2021/04/23 保育士?幼稚園課程

教育実習(幼?小)の事前事後指導

 4月23日(金)の5限に行われた教育実習(幼?小)の事前事後指導では、先週に引き続き「TFU保育?就活の要訣」と題しまして、和田明人先生よりお話がありました。

本日の内容は、以下の内容となっております。
2、保育?就活に関する基本認識
3、就職情報の理解
※先週の内容の続きとなっております。

4、実践!新しい保育就活
5、保育現場の評価
となっております。

まず先週は『2、保育?就活に関する基本認識』の『③大都市での保育者生活と地方(地元)での保育者生活』までお話があったので、本日はこの次からお話してくださいました。
2、保育?就活に関する基本認識
④「特色」と「安定」
?民間における「特色」の構造を考える
※顧客(保護者と保育者)の獲得と差別化
【和田先生】
?「特色はどんなものが良いですか?そもそも特色は必要ですか?今は、当たり前に考えていたことを問い直す時期です。よく考えましょう。」

?公務員における「安定」の構造を考える
※特色より標準?平準(ニュートラル)
【和田先生】
?「これから、公立の保育園は民間の保育園に変わっていくことが予想されます。その中での公務員の安定とはなんですか?身分保障という意味の安定ではなく、やっている保育そのものの安定に目を向けてみましょう。」

⑤あえて相対視する
【和田先生】
?「ふとした瞬間に少し考えてほしいことです。相対視するためにも多くの事を見てほしい。どちらかをはっきり判断できるように、例えば公務員志望だとしても、民間の説明会や見学に行くなどして、相対視する視点を作ってほしいです。」

⑥「安定」の意味を考える
?「特色」が無いという「特色」
(保育指針、教育要領に即した普通の保育)
【和田先生】
?「民間は特色があるが、公立は特色がない。でも、公立は特色がないということが特色友言えるかもしれません。その意味では、どこも特色ある保育をしていることになります。」

⑦公務員選択の理由
→④「特色」と「安定」の『「特色」が無いという「特色」』の内容と同様に、ここでは先輩の話を基に、より詳しく公務員の「安定」についてと、公務員は保育が安定していることについてお話してくださいました。

⑧実習から就職のつながり
→ここでは、実習先の園に就職した先輩、実習先ではなく他の園に就職した先輩、夏のボランティアで運命の保育園に出会い、何度も通い就職した先輩の3名の先輩のお話がありました。
【和田先生】
?「実習だけで幼稚園、保育所を決めつけないでほしいです。2万3千の保育園、1万4千の幼稚園がある中で、たった1つしか行っていないのです。実習先が自分に合わなかったからと、就職が困難になったわけでもありません。」

⑨3年かけて就職活動
【和田先生】
?「何でも自分の好きなことやってみなと言われると苦しいですよね?まずは、具体化してみましょう。例えば日常に気を配ることです。私達は、子どもの生活にかかわる支援者、文化の伝承者の私達ですから、日常所作、礼儀、家事、コミュニケーションが就職活動の一歩となります。」
3、就職情報の理解
→ここでは、6つのポイントに分けてお話がありました。

①保育の就活で気をつけること
【和田先生】
?「説明会や1回の見学だけで決めないでください。見学では良い所しか見せないと考えましょう。園の何かを売りにして、どこかと差別化をはかる、その本意は何でしょうか。しっかり判断するためにも批判的思考力を持ち、保育専門知から判断できるようにしましょう。」

②現場情報の収集
【和田先生】
?「就職説明会は、単なるきっかけにすぎません。そこから、どう深堀りしていくかが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。まずは、行って見学してきましょう。あわよくば、保育をしてみるという姿勢のもと参与観察をしましょう。そうして、やってみたうえで園を冷静な視点で判断することが大切です。最終的には卒業生を訪れたり、卒業生から情報を得られたりすると良いですね。」

③求人票の見方を知る
?昇給、昇格、賞与算定の基本を知る
?公助や手取りなどの仕組みを知る
?高い初任給の落とし穴
【和田先生】
?「昇給や昇格など言葉の意味を知っていますか?控除や手取りの意味も分かりますか?まずは、言葉の意味を調べ、仕組みを理解しましょう。」
※詳しくは7月2日(金)の実習指導で講義いたします。

④福利厚生を知る
【和田先生】
?「福利厚生を確認にするあたり、子どもがポイントです。子どもを大切にし、子どもを中心に考えている園は、保育に専念してほしいからこそ保育士への福利厚生も自然とよいのです。本当に子どもを大切にしているところは、若い先生のことも大切にしています。逆に福利厚生を声高に行ってくるところは要注意です。このことについても実際と満足度を当事者(先輩)に聞くと良いですね。」
※福利厚生とは、労働者を仕事と生活が両立できるよう会社側が保障する制度のこと

⑤採用時期の意味を知る
【和田先生】
?「早い?遅い時期に採用はなぜでしょうか。まずは、保育界の仕組みを理解することが大切です。」

⑥履歴書作成の基本を知る
【和田先生】
?「『履歴書の書き方』は教えられても、『履歴』は教えられないです。この大学での学び、生活から『こういうことだから、ここで保育士をやりたい!』と言葉にできるかがカギです。また、自分をよく知るうえでも友達に自分について尋ねてみたりして自分自身をよく知っていきましょう。」
※詳しくは7月9日(金)の実習指導で講義いたします。

4、実践!新しい保育就活
→ここでは3つの項目に分けて保育就活についてお話してくださいました。

①求人から求職へ
【和田先生】
?「『質の高い保育』のところほど、求人がないのが現実ですよね?しかし、そういうところほど行きたいと思いませんか?その就職が難しい所をどう打ち破るか、どう乗り越えるかです。求人を探すのではなく求人を出させられるように、この人をどうしても採用したいと思わせるように頑張りましょう。そのために、まずは選ぶ目、思いをきちんと伝えられる力を高めましょう。」

②新たな保育就活のプロセス
(1)アセスメント:情報を収集し、抽出しましょう
→キャリアセンターに行く、就職説明会に参加するなど
(2)参入:現場に突撃し、現場になじむ!
→単なる見学ではなく、学びのテーマを持って1日よりも3日、3日よりも1週間と保育参画しましょう。
(3)評価:保育の質?中身を評価する
→「いかに本音を引き出すか」信頼関係作りと保育の専門知が勝負です。
(4)求愛:求職の意思表示をする!
→愛情の深さの分だけ、幸せは返ってきます。

③とりあえず行動する
【和田先生】
?「買わない宝くじは当たらないですよね?焦点化していくためにもまずは行動しましょう。『やる気スイッチ』を自分で仕掛けて自分で押しましょう。」

5、保育現場の評価
→ここでは10名の先輩方が実際に体験したことを基に、私達へ残したお言葉をお話してくださいました。ここでは、和田先生が抜粋してお話してくださった先輩方のお言葉をご紹介します。

⑦自分の気持ちや感覚を大切にする
【K先輩】:ブラックと言われる幼稚園に自ら挑戦してみたいと就職し、1年足らずで転職をして数年間、保育人材育成会社で働いた後、現在は認定こども園で保育者として復帰していらっしゃいます。
?「どのような場所に就職しても自分の理想と園の保育が100%一致するということはありません。」
「就職を考えると迷いもたくさんあると思いますが、自分の理想の保育なんて分からなくてもたくさんの保育に触れ、自分の気持ちや感覚に素直になることが大切だと思います。」

以上が本日の内容となります。先週に引き続き、就職について深く考える時間を持つことができました。コロナ禍と言われる現在、就職活動にやりにくさを感じていると考えられます。そのような中での、和田先生の就職活動に対する意識改革の時間はとても心に響いたのではないでしょうか。
今回の講義で得た就職に対する意識を高めながら、共にこれからの就職活動を頑張っていきましょう!

記事担当:佐々木彩、大槻優希子、島貫莉花子