VOL.08 FEBRUARY 2003 【学習サポート】 【現場から現場へ】
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【現場から現場へ】[INTERVIEW] 精神障害者地域生活支援センターのしごと(話し手)足立区衛生部(足立保健所) 精神障害者地域生活支援センター 精神保健福祉士の資格と仕事については,『With』1号【現場から現場へ】で遠藤克子先生よりご紹介いただきましたが,今回は資格をもって実際に精神障害者地域生活支援センターで仕事をされている高橋暢行さんにお話しをお伺いしました。なお,高橋さんは現在本学通信制大学院の1期生として,仕事と研究活動の両立を果たしておられます。 Q.精神障害者地域生活支援センターは,どんなことをしている施設ですか。 精神に障害をもった方々が,精神病院を出て,地域のなかで暮らすことができるように,さまざまな応援をするための施設です。精神障害者からの電話や面接で相談にのったり,生活のしづらさを解消するために,食事サービス,洗濯や憩いの場の提供など日常生活の支援をしたりするのが主たる業務です。また,区内関係機関との連携体制の確立も澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な業務になっています。 Q.対象者はどのような方ですか。 私の所属する東京都足立区の精神障害者地域生活支援センターでは,地域で暮らしていて生活支援を必要としている約250名の精神障害者が登録をされておられます。3割はひとりぐらしをしておられ,残りの方は家族と同居です。グループホームなどで生活する方は250名のうち10名ほどでごくわずかです。グループホームはまだまだ数が足りないと思っています。 Q.具体的には高橋さんの仕事内容には,どんなものがありますか。 大きく分けて,4つの仕事があります。 Q.センターでは,就労支援のセクションもあるようですが。就労支援は,併設の通所授産施設や区内の小規模作業所などと連携して,一般就労への応援をしています。しかし,授産施設の定員は20名と少ないものです。また,就労する際に精神障害者であることを隠して入る人が多いため適切な配慮が得られず,人間関係が原因でやめていく人が多く,かといって精神障害者であることを公表してはなかなか雇ってくれない現実があり,一般就労と定着への道はなかなか難しいものがあります。 Q.身分や勤務の形態を教えてください。 私は区の職員で,公務員です。大学で心理学を学び,福祉職として採用されました。最初は身体障害関係専門の相談を行っていましたが,平成元(1988)年から精神障害者関連の仕事についています。 Q.大学で心理学を学んでいかがでしたか。 今にしてみれば広く,浅くではありましたが,感覚?知覚心理学から社会心理学,臨床や発達心理学まで心理学全体を学んだことは,現在の仕事に多少なりとも役立っているのではないかと思います。社会心理学で学んだ集団についての知識が,福祉のグループワークにつながったりしますし。 Q.精神保健福祉士として活躍するには公務員になる必要があるのでしょうか。 そんなことはありません。地域生活支援センターをはじめ「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」50条に定められた社会復帰施設は,市や区の直営だけでなく,社会福祉法人や医療法人がもっていることも多いです。また,最近法の枠内で認められた「小規模通所授産施設」は任意団体が法人格を得て行うこともできます。 Q.精神障害者の方々の相談にのるというのは,何かとても難しいことのような気がするのですが……。 そうですね。私も最初は目の前の対処におわれ,無我夢中でした。 Q.精神保健福祉士を目指される方に何かメッセージをいただけないでしょうか。 精神病院に「社会的入院」を余儀なくされていた精神障害者が地域で町でいっしょに暮らせるために,今後,地域では,精神障害者が抱える多様で複合した課題を解決していかなければなりません。一例をあげれば,ケアマネージメント(調整,斡旋業務)なども新しい支援技法として澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】さを増すと思います。 Q.最後にしごとと大学院での学習?研究との両立について,どんな工夫をされておられますか。 小さな時間をできる限りこまめに使うようにしています。例えば,通勤の電車の中は貴重な時間です。 非常に具体的にお話しいただき,ありがとうございました。 |