2021/11/11 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅰ

11月11日、5限の保育実習指導Ⅰでは、株式会社バトン代表取締役で社会福祉法人伸こう福祉会副理事長でもある林義仁先生をお招きし、GoogleMeatを使用しての同時双方向型の講義が行われました。

本日の講義ではGoogleMeatのチャット機能を使用し、事前に用意をしていた学生から林先生への質問にいくつか抜粋してご回答いただきました。ここでは、2名の学生とのやり取りをご紹介します。

1.学生A
【質問】子どもが好きで保育士になりたいという気持ちは強くありますが、保育現場が想像以上に過酷だということを耳にすると、自信がなくなり嫌だなと感じる自分もいます。そういう気持ちがある状態で保育士を目指すのは良くないのでしょうか。

?林先生:保育士になりたいという気持ちが芽生えたのは、具体的にどのような心境でしたか?
?学生A:大学で学んだり保育の現場も実際に見ていく中で、自分が思っていたよりも大変なことが多く、楽な仕事ではないと知り、その大変さに耐えられるか、それともやりがいを感じることが出来るのだろうかという不安があります
?林先生:具体的にどんなことが大変そうだと思いましたか?
?学生A:保護者対応など、、、

以上のやり取りから、林先生から「体力がなくて、苦しくなる。筋トレをして、筋肉痛になる」というお言葉を頂きました。「何事も始めた頃は楽しい気持ちがありますが、やっていくうちに悩んだり辛くなったりもします。しかし、少しずつ筋トレのように積み重ねていくことで力に繋がるように、まずは積み重ねていくことが大切です」とおっしゃっていました。

2.学生B
【質問】以前の講義で価値観のお話がありましたが、林先生は価値観が違う人とかかわらなければならない時に、意識していることや気を付けていることはありますか?

?林先生:どんな心境でこの質問を書きましたか?
?学生B:今までいろいろな人とかかわってきて、自分と価値観が全く違う人とかかわるときに難しさを感じてきました
?林先生:価値観の違いは良く感じますか?
?学生B:はい。「今それを言うの?」と相手に思うようなことがあると、一歩引いてしまいます。これでは、色々な人とかかわる仕事をしていく中で大変なのではないかと感じました。

以上のやり取りから、「相手が思った通りの人ではないことから、相互理解が始まる」とお言葉を頂きました。林先生は、価値観が異なる人が現れた場合、なるべく丁寧に対話をして、状況を見ながら距離を取る場合もあるようです。人とかかわっていく中で、「距離を取る」、「丁寧に対話する」だけではく、1つでも多くのコミュニケーション方法を持ち、相手に合わせて取り入れていくことで、相互理解に繋がるとおっしゃっていました。

次に、2つの映像を見ながら、林先生からお話をして頂きました。

1つ目は、「ハダカ踊りの男」という動画です。
この動画の内容は、広場で1人の男性が踊っているときに、その様子を見たもう一人の男性が同じく踊り始めます。すると、次々に周りの人々が踊りに参加し始める、という内容でした。

この動画から、林先生は「自分が『最初の男性』になれなくても、『何かを始めただれか』を支える2人目になることは出来る。また、最初の1,2人になれなくても、途中参加をすることで物事を大きくしていく支援が出来る」とおっしゃっていました。

2つ目は、NPO法人Homedoorの理事長である川口加奈さんの動画です。
この動画の内容は、川口加奈さんが自分の体験をもとに演説をしている動画であり、主にホームレスの自立支援についてお話しています。

この動画、そして講義全体のまとめとして、「次の『行動』を決めよう」という言葉を頂きました。「自分を変える、周りを変える、社会を変える、これらはすべて繋がっており、自分が変わっていくことで、社会が変わることへ繋がっています。そのため、今私たちが学んでいるものは何に繋がっているのか、また人を育てる保育士のように、未来に繋がる仕事には意味や意義がある」とおっしゃっていました。

本日の講義では、保育者を目指す学生たちが本当にこのまま目指してよいのか、など見通しがあまり持てない将来への不安に対し、林先生のお話を聞くことで漠然とした不安のままにするのではなく、具体的に何が不安なのか、これからどう行動していけばよいのかなどど、自分と向き合う時間になったのではないでしょうか。先のことばかりではなく、「今の自分自身」も大切にしながら、学生生活をより良いものになるよう行動していきましょう。

記事担当:島貫莉花子、森麻尋