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VOL.59 APRIL 2009

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[OB MESSAGE]
社会福祉士と精神保健福祉士のダブル資格取得をめざして

通信教育部社会福祉学科卒業生 石川 知佳

 精神保健福祉士と社会福祉士の両方を目指す方が増えていると伺い,職場ではまだまだスタートラインについたに過ぎない私ではございますが,「私の場合」をお話させていただくことにします。
 私は,東北福祉大に入学する以前に長く心理学を学んできました。人の心を取り扱うことに興味を持ち続けつつも,心理学とは違った視点での捉え方があるのではないか,と模索しているときに「精神保健福祉士」という存在を知りました。私は,心理学によって,心理の中に客観性を見出すことよりも,一人ひとりの心の中にある,それぞれの主観性を大切にする精神保健福祉士に大変興味を抱きました。どうしよう,と迷うまもなく「えいっ」と一歩を踏み出すべく福祉大の入学を決めてしまいました。
 両方の資格を目指す場合,さまざまなパターンが考えられますが,私は精神保健福祉士として,精神障害者を支援したいという目標が第一にあり,ただし,障害者自立支援法によって,三障害がひとつの法律や仕組みによって支援されるようになるということから,「じゃあ,社会福祉士も…」というパターンでした。両立というよりは,精神の勉強に重きを置いて学んだように思います。ですから,精神保健福祉士の実習は,精神障害者のための指定相談支援事業所で行い,社会福祉士の実習は,法改正によって社会福祉士の実習施設に加えられた主に精神障害者が通っている就労継続支援事業所で行いました。それに関しては,せっかくの機会でしたし,ほかの分野にも足を踏み入れてもよかったかと思います。またより広い視野を求められていることはもちろんですが,それとともに広い守備範囲のなかに特に自分の得意分野を持つということも同時に求められているように思い,はじめから私はその分野を得意分野にしたいとの願いが強くありましたので,それはそれでよかったかな,と思っております。
 また,精神障害者の支援がしたいのなら精神保健福祉士だけで十分ではないか,と思われるかもしれませんが,長期入院をしている精神障害者の高齢化であったり,親が精神障害者である場合の子どもの発達上の問題であったり,社会福祉士になるために学んだ知識は決して無駄ではないと私は実感しております。それに,せっかく学んでしまった以上,実習もしましょう,国家試験も受けましょう,とおまけというのは失礼ですが,学んだことを形にしたくて今回社会福祉士の国家試験を受験し,何とか合格をいただくことができました。

◆福祉大での単位取得?勉強について

 福祉大でのレポートは難易度からいくととてもやさしく基本的なことを押さえてさえいれば合格できるものです。教科書の要点をまとめて自分なりに消化していれば,あまり苦労しないものが多かったように思います(時にやっつけ仕事のレポートを出したこともありましたが……)。関連する箇所を図書館などで詳しく調べたことで知識に深みが加わり,レポートや試験が終わると一旦は忘れてしまった内容が,国家試験の勉強を始めたときにまた蘇ってくることがしばしばありました。レポート作成のために市役所や社協,そのほかさまざまな施設に足を運んだことも,机上の知識で終わらせないためにとても役に立ちました。
 目先の単位にとらわれず,学ぶことを楽しむことは,お仕事をお持ちで学んでいらっしゃる方にはあまり当てはまらないかもしれませんが,福祉についてまったくの初心者であった私には澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なことだと感じておりました。スクーリング中に机を並べた仲間の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性も然りではありますが,私はこうして飛び込んでいった先での出会いが収穫をより大きなものにしてくれたように思います。学友との情報交換の中で「単位取得のための勉強は国家試験には何も役に立たず,また改めて学ばなければならなくなるから…」との声がよく聞かれましたが,「そうでもないのよ,結構役に立つのよ」と私は思っています。勉強の仕方は十人十色ですもの。

 現在,精神科病院の医療福祉相談室で,精神保健福祉士として勤務してまもなく1年となります。まだまだ無力さや無知を痛感する毎日です。学校で学んだことが実践で生かせることはあまりなく,しかし,それらは土台として必要不可欠であることは言うまでもありません。また,私が立っている場所は,スタートから一歩踏み出したに過ぎませんが,東北福祉大に入学をしなければ,そのスタートラインにすら立つことができなかったのだ,とつくづく思います。学びを通して知り合った方々やすばらしい先生との出会いに感謝する今日この頃です。

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