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VOL.18 APRIL 2004

【巻頭のことば】

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【夏期スクーリングIのご案内】

【通信制大学院コーナー】

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【学習サポート】

[社会福祉学科] 社会福祉学科で学ぶこと

社会福祉学科
遠藤 克子

 社会福祉学科に入学?進級おめでとうございます。今年も新たに向学の志高い方々をお迎えすること,また,努力を積み重ねて進級された方々と引き続き共に学ぶことができるということは大変嬉しいことです。

◆通信教育はきわめて自立的な教育形態である

 通信教育はレポート作成とスクーリング参加という二本柱が中心です。こういったソフト面が中心の学習環境の中で学ぶということは,学生がいかに自主的に自分自身の時間や能力を学習に向けて調整していくかということに大きくかかわってくるものと思います。
 一方で皆さんひとりひとりはそれぞれが異なった学習環境のなかで生活していて,通信教育に支援的な環境の方ばかりではないでしょう。たとえば,協力的な配偶者もいれば,無関心な親もいるでしょう。職場が必ずしも理解があるわけではない。通信教育を支援するネットワークを持っている人もいる。要は環境と自分とのつきあい状況をしっかりと把握し,如何に学習時間を作っていくかという課題に立ち向かっていくかということになります。
 このことは,まさに「自立?自己決定」の課題の一例と考えられます。つまり,如何に主体的?自立的に学習するかという課題といつも直面していると考えられます。なお,ここでいう“環境”とは生活モデルでいう人間的環境,人工的?物理的環境,自然的環境を含むものを言います。また,「自立」とはその人なりの自立であり,経済的自立に限りません。まず,自分の感情?意思を表明できることであり,さらに,自分と環境との関連構造のなかで判断し,自己の責任において決定するということと考えています。先日のアテネマラソン選考に洩れた高橋尚子選手のそのあとの記者会見の発言はその意味で見事なものでした。

◆社会福祉に置ける自立?自己決定

 現場と研究機関と大学と一貫して社会福祉領域で仕事をして来た私からすると,「自立?自己決定」は社会福祉実践?研究?教育のゴールでもあると言う認識をもっています。しかし,日本人は自分自身も含めまたこの「自立?自己決定」があまり,得意でないということも嫌と言うほど味わってきました。
 社会福祉援助技術,特にM.リッチモンド以来の個別援助技術という方法論のなかで,常に問われ続けてきたのは利用者の自己決定をいかに保障し,利用者の自立を目指すかという課題です。
 現在,日本では,社会福祉基礎構造改革以来,利用者の自己決定を社会福祉の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】概念として位置付けています。しかし,自己決定を容易に行なうためには,幼少時から,欧米のように自己決定が前提の社会で自己決定を生活習慣としているなかで成長してくることが大切とよくいわれます。人生の中途で自己決定をはじめて迫られているのがわれわれ大方の日本人であるというのが現実と私は理解しています。特に,福祉サービス提供の場面で高齢者や障害者,児童の自己決定を支援する際に本人の自己決定でなく,家族や支援者の自己決定を押し付けている,あるいは,形骸化されているという現実,嘆きに出会うこともしばしばあります。このような現状を克服していくことが社会福祉の大きな課題です。

◆自立は人生の目標

 社会福祉を学ぶということは自分自身が自己決定できる人間として自分を磨いていくことと考えています。ひとりひとりが自分の人生の主人公として生きていくということ,これは絶えざるチャレンジの積み重ねでもあります。そのことは他人の人生のお邪魔虫にならないことと両立するということ,バランスをとる,中庸を保つという古来からの人間の生き方の理想につながると考えられます。それを目標に私自身の自戒をこめて,皆さんと共にさらに学んで生きたいと思います。心身の健康に留意して,進みましょう。

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