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VOL.52 JUNE 2008

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【夏期スクーリングIII?IV?V?秋期スクーリングIのご案内】

スクーリング講義概要

◆夏期スクーリングIII

高齢者福祉論 中里 仁

 下記の内容について講義する予定。
 (1) 高齢者問題の背景(高齢者人口の動向?家庭環境の変化)を中心としながら,高齢者福祉の成立要因を多角的に考えてみる。
 (2) 高齢者の経済状況,および余暇活動等の実施の把握をする。
 (3) 要介護高齢者(痴呆性高齢者?寝たきり高齢者等)の概念整理をする。
 (4) 高齢者福祉対策の基本方向を学習する。
 テキストを使用する場合は『レポート課題集(1?2年次)2008』記載のもので進めるが,平成19年度以前のテキストを持っている方でも受講可。

現代社会を見る眼 岩渕 勝好

 新聞記者35年,厚生労働省担当15年の経験をベースに,多彩な社会経験を持つ諸君と一緒に現代社会を考えてみたい。教材はビデオ(ニュース,ドキュメント),記事,各種資料。日本をはじめ,主要国?地域の人口問題を中心に,地政,民族,宗教,歴史,政治など,社会変動のファクターを分析し,グループ対抗で問題点,対立点を論議する。たとえば,少子化と人口爆発,文明と宗教の対立,北朝鮮対策,社会保障と国民負担など。自分の意見を述べ,グループ内の意見を調整し,相手グループを論破する。じゃんけんでグループの立場を決めて論争するディベートも。配布教科書は目を通しておくこと。

特講?社会福祉学IV(精神保健福祉士のコミュニティワーク) 八木原 律子

 『レポート課題集(1?2年次)』p.277を参照ください。
 インターネットでわが国が2007年9月に署名した「障害者権利条約」を引き出し,是非読んでおいてください。

心理学実験I 小松 紘?皆川 州正?佐藤 俊人?大関 信隆

 心理学実験Iでは,下記の4つの実験を体験する。受講生は4グループに分かれ,毎日1種目ずつ,(1)実験についてのオリエンテーション(2)実験実施(3)データの整理?分析(4)実験レポート作成という一連の作業を行う。翌日は,別の種目を経験し,4回ローテーションして全種目を終わる。
 実験1 「長期記憶の検索」(佐藤俊人)
 実験2 「対人認知と背景効果」(小松 紘)
 実験3 「ミューラー?リヤーの錯視」(皆川州正)
 実験4 「刺激の弁別閾」(大関信隆)
 4つの実験レポートはできる限りスクーリング期間内に提出してほしいが,やむをえない場合は8月22日必着で郵送でもかまわない。
 また,実験レポートとは別に「単位認定レポート」(2,000字程度)を12月24日必着(9月卒業希望者は9月1日必着)で提出する必要がある(『レポート課題集(1?2年次)』p.204?208参照)。
 福祉心理学科の方は,『福祉心理学科 スタディ?ガイド』で「心理学実験」の概要を予習してきてください。福祉心理学科以外の方も,ホームページ上で『With』20?21号の実験に関する原稿を一読されるなど心理学実験に関する予備知識をもっておいてください。
 全体ガイダンスを行うので,初日は1号館6階大教室に11:00に集合してください。
 筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓?4色ボールペンを持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。

臨床心理学 小林 愛

 臨床心理学とは,“こころに悩みを抱えた方に対しどのようにアプローチをしていくか”といった事柄に関する学問です。理論と実践の両者からなり,対象や方法,そして実践領域も多岐にわたります。そこで,この講義では,臨床心理学の基本を学ぶことを目的とします。
 内容は主に次の4つをとりあげます。
   1臨床心理学の視点,基本姿勢
   2心理的援助の流れおよび種類
   3心理的アセスメントについて
   4心理的援助の概要
 テキストにそって講義をしていきますが,テーマによっては体験していただくことも交えながら進めます。
 講義全般を通して,臨床心理学の奥深さ(楽しさから厳しさまで)をお伝えできればと思います。

社会福祉原論(職業指導を含む) 田中 治和

 スクーリングでは,配布資料およびテキストを用いて以下の〈目的〉ならびに〈骨子〉で行います。
〈目的〉
 I. 社会福祉全般の概略的な理解を図る。
 II. 社会福祉の理念(目的論と一般論)を,歴史的社会的観点から考える。
 III. 社会福祉学の対象論および方法論について,吟味する。
〈骨子〉
 (1) 日本の社会福祉史について     全体の輪郭と肝要な細部
 (2) 利他的行為について        その特色と陥穽
 (3) 社会福祉の目的と必然性について  社会福祉の存在理由
 (4) 社会福祉の思想について      人間観の創造と再生
 (5) 社会福祉学方法論について     人間理解の要諦
 テキストを使用する場合は第4版で進めるが,第2?3版をもっている方でもとくに問題はない。

心理学研究法I 木村 進?西野美佐子?吉田綾乃?大関 信隆

 この科目は,心理学において使われるいくつかの代表的な方法のうち,「観察法」「面接法」「質問紙法」についてとりあげ,これらの基本的理解を図ることを目指しています。まず,最初の1コマで心理学における方法論について全般的な講義を行います(担当 木村進)。その後,「観察法」「面接法」「質問紙法」それぞれについて2コマずつ講義を行い(担当 「観察法」西野美佐子,「面接法」大関信隆,「質問紙法」吉田綾乃),これらの方法の特徴およびその効用と限界について具体的に解説していきます。そして,スクーリング終了後,「観察法」「面接法」「質問紙法」のいずれかの方法を実際に用いた研究論文を配布します。配布された研究論文の中から1つを選び,そこで用いられている方法についてまとめ,考察を行うことが「心理学研究法I」のレポート2単位めの課題となります(くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.214?222を参照してください)。
 受講者は,受講前に『レポート課題集(1?2年次)』p.214?222,さらに,『福祉心理学科 スタディガイド』の「III章 心理学研究に取り組む」をよく読んできてください。
●受講条件 スクーリング申込締切日(7月18日)までに福祉心理学科専門必修科目?選択科目A群の科目から7科目分のレポート(4単位科目は4課題などその科目の全てのレポート)を提出していること(心理学実験を含めても可?提出していれば不合格や未採点のものがあっても可)。くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.216参照のこと。
●研究法IIIと違ってスクーリング試験があります。

総合演習 寺下 明

 今日,日本が直面している問題や人類が共通して抱える諸問題の中で,特に教育と関連する問題のなかから,興味や関心のあるものを選び,それにかかわる研究を演習形式で行う。授業は,特に教科書等を定めず,文献?新聞?雑誌?インターネット等を利用しながら,受講生が自ら問題を提起し,資料をもとに分析?考察を加え,発表してもらう。その後,全員で議論しながら,現代社会の問題点への認識を深めていきたい。
 受講生には,問題やテーマについての理解にとどまらず,いかに情報や知識を収集し,分析?検討した成果を発表し,討議を進めるかといったスキルを学んでほしい。そして,そのことを通して,世界的視野に立った,人間性豊かで,問題解決能力?実践的指導力などの能力を養うことをねらいとする。
※事前課題の提出が必要です『レポート課題集(3?4年次)』p.119参照)。

社会教育計画 星山 幸男

 この授業では,まず社会教育計画の基本的な考え方について学習します。学習する人を中心に置き学習者とともに計画づくりを行う(参画)という捉え方,大人の学びの特徴,そして「契約」という概念を説明します。ここではレポート課題の1単位めと関らせてお話します。また,社会教育計画と生涯学習計画の関係についても解説します。
 次に計画策定の手順を,実際に立案しながら学習します。各地の事例に学びつつ,施設計画づくり,事業計画づくりに挑戦してみましょう。レポート課題の3単位めと関らせてお話します。理念と実践,そのどちらも大切です。

◆夏期スクーリングIV

科学的な見方?考え方 大内 真弓

 『レポート課題集(1?2年次)』の「科目の内容」でふれたなかで,特にスクーリングだからこそ可能な部分に力を入れて進めます。具体的には,数多くの情報のなかから必要な情報を取り出すことや,ある情報を説明してみることにチャレンジしつつ,互いに指摘し合う場面も盛り込み,全員で見方や考え方は様々あることをテーマに掘り下げます。そしてどうすれば内容を良く見ていることになり,十分に考えられたことになるのか,さらには,どうすれば理解した内容をわかり易くかつ十分に他者に伝えられるのかを考えます。論理の飛躍や矛盾に気付かない場合も多々出てくるはずですが,それらの失敗や様々な材料を通じて自身の癖に気付いたり,何か新しいことを他者の姿から学び取ることができたりすれば幸いです。

基礎英作文 窪田 美穂子

 英和辞典と和英辞典を持参してください。
 1コマ目から6コマ目はテキストUnit1から10までと英語談話室Iのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
 7コマ目から11コマ目はテキストUnit11から20までと英語談話室IIからIVのポイントの解説を行う。それから各章の練習問題を実際に解答してもらう。さらにテキストに基づいた応用問題を出すので,その場で解答をしてもらう。
※受講条件あり『レポート課題集(1?2年次)』p.54参照

生命の科学 阿部 一彦

 科学の著しい進歩に伴い,生命現象についても大きく理解が進み,「生命」に関する話題は,マスコミその他,社会の種々の場面においても取り上げられるようになってきた。そこで,この講義においては,社会生活における話題性などにも意識して,生命の本質について,さまざまな視点から理解を深める。すなわち,そのときどきのトピックスに考慮した話題にも講義においてふれるようにつとめる。そして,いかなる機械やコンピュータよりも精巧で緻密な生物(生命体)について,さらに考察を深める。
 スクーリング時には,ヒトの命を支える分業システム,脳?神経系,こころの健康?からだの健康,ヒトゲノム計画?ポストゲノム計画,患者主体の医療などを中心にとりあげる予定である。

心理学研究法II 木村 進?白井 秀明?中村 修?佐藤 俊人

 スクーリングにおいては,検査法の実習と調査法のデータ分析(心理統計)の実習を行う。受講生の人数によるが,1日目の最初の2コマが検査法実習,3コマ目が統計法についての講義,2日目の3コマを使ってデータ分析の実習を行う。実習はいくつかの小グループにわかれて行う。実習内容の概要は以下を予定している。
1. 検査法実習(2コマ:担当 木村 進 ほか)
 (1) 検査法一般についての講義
 (2) 性格検査(「谷田部ギルフォード性格検査」〈YG検査〉)の実施と結果の整理
2. 調査法(データ分析)実習(4コマ:担当 白井秀明 ほか)
 (1) 心理統計学の基礎についての講義
 (2) 統計的検定(x2検定,t検定,無相関検定)の基礎についての講義
 (3) 統計的検定の課題実習
 この科目の1単位めのレポートは,スクーリング期間中または9月1日必着(3月卒業予定者は3月17日必着)で提出することが求められます。受講生は『レポート課題集(1?2年次)』p.223?227,ならびに申込者に事前に送付される講義資料をよく読んできてください。
 さらに,スクーリング事前学習として『レポート課題集(1?2年次)』p.224の(3)「要約レポート」が課されています。「要約レポート」はスクーリング初日に必ず持参してください(郵送しないこと)。
 この科目の2単位めのレポートは,スクーリング受講後ならばいつでも提出できます。
●受講条件
 スクーリング申込締切日(7月28日)までに福祉心理学科専門必修科目?選択科目A群の科目から7科目分のレポート(4単位科目は4課題などその科目の全てのレポート)を提出していること(心理学実験を含めても可?提出していれば不合格や未採点のものがあっても可)。くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.224参照のこと。
●9月卒業希望者は9月1日までに1?2単位めレポートを提出してください。

医学一般 柏木 誠

 障害や疾病をもった方々の支援に携わる場合,福祉職と医療職とが連携することとなります。福祉をメインに学ぶ方々にも,医学一般についての知識が必然的に必要とされるのです。急速な高齢化に伴う疾病構造の変化を理解したうえで,人体を構成している各臓器の構造と機能について,理解を深めることが基本となります。テキスト以外にも資料として,カラーの図等を示して講義を進めたい。そして,福祉職がかかわる機会の多い,各種疾病の特徴について澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なポイントをしっかりと把握してもらいます。また福祉施策の実際は行政との関係が密になります。国?県?市町村の動向に注目することも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。インターネットを活用した現時点での“生きた”情報の取得についても,注意すべき点も含めて,自在にできるようになりたいものです。以上のことについて,できるだけやさしくわかりやすく講義したいと考えています。

心理学実験II 村井 則子?西野美佐子?白井 秀明?中村 修

 心理学実験IIでは,心理学実験Iと同様に,下記の4実験を体験してもらう。すなわち,受講生は4グループに分かれ,毎日1グループ1種目ずつ,(1)実験のオリエンテーション(2)実験の実施(3)データの整理?分析(4)実験レポートの作成という一連の作業を行う。これを4日間で4種目をローテーションして全種目を終える。
 実験1 「系列学習法」(村井則子)
 実験2 「鏡映描写」(西野美佐子)
 実験3 「概念学習」(白井秀明)
 実験4 「集団意志決定」(中村 修)
 4つの実験レポートは,スクーリング期間内に提出することが望ましいが,やむを得ない場合は後日郵送でもかまわない(9月1日必着)。
 さらに,スクーリング終了後,単位認定レポートを12月24日必着で提出してもらう。詳しくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.209?213を参照のこと。
●9月末の卒業希望者は,9月1日必着で4つの実験レポート?単位認定レポート双方とも提出する必要がある。
 なお,心理学実験IIは,原則として,事前に心理学実験Iのスクーリングを受講済みの者のみが受講できる(この原則とその例外措置の申込み方法については,『レポート課題集(1?2年次)』p.212参照)。
 筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓を持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。
 今年度『心理学実験I』に続いて『心理学実験II』を受講する方は,『福祉心理学科 スタディガイド』の「心理学実験」の概要の予習をしてきてください。

社会福祉援助技術論II 都築 光一

 主な講義内容は,(1)社会福祉調査のこれまでの史的展開について学びながら社会福祉調査の現代的意義について考えてみよう,(2)実際の調査にはどのような方法があり,どんな長?短所をもちあわせているのか,なかでも面接調査の技法について学習する,(3)調査を行う場合の標本をどのように抽出するのか,標本抽出の意義と方法についての基本を学習する,さらに標本の大きさの決定について学ぶ,(4)調査票作成の基本とは何か,(5)調査したデータをどのように整理?分析するのか等について講義する。

精神保健福祉援助技術各論 大和田 誠子

 精神保健福祉援助技術各論は,社会福祉援助技術を基本とし,疾病と障害を併せ持つ精神障害者やその家族に対する医療,保健,福祉にまたがる援助についてその理論と方法を学ぶことが目的です。
 本講義では,主に精神保健分野における援助技法を具体的に学習します。精神障害者やその家族を対象にしたケースワーク,グループワークの実践を学び,さらにケアマネージメント,コミュニティワークの実際を理解します。
 (1) 精神保健分野のケースワーク(事例?面接技法等)
 (2) 精神保健分野のグループワーク(SST等のグループワーク体験)
 (3) 家族への支援(D?V,虐待,PTSD等への理解と支援を含む)
 (4) 精神保健分野のコミュニティ?ケア マネージメント
 テキストを基にし,以上の4点を柱に講義する。したがって,テキストを通読し予習が必要です。

精神保健福祉援助技術総論 志村 祐子

 精神保健福祉士資格が誕生し時間が経過した。今後はより質の高い専門職としての人材が求められてくることと考えられる。そこで,本講義では,精神保健福祉士がかかわる対象者の理解はもとより,専門性の本質的な要素として一般的にあげられている(1)価値(倫理を含む),(2)知識,(3)技術を精神保健福祉分野において理解することを中心におこなっていく。今回のスクーリングでは,社会福祉の実践の基本である原理や原則,対人援助の基本的な理解を個別援助を中心にVTRも用いながら講義する。受講者は,教科書の第2章,およびp.111?115を熟読してきて欲しい。

◆夏期スクーリングV

児童福祉論 千葉 喜久也

 豊かな社会といわれる中で,悲惨な子ども虐待が増加し,少年犯罪の凶悪化やいじめの陰湿化,不登校児の増加等,子どもの問題は深刻化している。これらの子どもの問題は現代社会が生んだ病理現象の一つである。都市化,核家族化された現代社会の歪みが最も弱い子どもに向けられたものである。
 本講義では,こうした子どもを取り巻く社会現象の背景に迫りながら,児童福祉の制度やしくみについて学習する。そして児童福祉の新たな理念である「子ども家庭福祉」の潮流について理解を深める。なお,講義では実態の理解を図りながら,受講生が興味と関心をもって楽しく聴講できるようビデオなどを活用した授業を行う。また講義が一方的にならないよう受講生の感想や意見を吸い上げながら行う。テキストは中央法規発行のもの,澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】発行のもの,どちらでもよい。

特講?社会福祉学III(地域減災論) 小松洋吉ほか

 『レポート課題集(1?2年次)』p.275を参照ください。

◆秋期スクーリングI

スポーツ(バレーボール) 佐藤 伊知子

 3日間の短期のスクーリングですので,バレーボールの基本技術を中心に実践します。実技の前には健康作りにも活用できる準備体操,ストレッチ運動も行います。
 また,6人制バレーボールをはじめ,ソフトバレーボールやシッティングバレーボールのルールについても講義いたします。それぞれにどのような工夫がなされているのかを学習してください。
 体育館での実技(ソフトバレーボールほか),教室でのルールの講義,ビデオ視聴(シッティングバレーボール等)を予定しております。運動着,体育館用のスポーツシューズを持参してください。

児童福祉論 千葉 喜久也

 夏期スクーリングVと同様

家族心理学 西野 美佐子

 家族心理学は,おもに臨床心理学的研究を基盤として1980年代に台頭した心理学でも最も新しい学問です。これまでの心理学がおおむね個人のこころを対象としていたのに対して,家族心理学は,夫婦,親子,同胞や祖父母との関係を含む錯綜とした家族関係を対象とするのが特徴で,その理論的構築にあたっては,システムズ?アプローチが必要となります。女性の社会進出,不況,少子化など社会経済文化的出来事と密接な関連をもって展開される家族関係の力動性を追及するのが,家族心理学の中心的課題です。
 本講義のねらいは,今日の社会的状況を踏まえて,変容する家族の姿の中に貫く本質的なもの,普遍的なものについて理解を深めることです。
 1. 家族心理学とは
 2. 家族の心理構造
 3. 家族の発達段階とその心理的危機
 4. ペアレンティング
  (1) 夫婦関係の発達 (2) 母子父子関係の発達 など
 5. 家族関係の心理的査定

心理療法 秋田 恭子

 心理療法を講義だけで理解していただくのは難しいことですが,
 (1) 心理療法の基本的な進め方(アセスメント?契約?面接構造?面接過程)についての講義
 (2) 様々な心理療法についての講義
 (3) 面接場面を映したビデオを通しての学習
 (4) 受講者の皆様に実際にワークを体験してもらう
の4点をスクーリング中に行いたいと思います。

社会福祉援助技術論IV(コミュニティワーク) 松田 昭裕

 地域において何らかの要因で問題が起こったときに,問題解決に導いていくのが地域援助技術(コミュニティワーク)です。
 スクーリングでは,地域援助技術の原則,展開過程,そして,具体的な事例を通しながら援助の技術を学びます。特に,社会福祉協議会が果たしてきた意義や役割について,事例を織り込みながら講義します。
 また,地域における具体的な事例をもとに,グループ討議をとおして課題の解決を探ります。

社会福祉援助技術論III(グループワーク) 熊谷 和史

 本科目では「そもそもグループワークとは何か」について,資料をもとに講義をしていきます。また併せてレポート課題についても解説しますので,教科書を持参して来てください。
 内容については,グルー プワークの特徴と長所。どのような場面で使われているのか。そして,援助者がグループのメンバーをどう「観る」のか。援助者自身に必要とされる「立ち位置」とは何かを中心に述べていきます。特に,援助者のあり方については,当日配布する資料をもとに,受講生のみなさんと考えていきたいと思います。

精神科リハビリテーション学 八巻 幹夫

 この科目の対象は「疾病と傷害を併存する」生活者であり,ゆえに,医療?保健?福祉に関する知識と理念及び技術が必要となります。スクーリングの講義内容は,障害概念,基本原則,生活の構造,生活支援,就労支援,障害者ケアマネジメント等がキーワードです。テキスト第1,3,6章及びレポート課題に示す参考文献に目を通してくると理解が深まるでしょう。当日は作成した資料を基に講義したいと思います。

障害児の心理 木村 進

 教科書と資料を使って講義をします。資料は当日配布になりますが,教科書については特に次のところを予習してきてください。I(全),II(全),III(1 2 6)。講義内容は,障害とは何かについての理解を土台に,具体的な障害の理解を踏まえて,働きかけのあり方に言及する予定です。受講生の障害児に関する理解と経験はさまざまであると予想されますが,基本的には初心者向けの内容にするつもりです。

公的扶助論 阿部 裕二

 講義のテーマは,「豊かな社会における貧困の様相と生活保護の現状?課題」です。社会の基底的なセーフティ?ネットである生活保護の仕組みや現実は,豊かさのなかに潜在化し,十分に知られているとはいえません。しかし,貧困が私たちの生活上に直面する危険(リスク)の一つであるとすれば,貧困問題に対応する公的扶助(生活保護)は,年金や医療と同様に身近な制度ともいえるのです。そこで本講義においては,拡大しつつある貧困概念(様相)を踏まえながら,生活保護の考え方(目的,原理,原則など),制度の内容,そして現代社会における生活保護の課題について,受講生の皆さんとともに考えていきたいと思います。
※教科書をよく読んで出席してください。

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