2020/06/18 保育士?幼稚園課程
保育実習指導Ⅱ
6月18日(木)の6限に行われた実習指導Ⅱでは、上村裕樹先生よりGoogleMeetを使用した同時双方向型の講義をして頂きました。本日の講義は、「記録の意義と方法Ⅰ 記録の実際と実習日誌の書き方①-総論?事象観察と記録化-」と題しまして、これからの実習に向けて記録のポイントや意義についてお話して頂きました。
始めに、「記録の目的」についてです。記録とは誰かに伝えることが目的です。そのため、読み手を意識した記録が求められるとおっしゃっていました。自分と同じ場面を経験していない人がその記録を読んでも想像しやすく、理解できるように書くことが大切です。そのためのポイントとして、以下の2つがあります。
1.説明的な記述での記載
?「主語」と「述語」の関係が明確
例)だれ(なに)が+○○した(だ)
?補足的な言葉が端的
「いつ」「どこで」「なにを」「どのように」
?情報量が十分
「必要」な「解説」と「説明」
2.客観的な視点での起債
?「客観的情報」と「主観的情報」が整理
「事実」と対象への「印象?感想」は異なる。客観的事実に基づいた主観的な感想は記載しても良いが、主観的な感想だけを書くことはないようにする。
?明確な「事実」と「状態(況)」を示す
?対象の「内面」も読み取り、表そうとする
「多分~なのではないか」と相手の考えや意味?価値などを読み解こうとする
記録において、量の多少はあまり澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】ではありません。それよりも、上記のことを参考にしながら、「言葉として何が足りないのか」、「これで相手は理解をすることができるだろうか」ということを最初に意識するよう心がけましょう。
次に、保育の現場や実習での記録の役割についてです。保育の現場での記録は、保育日誌や保育の計画、実践報告などがあります。また、養成段階の学生においては、記録は指導計画、実習日誌、エピソード記録などがあり、これがあることで学びの素材や省察の機会ができ、学習課題の探求を行うことができます。つまり、記録を残すことにより、情報の伝達?報告?共有ツールになり、学修の教材?題材として振り返りや評価を行うことができ、問題が起きた際には解決の手がかりや証拠になります。
保育現場での記録において、記録を書く上で澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なこととして、「忘れる」、「見ること」、「認識する」ということを頭に入れながら、保育現場で観察を行うと良いとおっしゃっていました。人は情報のシャットアウトを無意識に行っているため、見よう?認識しようと意識しなければ大切なことでも見えず、記録ができないそうです。
記録の意義を踏まえて、記録において求められる力として5つが挙げられました。
?情報記憶力…メモ力
?情報収集能力…アンテナ力
?情報の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性の判断能力…取捨選択能力
?情報の表現能力…伝達力
?記録確認能力…正確性
これらの5つの力があることで、子ども理解?背景理解、継続的学習ができ、保育力の向上?保育の質の向上へと繋がります。また、学生にとって実習日誌という記録は実習における学びの最大の成果物であり、子ども理解や保育の読み解きを行うことで、取り組み方によっては学びを最大値まで高めることができるともおっしゃっていました。
最後に、上村先生から「書くことによって、保育力の向上になる」、「叱られたことを変われるチャンスとして記録に残すことで改善すれば、叱られた後の自分の方が成長している」とお言葉を頂きました。渡された日誌をただ書くのではなく、読み返し、明日はどうしようかと考えが大切であるとおっしゃっていました。
現在澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】により施設実習は延期になり、保育実習は予定通り行えるかは未定です。しかし、今回上村先生に講義をして頂いたことで、今まで記録に対して「どう書いたら良いのか」と不安に思っていた学生にとって、何を意識して観察?記録をしたらよいのかを深く学ぶことができる時間になったと思います。時間が出来た今の時期だからこそ、過去の記録を見て振り返ったり、考察をしたり、より良い記録の書き方ができるのではないかと改めて考え直し、実習に備えましょう!
記事担当:島貫 莉花子