに向けた議論が行われている最中ですが,先日も最大の論点となっている障害者施策との統合についての記事が新聞の一面を飾りました。ケアマネジメントの体制はどうなるのかなど,今後の方向性は依然として不透明な状況ですが,高齢者に関して言えば,介護予防の観点から,できる限り要介護状態とならないよう,あるいは,要介護状態となっても,それ以上重度化させない取り組みが必要とされています。そのためにも,地域の高齢者を把握し,効果的にサービスにつなげていく「発見の仕組みづくり」が不可欠です。これからは,老人,障害,児童といった個別の分野ではなく,地域という視点で語られることがより一層増えてくることと思います。

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