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VOL.18 APRIL 2004

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【シリーズ?東北】

「戸(のへ)」のつく地名

 先日,学習ガイダンスで青森県を訪れました。「青森」の名前の由来は,江戸時代前半,現在の青森市本町付近に青い森があり,それが港に入る船の目印になっていたことからつけられたそうです。また,青森県の地名の中で,興味を引かれるものがありましたので,前号の「盛岡市前九年」に引き続き今回は,青森県の地名についてのお話です。
 「八戸」は,日本有数の漁港として,また,東北新幹線「はやて」の終着駅としてご存じの方も多くいらっしゃると思います。そして周辺にはその他にも,「戸」と名の付く地名がいくつか存在しています。では一体いくつあるのだろうと不思議に思い調べてみました。すると,「戸」と名の付く地名が岩手県,青森県にまたがって8つもありました。
 以下が「戸」の仲間の地名です。

地名 場所 観光キーワード
一戸
(いちのへ)
岩手県二戸郡一戸町 奥中山スキー場,国指定史跡御所野遺跡
二戸
(にのへ)
岩手県二戸市 金田一温泉,九戸城(福岡城)
三戸
(さんのへ)
青森県三戸郡三戸町 城山公園,りんご,なし
五戸
(ごのへ)
青森県三戸郡五戸町 馬肉,坂の町,にんにく
六戸
(ろくのへ)
青森県上北郡六戸町 六戸フラワーガーデン,シャモロック
七戸
(しちのへ)
青森県上北郡七戸町 鷹山宇一記念美術館,駒まんじゅう
八戸
(はちのへ)
青森県八戸市 縄文の里,うみねこ,いか
九戸
(くのへ)
岩手県九戸郡九戸村 くのへスキー場,戸井良沢水芭蕉公園

※四戸という地名は昔,三戸町と五戸町の間にあったとされています。また,現在八戸市にある櫛引八幡宮は「四戸八幡宮」ともいわれていますので,その付近が四戸であるという説もあります。なぜこの地名が消えたのか,詳しいことは不明です。

 「戸」の地名の由来には,いくつかの説があるようです。平安時代後期に糠部(ぬかのぶ)と呼ばれた北奥羽地方(青森県東部から岩手県北部)は,日本最大の郡域でありまた,軍馬の生産地であったようです。糠部の馬は上級馬で,年貢として納められていました。そして,牧場の木戸のあった場所を「戸」と名付けたそうです。例えば「三戸」は,三番目の牧場(戸)があったことから「三戸」,「七戸」は,七番目の牧場(戸)があったことから「七戸」という地名になったようです。
 その他にも,糠部を九つの地区に分けたときに地名がつけられ「戸」は「?地区」の意味だろうという説や,蝦夷(えみし)平定の際に北進する朝廷側の前進基地(柵戸)があったためであるという考え方などがあります。
 この地方は,特産品も多いので,興味をもたれた方は,地図で場所を見つけて順番に訪れてみてはいかがでしょうか?

(T.M)

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