*With TOP > VOL.17 MARCH 2004 > 
* *

VOL.17 MARCH 2004

【学習サポート】

【現場から現場へ】

【5月科目修了試験のご案内】

【春期スクーリングのご案内】

【通信制大学院コーナー】

【お知らせ】

【BOOK GUIDE】

【シリーズ?東北】

【ひろば】

* * * *

【学習サポート】

[生命の科学] 「世界に一つだけの花」を聴きながら

教授
阿部 一彦

 生命の科学はスクーリングを行っていないので,直接あった人はほとんどいません。いつもレポートを通してだけの関係です。そのようなことから,私のことはほとんどわからないと思いますが,私の苦手なものの一つにカラオケがあります。近頃はいろいろな集まりがあると,二次会などはカラオケに張り切る人がとても多くなりました。そんなときの私はとても大変です。現在,何の歌が世間で流行しているのかなどまったく知りません。
 そんな私も大晦日には恒例の「紅白歌合戦」をちょっとだけみることがあります。もちろん,自分がチャンネルをあわせるのではなく,家人があわせるのです。何気なく目にしたのですが,今年はとても気になる歌がありました。「世界に一つだけの花」です。歌っていたのはSMAP。これも恒例のことですが,毎年初売りにはイミダスを買いますので,さっそく調べてみたところ,このシングルCDは200万枚超のセールスを記録したのだそうです。
 そんな私は,すぐにこのシングルCDを探しましたが,みつけることができなかったので,私としては大枚3,500円を費やしてCDアルバムを購入しました。実際の私を知る人から見たらとても驚きのことと思います。
 そして,今もこの原稿を書きながら,repeat機能を使って,繰り返し「世界に一つだけの花」だけを聴きつづけている次第です。アルバムに収録してある他の曲には関心がないといったら,きっとSMAPファンの方々から強くしかられると思いますが……。
 以下にその歌詞を記しますが,とてもわかりやすい内容ですし,そして,とても考えさせてくれる歌詞でもあります。(世界に一つだけの花:作詞?作曲 槙原敬之)

「花屋の店先に並んだ/いろんな花を見ていた/ひとそれぞれ好みはあるけど/どれもみんなきれいだね」
「この中で誰が一番だなんて/争うこともしないで/バケツの中誇らしげに/しゃんと胸を張っている」

 本当にさまざまなことを考えさせてくれます。社会福祉に関心を持つ立場からもいろいろな意味合いを感じることができます。金子みすずさんのいうように,「みんな違ってみんないい」のですね。

「それなのに僕ら人間は/どうしてこうも比べたがる?/一人一人違うのにその中で/一番になりたがる?」

 20世紀のかつての競争社会が思い起こされます。「かつて」というよりも今もそうなのかもしれません。何気なく比べてみてしまうところが誰にでもあるのではないでしょうか。ということは,比べられてもいるのですね。

「そうさ 僕らは/世界に一つだけの花/一人一人違う種を持つ/その花を咲かせることだけに/一生懸命になればいい」

一人一人の違いを大切にしたいですね。社会福祉は社会の幸せづくり,一人一人の幸せは一人一人違います。一人一人の価値観も違います。一人一人の価値観を大切にした,よりよい支援をはかることがとても大切ですね。
 誰一人として完全な人間はいないように,誰にでも不十分なところや不満なところがあります。人間のことを英語でいうと「human」,私のパソコンではたまに「不満」と変換します。
 私たちは誰でもが欠点を持っています。不満足なこともたくさんあります。しかし,マイナスの面をみるのではなく,プラスの面を伸ばすことが大切ですね。

「小さい花や大きな花/一つとして同じものはないから/No.1にならなくてもいい/もともと特別なOnly one」

 最も気に入ったのは,最後のところです。No.1にならなくてもいい,もともと特別なOnly oneです。人と比べることなく自分自身を大切にして,自分だけの感性に満ちたいきいきとした生活を送りたいものです。
 そんな,いろいろのことを年の変わり目にじっくりと考えるきっかけを作ってくれた,「世界に一つだけの花」を聴きながら,今の気持ちを文章にしてみました。皆さんもこの歌をきっかけにいろいろと考えてみてはいかがでしょうか。もっとも,何もこの歌に限ったことではありませんが,何かをきっかけに自分の生活について,そして人間について考えてみる機会を持つことはとても大切なことと思います。

 生命の科学は,「生命」,「生活」,「人生」の科学でもあります。一人一人の生活,一人一人の人生を大事に考えた内容でありたいと常に考えています。
 受講生の方々,一人一人の視点から,そして一人一人の生活や人生に触れながら,レポートにまとめていただくことを期待しています。皆さん一人一人のレポートは,書き手の皆さん,一人一人の視点や経験を踏まえて,それぞれ違いますが,どれも皆きれいで,輝いています。自分にしか書けないレポートを作成してください。画一的ではないレポートの中に,皆さん,一人一人の思いを感じるとき,私も充実感を感じます。

1つ前のページへ*このページの先頭へ

*
*
(C) Copyright 2002 Tohoku Fukushi University. all rights reserved.
*