2020/02/01 保育士?幼稚園課程

3年生 保育キャリア形成Ⅶ

2月1日、1限の時間に社会福祉法人銀杏の会バンビの森保育園園長?壹岐美津子先生をお招きし、「保育キャリア形成Ⅶ」の講義が行われました。ファシリテーターを社会福祉3年の川越美紗希さんと村上李夏さんが務め、壹岐先生との対話や学生同士での意見交換を行ないながら授業が進められました。

まず、初めに壹岐先生から「園長になるまでのプロセス」と題して自身の経験談から園長になるまでの経緯についてお話いただきました。壹岐先生は高校生の時にボランティアを行なった経験から、初めは施設で働くことを目指していたそうです。しかし、当時の先生からのお誘いを受けて病院での院内保育士として働き始めることになりました。長期療養の子どもに対しての保育をするため、子どもに応じた保育や病状に合わせた保育を行っていくことや、看護師との連携も求められたそうです。その後、専業主婦になったことを契機に24時間運営している認可外の保育所でパートとして勤務されました。引っ越しをしたことにより退職をし、子どもを預けられていたバンビの森保育園からお仕事のお誘いを受けて初めは事務として勤め始め、お子さんが卒園した後に保育士として働き始めたそうです。当時の園長が亡くなられ、閉園をしなければならない状況になったそうですが、家族の支え、職員の支え、保護者の支えもあり、園長として働いていくことを決意したとお話いただきました。

次に、「壹岐先生の園長になるまでのプロセス」を受けて、2人のファシリテーターから出された質問を中心に対話が行われました。
以下、お答えいただいた質問と、それに対する壹岐先生の回答を紹介していきます。

Q1、認可外の保育所で働き始めた際に院内保育との違いに戸惑うことはありませんでしたか?
やはり、初めの方は違いに少し戸惑うことはありましたが、院内にいる子どもも保育所にいる子どもも悲しい時には泣き、嬉しい時には笑います。特に戸惑うことはありませんでした。

Q2、保育士1年目として不安はありませんでしたか?
職員との連携を取って人間関係を頑張っていこうという思いで、がむしゃらにやりました。

Q3、1年目の保育士への配慮として何か行っていることはありますか?
自分が1年目の時には、先輩の保育士の方々がどんな意見でも受け入れてくれました。そのため、今でも自分の意見が言えるような雰囲気や環境作りに力を入れています。そこで全てのことに意見をしないで、職員を、子どもを、保護者を信じるようにしています。

Q4、他の職員との関係作りのために行っていることはありますか?
「自分が自分らしくいられる環境」になっていけるように保育のことだけではなく何でもない場面にいろんなことを聞くようにしています。その人自身をまず知ることが保育につながっていきます。保育に関係ない話をたくさんすることが大事になってきます。

Q5、スキルアップのためにしていることはありますか?
「見守る保育」に力を入れています。1つの場面を見ても感じ方は人それぞれです。普段の子どもの様子を知っているからこその関わりも生まれてくると思います。自分がこう関わった方が良いと思ったら、そうして良いと思います。また「親業」を行うことで相手に伝えるためにはどう伝えていけばいいのかを学んでいます。

Q6、親業をすることで見えた子どもの姿はありますか?
子どもは自分が受け入れられたと感じる経験をすることが大事だと思います。嫌だった思いも受け止め、否定をしないようにしています。相手の話を聞き、自分の思いを伝え、どちらも勝たない負けない方法を探すことで、子ども自身も受け入れられたと感じる経験につながります。


続いて「保育参画」に話題を移して、同様にファシリテーターからの質問を中心に対話が行われました。また、質問によっては、学生同士での対話から出た意見も取り上げられました。質問と回答、学生の意見は以下の通りです。

Q1、保育参画に来る人はどんな人が多いですか?
就職をするためだけではなく、保育への熱意が溢れている人が多いです。逆に様々なことを教えてもらっています。

Q2、保育参画に来る人のどんなところを見ていますか?
?学生の意見
学ぶ姿勢や意欲、言葉遣いや態度であったり、その人の積極性を見ているのではないかという意見が多く挙げられました。

?壹岐先生の回答
あまりどこを見るということはありません。積極性ももちろん必要ではありますが、いろんな姿があって良いと思います。ありのままで保育参画をしてほしいと思います。

Q3、学生は保育参画に訪れる際に何を見ていると思いますか?
?学生の意見
どんな声掛けが行われているのか、またトラブルが起こった時にどのように対応しているのかということについてや、職員間の連携はどのように行なわれているなかについて視点を向けているのではないかという意見が多く挙げられました

?壹岐先生の意見
人によって見る視点は違うと思います。どこを見てほしいというよりは感じてほしいです。自分の思いを大切にして表現してほしいです。

最後に壹岐先生から学生へ向けて伝えたいことについてお話しいただきました。

壹岐先生は「自分の良さを分かっていることが大切です。自分の良さが分かっているからこそ、相手の良さも分かることが出来ます。どこに行っても良いところを探すようにして、良いところに目を向けるようにしていってください」とおっしゃっていました。
ぜひ皆さんも、自分の良さは何かを見つけて、これから活かしていきましょう!

記事担当 五十嵐廉 中村帆乃夏