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VOL.59 APRIL 2009

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【6月科目修了試験のご案内】

【春期スクーリングV?夏期スクーリングIのご案内】

【通信制大学院コーナー】

【教員メッセージ?卒業者アンケートより】

【学習サポート】

教員MESSAGE [社会福祉学科]
ご入学?ご進級おめでとうございます

准教授 君島 昌志

◆福祉大の卒業生でもあります

 通信教育部で授業を担当するようになって6年が経ちました。また,澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】に勤務するようになってからは8年目となります。そう,学生の皆さんと同じように,私もこの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】で学生時代を過ごした一人でもあります。専門は「児童福祉」です。
 私の通信教育部での担当科目は「社会福祉援助技術演習I」と「福祉思想論」です。前者は2日間7コマの授業でソーシャルワークの基本を学びます。入学してからいろいろな講義を受けてきた皆さんが初めて演習形式の授業を体験することになり,ロールプレイなどのグループワークを通して利用者理解や援助のあり方の理解を深めます。受講生のなかには福祉の現場で30年以上実践を積み重ねてきた方もいますし,編入学して福祉の勉強を始めたばかりの方もいて,グループ討論などを通してお互い学びあうことをモットーとしています。
 後者はレポート科目であるため,学生の皆さんが一生懸命,仕上げたレポートの添削を通して学習をサポートしてきました。科目名からも難解そうですね。チャレンジする方は決して多いとは言えません。確かにテキストを開くと楽しく学習できそうな内容ではないですから。

◆頑張ったことが10年経って

 さて,その福祉思想についてお話させていただこうと思いますが……。難しい話を展開するつもりはありませんのでぜひ最後まで読んでください。
 2年ほど前,本学の職員の方や通学生などから「先生の書いた論文が新書本の参考文献に載っていましたよ」と教えてもらいました。さっそく書店に行ってその本を探しました。それが阿部真大著『働きすぎる若者たち—「自分探し」の果てに』NHK出版,2007年刊,という本でした。参考文献のページを見ると,私が研究者の道を歩み始めたばかりのころに書いた高齢者福祉分野の論文が確かに掲載されていました。今振り返れば赤面してしまうようなとても未熟な論文ですが,当時,自分なりに一生懸命書き上げました1)。そして,10年を経てから,全く想定していない分野で自分の論文が引用され生かされていることに大きな驚きと喜びを感じました。
 論文の内容は,福祉見直し論や日本型福祉社会の構想の背景にはオイルショックから真っ先に立ち直った日本の優位性とともに保守思想の台頭が福祉抑制の正当化に結びついたことを与党の政策決定プロセスと重ねて論じたものでした。
 「思想」というと大げさかもしれませんが,福祉政策が大きく転換するときにはそのベースとなる考え方の変化があります。これは福祉思想論のテキストからも理解できますし,福祉思想の変遷を学ぶことによって,現在の福祉について,さらに福祉の将来を見据える力を養うことができるのではないでしょうか。

◆新入生の皆さんへ

 これから学び始める皆さんは期待と不安を抱えながら,ややもすると孤独に耐えながら学習を進めていくことと思います。仕事や家事に追われながら大学で学ぶことは大変なことです。
 ゆっくりでいいですから,学習する習慣を身につけながら,授業を通して一つ一つ理解しながら,そして,共に学ぶ仲間を増やしていけたらよいと思います。
 努力したことは後で必ず実を結ぶと思います。ぜひ頑張ってください!!

文献
1)君島昌志「福祉政策の転換に関する考察(1)—1970年代における日本型福祉社会論と高齢者政策の変容を中心にして」『島根女子短期大学紀要』35号,1997年。

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