2021/06/17 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅰ

6月17日(木)の5限に行われた保育実習指導Ⅰは、「保育実技研究Ⅲ—実技デモンストレーション—」と題しまして、保育士?幼稚園課程の現4年生の学生より、実習で実際に行った保育文化財を発表していただきました。

今回紹介していただいた保育文化財は以下の通りです。

〇名札
?中に綿を入れて立体感を出す。
?フェルトタイプを使用し、アイロンでエプロンにつけて剥がれないように工夫する。
?名札の後ろにボタンを付けて、取り外しができるようにする。
?安全ピン(ロック付きの安全なもの)を使用する。

名札のタイプは学生により様々でした。実習で入る年齢によって、キャラクターや動物、食べ物など分かりやすいものにすることで、子どもに興味を持ってもらい、名前を覚えてもらえる機会になります。

〇自己紹介
自己紹介は、実習の初日に行いますが、ただ名前を紹介するだけでなく、画用紙などを使用し視覚的に分かるように紹介すると、より子どもに興味を持ってもらうなど、強い印象を持ってもらうことができます。「単純な果物や動物の名前の頭文字を合わせて名前になる」というパターンが一番やりやすく、イラストや色は大きくはっきり描くことがポイントです。

〇ペープサート
ペープサートとは、紙人形劇のことです。子どもからは人気が高く、実習に向けて作成する学生は多いのではないでしょうか。
<ポイント>
?大きめに作る
?ふちを重ねてなぞることで強調するなど工夫をすると見やすくなる(ポスカがおすすめ)

(例)
?「くいしんぼうおばけ」
?「やまのおんがくか」
?「トントントンなんの音?」(実演あり)
?「ふうせんクイズ」
?「なにができるかな?」(実演あり)

〇紙皿シアター
紙皿シアターとは、紙皿にイラストを描き、切り込みを入れたもう一つの紙皿を重ね合わせて回すことで話が展開していく劇のことです。
<ポイント>
?つっかからずにスムーズにできるように事前に練習する。
?対象年齢によってお皿を回す速度を変える工夫をする。

(例)
?「クイズクイズなんのクイズ?」(実演あり)

〇手袋シアター
手袋シアターとは、手袋を様々なキャラクターや動物に見立てて演じる劇のことをいいます。持ち運びもしやすいため、いつでも実践ができるようにエプロンのポケットに入れておく学生も多いでしょう。
<ポイント>
?ゆっくりはっきり行う。
?演じ手の動きや表情を豊かに行う。
?年齢に応じて速度を変えてみる。

(例)
?「キャベツの中から」
?「のぼるよコアラ」
?「パン屋に5つのメロンパン」
?「どんな色が好き?」
?「ピカチュウ」(実演あり)

〇スケッチブックシアター
スケッチブックをめくって話が展開するシアター。めくる動作のみのため、他の保育教材に比べるとやりやすいでしょう。
<ポイント>
?遠くから見てもイラストや色がはっきりわかるように作成する。
?登場するキャラクターによって声色を変える。

(例)
?「冷蔵庫の中身はなに?」(実演あり)
?「ペンギンマークの百貨店」(実演あり)
〇エプロンシアター
エプロンシアターはエプロンの上で話が繰り広げられるもので、物珍しさに子どもが興味を持ってくれることも多いです。また、エプロンシアター用のエプロンも販売されています。
<ポイント>
?演じ手が子どもから見えているため、子どもとの対話を楽しみながらできる。
?1つの作品を繰り返し使えるため、1つ作っておくと便利。

(例)
?「はらぺこあおむし」(実演あり)

〇パネルシアター
パネルシアターは、パネル布を貼った舞台に絵を貼ったり外したりして展開するものです。仕掛けもしやすいため、子どもを飽きさせない工夫をしやすいのが特徴です。
<ポイント>
?笑顔で演じる。
?大きな声でわかりやすくゆっくり演じる。
?全員が見える位置で演じること。
?人形を貼るタイミングに注意する。
?子どもの反応を受け止めつつ実施できると◎

(例)
?「さんぽ」(実演あり)
 
最後に、余った時間で学生からの質疑応答が行われたため、その一部を紹介します。
Q1)実習期間中に保育教材はどれくらい作ったか。
A1)学生①???2~3個の間で、主に手遊びを行った。
学生②???10個ほど作成しておき引き出しを作っておいた。
※実習前が春休みだったこともあり、準備にあてる時間が豊富にあった。

Q2)マスクをつけての保育になったと思うが、演じる時にどのような工夫をしたか。
A2)声のトーンをあげたり、身振り手振りを大きくしたりして楽しさを表現した。

Q3)制作があまり得意ではなく不安がある。
A3)凝って作ることは求められていないため、絵のうまさよりも、分かりやすさを重視した方がいいと思う。また、作った保育教材をどのように子どもに向けて伝え楽しませられるかを一番に考えた方がいいのではないか。

2年生の皆さんが、4年生の演じ手に合わせて体を揺らしてリズムを刻んだり、一緒に声を出していたりといった姿が見られました。また、「すごい!」と隣同士で顔を見合わせ感心する学生もいました。
2年生は、後期に実際に作った保育教材を発表する時間が設けられています。今の時点では不安も多いと思いますが、発表に向けてのイメージをもてたのではないでしょうか。当日の発表がうまく行くよう、グループで力を合わせてがんばりましょう!

記事担当;森麻尋