*With TOP > VOL.15 DECEMBER 2003 > 
* *

VOL.15 DECEMBER 2003

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【1月科目修了試験のご案内】

【通信制大学院コーナー】

【お知らせ】

【シリーズ?東北】

【ひろば】

* * * *

【学習サポート】

[教育心理学] 秋期スクーリングを終えて

講師
白井 秀明

 スクーリング,本当にお疲れさまでした。
 今回のスクーリングは,私にとって大学教員となって初めての経験でした。「今回は短期決戦だ! 内容をどう絞ろうか?」「頭をフル回転してもらうには?」「資料は何を用意しよう?」「ビデオを見せた方がわかりやすいかな?」「何か手足を動かしてもらおうか?」……などと考えながら準備を進めました。その一方で,「でも,せっかく時間をつくってしかも遠くから来ていただいたのに,これで反応なし,来た甲斐なし……なんてことにならないだろうか……」と,心配と不安を抱えながら,ちょっぴり緊張して当日の授業に臨んだのでした。
 でも,そんな心配は杞憂でした。耳を傾けている真剣な顔,うんうんと頷いている顔,わからなくなったぞという困惑した顔,笑い声,課題に取り組んだ後のどよめき,シンプルチャルメラを吹いている真っ赤な顔,ビデオを見た時のおおっ!? という驚きの顔……頭?手?足をフル活動して授業を楽しんでいただけたのではないかという様子が,今でも目に浮かびます。
 さて,今回の授業の目的は,各自が持つ「教育観」を見つめ直していただくことでした。
 授業の様子からはもちろんのこと,みなさんから講義後にお書きいただいたテストの回答,授業の感想からも,この目的は概ね達成できたのではないかと考えています。授業の感想を少し紹介しましょう。

 仕事がら,常に子供達の学習について考えているので,とても興味深かったです。特に「発達の最近接領域」と「好奇心」の話は,今後子供達を指導していく上で生かしていきたい内容でした。子供達が常に好奇心を持てるようなレッスンをするというのは口で言うほど簡単ではありませんが,今回の授業を受けて,努力不足だった点について反省しました。自分自身が点数で判断される教育を受けてきたために,目に見えるものだけで子供たちを判断しがちですが,子供たちは目に見えない可能性をたくさん秘めていること,そしてそれを引き出してあげられるかどうかは,こちら側にかかっているということを常に頭に置いて,子供たちに接していきたいと思います。

 教育とは,「甲と乙」の関係でしかないと考えていた。どちらかというと先生から生徒への一方的な教示であると考えていた。しかし,その様なことではなくて,先生と生徒の相互関係で成立するものであると感じた。最後に「先生が与えた問題を生徒自身の問題として捉え,入替りの促進が課題である」という点について,「教える」ということは知識のみ教えるということだけでは不足しているのと同時に,大変難しい行為だと感じた。

 私は「教育」という言葉を嫌っていました。それは,無意識に「教育とは教師が子どもに知識を教えてやるものだ」という考えを持ってしまっていたからだと,講義を受けて気づきました。また,先生の障害のある方々への考え方も,自分の考えていることと重なる部分が大きく,大変興味深かったです。障害は,その人が持っているのではなく,その人が今この社会で生きるときに何らかの不都合が生まれ,その間に障害があるのだと思っています。

 これら以外にも,いや全員分お載せしたいところではありますが,そうもいかない。それにしても,「以前とは異なり,今ではこう考えられるようになった」「自分にとっての新しい課題ができた」という感想の多いこと! 感動しました。授業が不十分なものだったにもかかわらず,講義内容に基づいてご自分の日頃の教育に対する考えや教育的な経験について,真剣に見つめ直してある感想をたくさん読んで,講義の疲れが一気に元気に変わりました。心から感謝いたします。これからも,わかり終えることなく実践をお続け下さることを期待しています。

 さらに,私の授業への注文ととれる感想も多々ありましたので,以下にすべて紹介します。

?一番後ろの席に座っていた時,先生のお話がよく聞こえなかったので,その点は改善していただきたいです。
?プリントをそのままプロジェクターに写すと後ろの方の生徒にはかなり文字が見にくい状態になります。同じものだとわかっていても「あれ,配ってない資料かな?」となるのでもう少し大きい文字(部分的にアップをふやす)だと有難いです。
?なお,アンケート調査については,出席確認とは別にしていただきたかったです。
?澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なところのたくさんの例や繰り返しのため,少し惰性的になった……
?要望を1つ。私のように,どんな形であれ教育に携わっている人が通信生には多いはずです。その方々の声や経験を聞きたいです。
?1つだけ。「ですよね」と語尾につける話し方が,気になりました。
?最後に,心のこりは,発電自転車に乗りたかったです。事務局の方にかたづけている時に声をかけた所,タイヤの空気がぬいてあるのでダメと言われてしまい,夢にまで出ました。あの自転車はどこに行ってしまうのか気になっています。機会があれば乗りたいです。
?先生がイスにすわって説明すると,わたしの視界から消えてしまい,どこを見て授業を受けようかこまってしまい,ノートやプリントをじーっと見ていると,ボーっとしてしまうことがありました。常に先生は「ここだ!!」と主張する場に居て欲しかったと思います。
?レポート課題について少しだけ(特に行動主義など…課題(1))説明して欲しかったな,と思います。
?マイクの持ち方(角度,口からの距離)により,声が聞こえにくい部分があったので,改善をするとよいのではないか。また,時に話が本筋から外れわかりにくい箇所があったので,より理解しやすい講義を期待する。
?実例の説明とヴィゴツキーの理論との関連性の部分を講義でもう少し強調していただけたなら,よりわかりやすかったかと思います。
?ただ1つ気にいらないのが,先生は前の人の顔を見ながら講義をしていないだろうか。後ろの人間だって,まじめに聞きもらすまいと思い聞いています。ちょっとは後ろの方も気にしながら,話をして欲しいと……たまにぼそぼそと話していましたが,目だけでも後ろの方へ向けてアイコンタクトをとってほしいと感じました。

 それぞれおひとりずつででしたが,同じようなことをお感じになった方は,他にも大勢いらっしゃったのだと思います。どれも「そうだったのかぁ……自分では気づかなかったなぁ」「今考えれば,もう少しやりようがあったかも知れないなぁ」と,胸に突き刺さるものばかりです。今からでは「調整」はできませんが,可能な限りの「改善」に向けた「評価活動」の情報とさせていただきます。白井の「自己評価」をお手伝いいただき,再度,心から感謝いたします。

 最後に,授業で言い残したこと。
 夢をあきらめないで!
 またお会いする日を楽しみにしています!

1つ前のページへ*このページの先頭へ

*
*
(C) Copyright 2002 Tohoku Fukushi University. all rights reserved.
*