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VOL.51 MAY 2008

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【現場から現場へ】

[OB MESSAGE]
社会福祉学科で学んだ2年間を振り返って…

通信教育部OB 森本 智実

 私が社会福祉士を目指すきっかけとなったのは,保育士として働く中で発達に課題を持つ子どもたちを担任し,その保護者の方々と日々の悩みや子どもとの関わり方等を一緒に考える機会が増えてきたことでした。こうした「保育」という領域の中にも子どもたちの発達や障害に対する適切な援助や保護者支援のあり方等について,より専門的な知識や経験を常に追い求めていかなければならないと強く感じたことで社会福祉士を目指す決意をしました。
 そして,私は社会福祉士の取得を目指すべく社会福祉学科に入学した際に,もう一つ決意したことがありました。それは経済的にも家族協力の面においても長期化しないように2年間で受験資格を取得して卒業をするということでした。2年間で終えるためには1年目の早い段階で集中的に12科目の単位習得を確実に積み上げていくことが第一条件でした。そのためにはまず,演習科目等の受講条件や実習希望時期などから逆算して2年間の長期目標を立て,その上で1年毎の学習計画を表にして書き出すことから始めました。その際,間際になって焦らなくていいように早め早めの予定を組むようにし,どの科目のレポートをいつまでに仕上げて,どのスクーリングに参加するのか,どの科目を科目修了試験で取得していくのか等を自分の中で整理しました。
 しかし,学習は計画した通りに進むことばかりではありませんでした。その際には自分自身との戦いになることは言うまでもなく,事前に計画していた学習よりも遅れてしまった分に関しては,どこかで自分を追い込むことでしか解消する方法はありませんでした。2年間での目標を達成するためには,一つの遅れ?甘えが次の遅れへとつながっていってしまうことを自分に言い聞かせ,「よし,この2日で必ず1冊のレポートを書き上げよう」と短期目標に置き換え,遅れた分は間延びしてしまわないうちに気持ちを集中させて仕上げてしまうことを心掛けました。また,いつどんな状況で学習が思うように進められなくなってしまうかもしれないということを想定し,集中的にできる時間ができた時には早めに取り組んでおくことも常に視野に入れて取り組むようにしていました。どうしても思うように進まなくてしんどくなってしまった時こそ,将来,後悔してしまっている自分の姿が思い浮かび,入学を決意した時の「意思」を噛み締めている自分がいました。
 こうした一つ一つの積み重ねによって実習許可の通知が大学から届いた時には,1年の頑張りが認められたようでとても嬉しかったことを覚えています。私が実習をさせていただいたのは体験学習でもお世話になった心身障害児療育センターだったのですが,ここでは発達上に何らかの課題を持つ子どもたちとその保護者の方々が1週間に一度一緒に通園され,指導員や小集団でのお友達との関わりの中で子どもたちが少しずつ自信を持ったり,発達上の課題を克服できるように働きかけていくことを主として,保護者同士の関わりをつなげていく場としても大きな役割を果たしています。実習期間中は1日の中で観察実習をする子どもを事前に計画表の中に組み込んでいただいていたり,担当指導員から子どもの様子や今までの経過,保護者の様子などを事前に聴かせていただくことができたので,自分の中で子どもとの関わり方をイメージしながら取り組んでいくことができました。また,本来なら職員しか参加させていただくことのできない職員会議やカンファレンス,研修などにも積極的に参加させていただいていたことで,「なぜ,この関わり方をされていたのだろう」「この方法を選択されている意図は何なのだろうか」と,観察実習の中で感じた疑問や理解できていなかったことなどが解決に導かれ,日々新たな問題意識を持って取り組んでいくことができるきっかけにもなりました。実習中は指導員の先生方が,子ども一人一人の現段階での持っている力や今後の目標を明確にして,取り組み方一つ一つを丁寧に検討されている様子や,子どもの頑張り,変化を保護者と共に認め合い,喜び合いながら取り組まれている様子などを肌で感じながら観察させていただくことができ,保育士として働いてきた自分を見つめ直す機会にもなりました。今後,自分自身が「福祉」に携わっていく上での振り返りの原点にもなる貴重な実習をさせていただけたことを幸せに思います。
 今後は,「福祉」と「子育て支援」の両面から子育てに悩むお父さんやお母さん方をサポートしていく社会資源の一人になれるよう,今を新たなスタート地点にしてさらなる「人生勉強」と「経験」を積み重ねながら日々前向きに頑張っていきたいと思っています。

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