2021/10/14 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅰ

10月14日、5限の保育実習指導Ⅰでは、「子どもの命を預かる責任(リスクマネジメントと賠償責任)」と題して、木村智子先生(社会福祉法人青葉福祉会 幼保連携型認定こども園園長)と壱岐美津子先生(社会福祉法人銀杏の会 バンビの森子ども園副園長)からオンライン上での同時双方向型の講義が行われました。

始めに、木村先生から「子どもの安全と事故防止」と題して、場面に沿ってどのようなリスクがあるのか、またどのように対応していかなければならないのか、お話して頂きました。
それでは、各場面ごとにお話して頂いた内容を以下に記します。

<睡眠中>
〇予想される事故:SIDSなど
〇対応:?決められた時間ごとにチェックを行い、それらを記録に残す
    ?ベビーセンサーなど、様々な視点からこまめに観察を行う

<食事中>
〇予想される事故:誤嚥、アレルギーに関して
〇対応:?子どもの「噛む」発達なども考慮して、心配な子どもの近くに座るなど職員の配
置に気を付ける
    ?アレルギーに関しては食事に携わる職員と共有を行い、「隣の子の食事に間違え
て手を付けてしまった」ということがないように、食べ終えるまでの安全を見届
ける

<水(プールなど)>
〇予想される事故…溺れる
〇対応…?子どもは10㎝でも溺れる可能性があるため、水の深さと安全は無関係
    ?子どもの人数を把握し、プールに入る保育士、外から見守る保育士と役割分担を
行う

また、これらのほかに転倒や衝突、転落についてもお話して頂きました。怪我をしたり経験をすることで学ぶことはありますが、床が濡れていないか、遊ぶ場所は適切かなどの環境に関しては保育士が考え、先を見通しながら対応していく必要があります。危険を回避しながらも、子どもの楽しみや経験を保障していきましょう。

また、ヒヤリハット(※1)で事故のパターンを理解する大切さをお話して頂いた際に、事故のパターンだけを見るのではなく、子どもが「どのような思いで過ごしているのか」、「どうしてこの行動をとったのか」など、子どもの状況や思いを感じながら理解することや、担任同士だけではなく、職員全体での「報?連?相」(※2)といった連携が何よりも大切であるとお話して頂きました。
※1…重大な災害や事故には至らないものの、一歩手前の事例の発見。「ヒヤリ」としたり、「ハッ」としたりするもの
※2…報告、連絡、相談の略称

続いて、壱岐先生から「子どもの特性から考えるリスクマネジメント」と題して、子どもの特性に合わせて施設はどのような配慮をして作らなければいけないのか、ということについてお話して頂きました。こちらの内容も各場面ごとに以下に記します。

<子どもの行動傾向1:「冒険したい」、「チャレンジしたい」>
行動傾向1に対して、階段や屋上、バルコニーではどのような配慮が必要か
〇配慮:?手摺は足掛かりとなる横桟デザインを採用しない
    ?転落の恐れがある外部窓建具は開放制限禁物、鍵付き解放制限ストッパーを設ける など

<子どもの行動傾向2:自由な行動>
 子どもの行動傾向2に対して、死角?視野の管理でどのような配慮が必要か
〇配慮:?敷地内の死角になりそうな場所は文扉フェンスで区切る
    ?不審者の立ち入りなどに気付くため、事務室など管理エリアはエントランス、園庭などが見通せる位置に配置する など

<子どもの行動傾向3:飛び出す、すり抜ける解放感>
子どもの行動傾向3に対して、どのような配慮が必要か
〇配慮:?曲がり角を直角ではなく緩やかなカーブにする
    ?送迎駐車場スペースは歩車道分離を原則とする など

<子どもの行動傾向4:危険予測のない行動>
 子どもの行動傾向4に対して、誤飲?火傷などでどのような配慮が必要か
〇配慮:誤飲…作品を展示する場合は画鋲を使用しない
    火傷…給湯推薦に耐熱カバーを設ける など

<子どもの行動傾向5:操作したい欲求>
 子どもの行動傾向5に対して、いたずらの対処としてどのような配慮が必要か
〇配慮:スイッチ、リモコン類など子どもに触らせたくないものは、高さ1500㎜程度に設置する など

以上のほかに、ドイツで行われているリスクマネジメントについてや、現在特に澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】視されている感染症や地震対策についてお話して頂きました。
特に、災害に関しては日頃から避難訓練を行ったり、紙芝居や絵本を通して危ない時はどうしたら良いのかを子どもと一緒に考えるなど、日ごろから意識できるように日々の保育に取り入れていきましょう。

最後に、学生の感想の中で「本日のお話を聞いて、澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】感染症や環境など、「今」に合わせた保育の仕方があると思いました。私たちが大人になって、その「今」がどうなるかはわかりませんが、その環境に合わせた保育を出来るように、今勉強をしたいと思います」というものがありました。

澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】感染症により、保育の場面でもは変えざるを得ないものもありましたが、そういった変化に対応できるのは、学生からの言葉にもあるように保育者の知識や技術が試されると思います。自分が保育者になった時、子どもの命を図かるという責任が持てるように、今学べることをしっかりと学んでいきましょう。

記事担当:島貫莉花子