2022/01/27 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅰ

1月27日の2限に行われた保育実習指導Ⅰは、「保育ボランティア学習の展開Ⅲ」と題して、GoogleMeetを使用し、利根川智子先生より講義が行われました。

初めに、利根川先生より以前説明があった「春季ボランティア学習Ⅱ」に関する変更点のお話がありました。その後、「春季体験学習記録(※1)」の書き方について、Wordで実際の資料を掲示しながら丁寧に説明をしてくださいました。
(※1)「春季体験学習記録」…保育の実習に使われる日誌のような作りになっており、保育所の概要や学習経過(1日の流れ)の概略などを記載する

次に、「春季ボランティア学習の展開Ⅲ」のお話をしていただきました。内容としては映像学習の映像の保存場所、提出物等の確認などがあり、途中で「ウォーミングアップ」と称し、子どもの自由遊びの映像を見て気付いた事を1つを選んでチャットに打ち込むという活動を行いました。ここでは、実際に学生が書き込んだチャットを3つ抜粋してご紹介いたします。

【学生の気付き】
?安全に配慮して遊ぶことができていた
?保育者は常に子どものそばにいて、遊ぶ様子を見守りながら声掛けをしていた
?保育者は子どものそばで見守ったり、一緒に遊んだりすることで、子どもが安心して活動できるのだと感じた

この後、「指導計画の作成」に関するお話をしていただきました。内容は以下の様になっております。

〇指導計画の作成:観察例
?子ども一人ひとりの姿、集団の中での子どもの姿
?今までにどのような経験や体験を積み重ねてきて、何に興味?関心があるのか
?保育者はどうしてそのように援助したか
?保育者の援助により子どもはどう変わったか など

〇指導計画の作成:ねらい
→入園から卒園までの間に子どもに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情?意欲?態度を示す(幼稚園では教育面だが、保育所では養護面が加わる)

(例)主語;子ども
教育)「クラスのお友達と言葉を交わしながら、土や水の感触を十分に味わう。」
心情:味わう、楽しむ、もつ
意欲:十分に~する、進んで~しようとする、自分から~関わる、深める
態度:身につける、豊かにする、わかるようになる、通わせる
養護(※2):一人ひとりの子供が(対象は一人ひとりの子ども)、~できるようにする
(※2)養護は、保育士などが行う具体的な事項

〇指導計画の作成:内容
→ねらいを達成するために指導する事項を指す。子どもが環境にかかわって展開する具体的な活動を通して総合的に始動されるものであり、経験する事項である。(幼稚園は教育面、保育所では養護、教育面である。)

(例)ドッジボールの場合
ねらい)ボールを使った集団遊びにおいて、ルールや決まりを守ろうとするようになる。
内容)ドッジボールをクラスの仲間とすることを通して、ルールの必要性に気付く。

〇指導計画の作成;環境の構成
→ねらいが達成されるように、保育者が環境に対して行う働きかけ(子どもへの間接的な援助)を指す。事前にしておくことと、保育中に行うこと(環境の再構成)がある。

【環境構成を書く際に注意すること】
「環境図」
?活動に合わせ、環境が変わるときにはその変化が分かるように別の環境図を書く
?物、場所、数量だけでなく、保育者の一、子どもの位置も示す
?フリーハンドでは書かず、定規を使用して書く

「制作等」
?保育者が準備しておくもの、材料、道具などの名称と個数を示す
※保育者がなぜそのような環境を構成したのか、具体的にどんな環境を構成したかが伝わるように書くこと。
※子どもが自分から環境に関わりたくなるように意味のある環境を構成すること。

〇指導計画の作成:子どもの活動
→ねらいや内容と関連して、子どもが自ら活動を展開していく過程を予想したもの

(例)〇砂場遊びをする
?2~3人で山を作る
?トンネルを掘る
?砂を掘って水を入れる
※大きな活動と小さな活動に分けて書く

〇指導計画の作成:保育者の援助
→ねらいや内容が達成されるように行なう保育者の様々なかかわりを指す。保育中に保育者が直接子どもとかかわって行うすべての働きかけが援助になり得る。

【保育者の援助を書く際に必要な事】
「設定保育の場合」
?導入(全員):何をするのかを知り、興味?関心を高める時間
?展開(全員または一人ひとり):したいことが明確になり、実際に開始、活動に夢中になって集中する時間
?まとめ(全員):活動中の良かった点、課題を明確にして、次につなげる時間

「自由遊びの場合」
何をするか明確ではない時間→したい遊びが見つかり、開始され、夢中になって取り組んでいる時間→次の遊びのイメージを探し、遊びが変わったり発展したりする時間

※保育者の援助は行動のみではなく、援助の意図も同時に考えること

〇指導計画の作成:反省
→子どもの育ちを見る視点と自分の保育を振り返る視点の2つが必要になる。

(例)
育ちを見る視点)
①本日のねらいに近づいていたか/達成していたか
②どういった力が伸びていたか(個人内評価)
※個人間の比較は× → 活動の前後での状態を比べる〇
③どうしてその子はそうしたのか?ありのままを見る、子どもの行動の背景を見つめ、考える など

保育を振り返る視点)
①ねらい?内容は子どもの実態に照らし合わせて、適切であったか
②保育者の環境構成及び援助は適切であったか など

〇指導計画の作成:評価
→指導計画及び実践との関係を中心に考えて、子どもの育ちに繋がる保育ができるようになるための評価を行う。

(例)遊びの時間が足りなかった
→足りない理由は?(準備不足?子どもの興味?関心が予想しなかったことに向いた、進行する予定の時にトラブルが発生したなど)
→何をどう予測しておかねばいけなかったのかを考える

以上が本日の内容となります。
2年生の皆さんは、次年度から本格的に実習に取り掛かる年になりますね。本日の講義で実習の記録に関する大変さを感じたのではないでしょうか。
実習の記録は、学年が上がるにつれ大切さに気付くものです。現時点で「大変だな」、「嫌だな」とネガティブにならず、その先にある成長を見越して頑張っていきましょう。

記事担当:佐々木彩、森麻尋