五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築

本取組みは感性福祉研究所を中心に行われています。感性福祉研究所は、設立以来、文部科学省の「学術フロンティア推進事業」の助成を得ており、研究の推進にあたっては、本学以外の研究機関からも多くの研究者が加わっています。

第Ⅰ期(1998-2003)は、「生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学際的研究」、第Ⅱ期(2004-2009)は、「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」を研究課題としています。

第Ⅰ期、第Ⅱ期を通じ、研究課題は、今日の福祉領域で比重を増してきているヘルス?ケアの問題に焦点を当てており、予防福祉や感性福祉という視点からのアプローチである点に特徴をがあります。第Ⅰ期から第Ⅱ期にかけては、基礎的研究から応用?開発研究に重点が移行しています。

研究内容

A 健康スケールの開発とその健康?福祉サービスへの応用に関する研究

  1. 健康自己点検?満足度スケール(元気点検票)の実用化に関する総合的研究
    研究成果→「セルフ?モニター型健康スケールの提案」2006.11.25
        →「生体情報学の立場から」2007.12.2(感性福祉研究所シンポジウム資料集より)
  2. メディカル?フィットネス?サービスの汎用化研究
  3. クリニカル?アート?サービスの汎用化研究
  4. カウンセリング?エステ?サービスの新開発研究
  5. 「食-息-眠-温-動」の行動履歴と心身の快適感の相関に基づいた生活行動設計に関する研究
  6. 「安心?安全?リラクセーション」指向型ストレス関連新サービス開発研究
  7. 「想」の視点からの新しい心のカウンセリング法の開発研究
  8. 「性」の視点からの新しいカウンセリング法の開発研究
  9. 社会環境及び自然環境との関わりの視点からの新しい健康サービス開発研究
  10. ウェルネス教育プログラムの開発研究

B 新たな健康福祉サービス及びそのシステム化の社会的、制度的諸条件に関する研究

  1. サービス?ひと組織?事業開発研究
  2. タスク?仕事能力、人事?仕事開発、ケアサービス構想、組織?事業マネジメント開発
  3. 専門職教育システム
  4. 参加型福祉システム
  5. 主体形成と社会参加
  6. 施設の外部効果
  7. 人間環境デザイン?政策科学研究
  8. 人間環境マネジメント
  9. 政策?制度環境構想

C 健康?福祉サービスの品質向上とプラクティスの日常化を促進するための器機の開発

  1. 新しい車椅子の開発研究
  2. 福祉ビジネス?システムの開発研究
  3. 健康福祉器機?システム開発研究

D 国際比較研究

感性福祉研究所 設立の趣旨

flontire
20世紀は知性優位の百年間でした。物質文明と科学技術の驚異的発展は人 びとの生活を豊かにしました。しかし、物質的豊かさと引き換えに、人びとの生きる喜びは減衰の一途をたどりました。そして今、知性と感性の調和がなけれ ば、文明が人びとに生きる喜びをもたらすことは至難であるとの認識に至りました。

まさに、21世紀の課題は、「知性と感性の調和」です。このような視点から生まれる福祉の新しい理論と実践の創出こそが感性福祉の目指すところです。

感性福祉研究所の設立の背景には、知性優位の文明に流されて衰えてきた過去の反省があります。21世紀の課題「知性と感性の調和」の視点に立ち、今一度、人間の感性を呼び覚まし、豊かな福祉社会を築こうという願いが込められた我が国初の研究機関になります。国内外の大学や研究者の協力で進められ、その 成果が世界に向けて発信されています。

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