2020/01/11 保育士?幼稚園課程
保育キャリアデザインセミナー2020 in Winter
第1部では「就活レクチャーⅠ」と題しまして、教育学科4年生の成ケ澤咲希さんより、発表がありました。発表の流れは以下の通りです。
?これからに向けて求められる園長のリーダーシップとは
?私たちが出会った園長?保育現場
?学生が“組織”としての保育現場をみること
初めに、これからに向けて求められる園長のリーダーシップについてです。東京大学大学院教授?教育学部長の秋田喜代美先生の『リーダーは保育をどうつくってきたか』と、昨年度のこのセミナーにもお運びいただきました中村学園大学教授の那須信樹先生方がご執筆の『保育士等キャリアアップ研修テキスト マネジメント』の二冊からの理論を基本的枠組みとしていました。秋田先生は園長に求められるリーダーシップとしてこの4つを挙げられていました。
①変化する社会の中でのビジョン?ミッション?パッション
②分散型リーダーシップ実践で協働的専門家集団をつくる
③情動知性(EQ)に基づくリーダーシップ
④組織イノベーションを駆動する変革主体
そして、子ども子育て支援新制度、幼児教育の無償化の開始など、待機児童解消の量的な側面の充実に加えて、質的な側面の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性が知られ始めている状況下で、少子高齢化や都市集中、地域過疎が深刻な社会問題となっている今日では、保護者からの信頼を得て選ばれる、地域の園としてのあり方がより求められると述べておられます。また、乳幼児とはどういうものか、子どもの接し方が分からないなど育児不安を持っている保護者が増えていることから、子どもたちの資質?能力を育む、地域子育て支援の中核、人生最初期の子どもたちが出合う社会、親が親となっていく場などなど、園としての機能の澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性がさらに増すと述べておられます。それによって求められる園の姿が具体的に実現していきます。
続いて、リーダーシップ論について概説していただき、保育におけるリーダーシップについてお話していただきました。
近年のリーダーシップ論では、階層によるものでなく協働的で関係性の上に成り立ち相互に影響し合うという考え方が主流になってきています。つまり、園長だけではなく組織のどこにでもリーダーシップが存在するという考え方です。
最後にまとめとして、就職先を見つけるために保育参画をすることを第一の目的にするのではなく、視点を養うため、より良い保育を求めるために保育に参画しよう、そして学び続けることで最終的におのずと就職したい園も浮かび上がってくるとおっしゃっていました。
第2部では保育の就職活動についてのシンポジウムが行われました。
シンポジウムのファシリテーター、話題提供者、コメンテーターは以下の通りです。
?ファシリテーター
TFU教育学科4年生 佐藤花菜さん
?話題提供者
TFU教育学科4年生 菅原真帆さん 宮城県内の幼稚園 幼稚園教諭内定
TUF社会福祉学科4年生 石山優子さん 山形県内の保育所 保育士内定
TFU教育学科4年生 伊藤葵さん 宮城県内の保育所 保育士内定
?コメンテーター
井上裕美子さん 平成22年度卒業 社会福祉法人 省我会 せいがの森こども園保育教諭
一人目の話題提供者は菅原真帆さんです。『公務員試験に落ちてから理想の保育園に出会ったのに募集しておらず、実習先で素敵な幼稚園に出会ってしまった底辺大学生のお話』と題しまして発表していただきました。大学1年生はアルバイトに明け暮れてあっという間に過ぎ、2年生はほぼ毎日フルコマの保育詰めの毎日土日はアルバイトをしていて丸一日休みの日が無いくらいだったようです。3年生になると講義数も減り保育の勉強とアルバイト、遊びを両立出来るようになり充実していたそうです。3年生後期になると、就職について考える時期になり、両親に勧められたものあり、1月ごろから公務員保育士の勉強を始めたそうです。
4年生になって7月に行われた『マイナビ保育』という合同説明会に参加し宮城県内外の多くの法人が来ており様々な保育理念について見る機会があったそうです。菅原さんは、公務員保育士を目指すべく勉強を行っていましたが、「公務員のほうが安定している」という何となくのイメージだったため、あまり勉強に身が入らなかったそうです。その結果、公務員試験に落ちてしまいました。そして、9月に入り就職活動を始めました。7月に参加した合同説明会で気になっていた保育園でボランティアをさせて頂いたそうです。しかし、ボランティアを行っても「何かが違う」「自分がいいと思う保育って何だろう」と悩み始めました。その「何か」とは、説明会で「〇〇が特徴」などと言っていた保育所が多かったが、実際に実践している様子が見られなかったことで感じていたようです。その時はなかなか良い園に出会えなかったことへの焦りと、「就職活動」という概念に囚われてしまい、その「何か」に気づけないまま、ただひたすら色々な園にボランティアに行っていたそうです。その時、ふと2年生で保育参画させて頂いた保育所が良い園だったなと思いだし、ボランティアに行くことにしました。そこで自分の理想とする保育と出会うことが出来ました。その園では、子ども達が相手の気持ちを自分なりに考え、その考えをきちんと相手に伝えることが出来ていました。様々な経験を通してきた4年生だからこそ、素晴らしい保育であるとつくづく実感することが出来たそうです。
しかし、園側から「今年は求人募集はない」と言われてしまい、一気に目の前が真っ暗になってしまいました。数日後には20日間の幼稚園実習を控えていたため、不安や焦りがより増してしまいました。
そんな中、始まった教育実習は毎日保育に参加し忙しい毎日を送っていました。しかし、きついという感覚はなく、大変な中にも幼児の成長の喜びや楽しさがあり、充実した教育実習になったそうです。菅原さんは実習先で素敵な先生に出会いました。それは教育実習で入らせていただいたクラスの担任の先生です。その先生は菅原さんの思い描いていた理想の先生でした。その他にも沢山の素敵な先生型や園長先生がいる園で実習させていただいている中、「うちの園で働かない?」と、園長先生が言ってくださったのです。「私なんかでいいの?!」と内心は驚きを隠せませんでした。幼稚園に就職を考えていなかったため、様々な不安がありましたが、この環境で自分も成長したいという思いと、理想の保育が出来るという思いで就職を決めたそうです。
最後に、「大学4年間はあっという間です。大学で学んだことを大切にして頑張ってください」と後輩に向けてメッセージも頂きました。
2人目の話題提供者は石山優子さんです。『就職体験記』と題しまして発表していただきました。石山さんは3年生の1月ぐらいまでは、給料も福利厚生も安定している公務員保育士を目指し、地元に貢献していこうと考えていたそうです。
しかし、『TFU保育キャリアデザインセミナー』でも先輩方の発表や実習指導の先生方の話で石山さんの考え方が大きく変わり、「公務員一択ではなく、保育園と運命的な出会いがしたい」と思うようになったそうです。
4年生になり、公務員の勉強を行いながら、地元である山形の保育を知りたいという思いから『山形プロジェクト』を立ち上げ活動をしていました。そこではドキュメンテーションを活用しながら保育補助のアルバイトを行っていたそうです。単なる保育のアルバイトではなく、「学のテーマを明確にしたアルバイト形式での保育参画」を行い、学生側と現場側双方にメリットを生むことが出来ると考えられる活動です。その活動を行う中で公立園と私立園の違いを感じていたそうです。特に印象に残ったのはバイキング形式でお昼ご飯を食べる子どもたちの姿で、一定のルールや範囲の中で自由に食事を行う姿が衝撃的であり、とても魅力を感じたそうです。その他にも様々なエピソードや先生方の保育をより良くするための積極的な探求姿勢に尊敬や憧れの念を抱くようになり、9月にその園の職員採用試験を受けることを決めたそうです。
それから数日後、公務員保育士の募集を知り、力試しとして受けました。結果は一次試験合格です。うれしい結果でしたが、想定外の結果で複雑な気持ちだったそうです。10月になり公務員保育士二次試験2日前にその保育園の最終試験合格通知が届きました。両親共に喜んでくれたそうですが、それと同時に「公務員を選ぶ気がないのなら二次試験は辞退しなさい」と言われたそうです。その一言で背中を押された石山さんは、最終的に私立の保育園を選ぶことにしました。
石山さんは、最終的に就職先を決めた理由として「人」を挙げています。保護者の方々、先生方と関わっていくうちに「この中で育っていきたい」という思いが強くなっていったそうです。「どんな保育所、幼稚園、会社、進学など自分で決めたことならそれは自分にとって最善の選択です。だから何が自分にとって最善の選択になるのかを残りの学生生活で考え、色々な経験、チャレンジをして欲しい」と後輩へのメッセージも頂きました。
3人目の話題提供者は伊藤葵さんです。『保育の面白さを探求して~北上川物語~』と題しまして発表していただきました。
大学1年生は、想像していた大学生活とのギャップを感じていましたが、保育士課程選抜試験に無事合格し、晴れてTFU保育士課程の一員となりました。初めてフォーラムに参加した際に、初代ミシュランの先輩『大久保美紗さん』の話を聞いてTFUの保育士課程の凄さに圧倒されたそうです。
2年生になり、本格的に保育の勉強が出来るようになった喜びと講義ばかりの日々で多くの課題をこなす毎日でした。そんなある日友人と一緒に『ぴよねっと』というプロジェクトに入り、ほぼ毎日保育の話を真剣にするようになり、保育に対する本音を話せる仲間が出来ました。
3年生になり、初めての実習である施設実習を終え、9月に待ちに待った保育所実習がありました。日誌に指導案に寝られない日々と大変なことは沢山ありましたが、日々の子供たちの成長が愛おしくて仕方なく、保育者という仕事を目指してよかったと思えたそうです。
そしてあっという間に4年生になり、幼稚園実習を6月に行いました。不安が大きくあった実習でしたが、実際に実習を行ってみると常に保育者がバタバタしていて保育の良さを感じられない場面が多く、幼稚園そのものに対してマイナスのイメージを持ってしまったそうです。
その後は、色々な保育現場で保育参画を行ったり、保育フェアに参加したり様々な保育に触れていきました。そして、友人に誘われて行った石巻のA園で出会ったB園長先生が伊藤さんの就職の決め手となったそうです。B園長先生と話したいという気持ちがずっと心に残ったままの状態で、友人からも「一緒に就職しようよ」と誘われていました。しかし、二つ返事でこたえられる訳もなく、もやもやしたまま再び様々な保育所や幼稚園で保育参画を行いました。そんな中、友人から誘われる日々、なかなか決断することが出来なく母親に相談したところ。「言うってことは行きたいんでしょ?あなたはまだ若いんだから、違ったと思ってもやり直しが出来るんだからやりたいと思ったことをやれば?」と背中を押す言葉をかけていただき、石巻に行くことを決めたそうです。しかし、B園長先生がいるA園に履歴書を出したのではなく、B園長先生は来年別の法人に転職するため、B先生と一緒に働きたいという気持ちで履歴書を出したそうです。B園長先生が1から創っていく保育、組織ってどんな風になるのかという気持ちがありましたが、まだ分からないからこそ面白さを感じ、友人と一緒に保育を行うことに決めたのです。
伊藤さんは先輩方にあこがれてミシュランプロジェクトに入り、保育についてガッチリ学ばなきゃいけない環境になりました。だからこそ、学ぶ面白さについて気付く事も出来たそうです。「福祉大学には沢山のきっかけがあります。プロジェクトに入ることや対話をすることなど様々なきっかけに自分自身から飛び込んで、素敵な学生生活を送ってもらいたい」と、後輩に向けてメッセージも頂きました。
4人目の話題提供者は佐藤花菜さんです。『ちゃっかりさんのちゃっかり就職物語』と題しまして発表していただきました。
3年生までの佐藤さんはどちらかというと不真面目だったそうです。そんな中、3月の保育士課程の奄美旅行にちゃっかりついて行き、そこで和田先生に「発達プロジェクトに入って、発達ミニレクチャーをやってみないか?」と言われるがまま、プロジェクトに入りました。6月の幼稚園実習前にバスツアーと合同説明会に参加し、何園か目星をつけた状態で実習へ向かいました。実習後7,8,10,11月で怒涛の保育参画を行ったそうです。しかし、行けば行くほど「なんか違う」言葉と実践の違いを感じたそうです。
そんな中、たまたま行った和田研究室で家政大学にアポイントを取った友人と一緒に行くことになりました。そこで家政大学の付属の園を見学したり、先生方と話していくうちに幾つかおすすめの園を紹介していただいたそうです。そして、紹介していただいた園の中から運命の園に出会うことが出来ました。そこの園では佐藤さんがプロジェクトで学んだことや要領や指針に書かれていることが実践されていて、自分のやりたい保育をしながら、さらに学ぶことが出来ると確信し、無事に就職先を決めることが出来たそうです。
「多くのご縁を頂けたのも、自分が行動して勉強してきた結果だと思っています」とおっしゃっていました。また、「自分の保育観は文献を読んだり、対話を繰り返したりすることで確立していく」ともおっしゃっていました。
4人の話題提を元に、会場ではグループごとに対話を行いました。休憩をはさんだ後、対話タイムによって寄せられた質問を話題提供者に答えて頂きました。
?菅原真帆さんへの質問
Q:どのくらいの期間で決めたのか、また決断した理由はなんですか?
A:3日間ほどで決めた。理由としては園長先生の講話を通して「何をしてもいいよ、受け止めるからね」との言葉を頂いたことが決め手となったそうです。
?石山優子さんへの質問
Q:就職した保育園の良さはなんですか?
A:園の雰囲気が温かいことや学生の話を受容してくれたことや、先生が一人ひとりの子どもの個性を理解していること、保護者と先生との距離感が良いと感じたことが良い保育園と感じた。
Q:他の園に参画に行ったのですか?
A:山形の園に3園ほど参画をさせていただいた
?伊藤葵さんへの質問
Q:原動力は何ですか?
A:保育を学びたい、あきらめたくないという思いが自分の原動力になりました。
Q:理想の保育でなかった場合はどうしますか
A:自分のなかでまだ理想の保育が明確になっているわけではないが、まずはこれから自分が変えていけるものなのかそうではないのかを見極めていきたいです。
?佐藤花菜さんへの質問
Q:家政大学へ行くことがなかったら就職はどうなっていたか
A:出会いや縁は様々な形があると思うので行かないということはなかったと思います。
?全員への質問
Q:2年生の頃にどのようなボランティアをしたのか、また回数はどのくらいか?
A:仙台市内の保育園のボランティアが多かった。キャリアセンターを通じてのボランティアが多かった。園の数としては6~10園ほどの人が多かったです。
Q:理想の保育とはなんですか?
A:明確にひとつには絞れないが人によって澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】視することは様々であり、子どもの姿を重視する人もいるため、言葉で明確には出来ないが、自分のなかで譲れない部分を見つけることが必要だと感じました。また子どもと一緒に楽しみたいということが挙げられた。保育者主導ではない、子どもと一緒に楽しむことを目指していきたいとの意見が多かったです。
?就職合同説明会(合説)とは?
?保育就職合同説明会についての調査結果
?事業者別タイプ論(合同説明会参加ガイドライン)
?合説?就活における対策
(合同説明会参加ガイドライン?就活ガイドライン)
?合説参加から就職までの流れ(合同説明会参加ガイドライン)
?まとめ
初めに、就職合同説明会についてお話していただきました。保育現場との出会いの方法は主に以下の通りです。
?先輩に聞いて出会う
?実習園にもう一度出会う
?自分で園を調べ、出会う
?学校の求人票を見て、出会う
?学校の就職説明会に参加して出会う
?プロジェクト活動の過程で出会う
?保育就職合同説明会で出会う
このような沢山のアプローチの中の一つに、就職合同説明会に参加するという方法があります。沢山の事業所が園の概要や子ども達の様子を紹介しています。気になった事業所のブースへ足を運び園について、人事の方や園の先生方から直接話を聞くことが出来ます。今年度のTFUの4年生は約3分の1が参加していたようです。その4年生に行ったアンケートの一部が以下の通りです。
合同説明会に参加することで多くのメリットがある一方、しつこい勧誘など不快に感じることがあったという話も多く聞かれたようです。つまり、合同説明会には園の理念に沿ってしっかりとした保育を行っている所もあるが、聞こえのいい言葉だけを並べてより多くの学生を確保しようとする事業所も沢山あるということです。
そこで「合同説明会参加ガイドライン」を作成するにあたって合同説明会に参加した4年生に行ったアンケートの結果を紹介していきます。
では、次に実際にどのような事業者がいるのかを橋本さんが独自に命名し、カテゴライズしたものが以下の通りです。
①チャラ男型
?とにかく口が上手い
?メリットが多いことを伝えるが、あえて悪いところも自己開示的に言ってくるため、学生はつい信頼しがち
?突っ込んだ質問をすると、自信満々にとんちんかんな回答をしてくる
②テレビショッピング型
?とにかく、良いことのみを伝えてくる
?話の8割はお金の話、2割は住宅の話
?保育内容の話になると、見学の日程を入れようとしてくる
?保育者ではなく、人事の人が話していることが多い
③ラスボス型
?現場の保育者が話している
?話の8割は保育内容についてだが、大体はパンフレットの丸読み
?都合が悪くなるとはぐらかしたりする
?あまりにも答えられないと、いよいよ後ろから園長が出てきて話を始める
④ティッシュ(ビラ入り)配り型
?かわいいトートバックやペンなどを配布している
?物で釣っているため、保育の話はほとんどない
⑤パリピ女子型
?おそろいのTシャツを着ている
?若手の保育者が多い
?7割は園の立地やプライベートでの仲の良さについての話
⑥キャッチ型
?ブースの前で学生の流れを把握し学生に声をかける
?ブースの中に入ると①、②、③のようになる
⑦一方通行型
?人数が集まり次第、講義のように説明が始まる
?質問をする時間が設けられない
⑧キャッチフレーズ型
?理念や方針、特徴を声高に話す
?指針や要領に記載してあるようなスタンダードな保育を軽視するようなことを言う
?ブランド化したいがために、理念と実践が実際には一致しない場合が多い
⑨ビジュアル型
?とにかく見た目重視、一見環境は立派でハイセンス
?「子ども目線」ではなく「大人受けする」保育
?髪色、ネイル、マツエクがOKな園もある
つまり、子どもの発達や環境構成などについての基本的な理論がしっかりと身に付いてなければ、表面的な言葉を短絡的に鵜呑みにし、「なんか良さそう」と安易に勘違いしてしまう可能性があるとおっしゃっていました。
では、そのような事業所に騙されないためにはどのような対策をしておくといいのか。それは、以下の通りです。
?自分の保育観を持つこと
?事前に参加する園についてホームページなどで下調べしておくこと
?園側に何を聞きたいのか、どのような質問をするか考えておくこと
実際に橋本さんが説明会で以下の調査項目を設定し挑んだそうです。
①「この園の一番の魅力はなんでしょうか?」
②「早期離職が問題になっていますが、辞める方は多いですか?」
③「質の高い保育とは、どのような保育だとお考えですか?」
④「保育の振り返りは行っていますか?いつですか?どれくらいしていますか?」
⑤「保育の記録はどのようにしていますか?」
⑥「基本給はどれくらいですか?」
「賞与は年何回ですか?何月ですか?何ヶ月分ですか?」
「定期昇給はどれくらいですか?」
「住宅手当はどれくらいですか?」
すべての事業者にすべての質問を投げかけることは難しいが、しっかり答えてくれる園とそうでない園が顕著に表れていたそうです。どのような質問をするか、それに対する回答予想について、その回答に対して更に何を質問するかなど細かい部分まで想定しておくことが大切となってきます。
質問を考える上で澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なのがオープン?クエスチョン→クローズド?クエスチョンという流れになるような質問をしていくことです。オープン?クエスチョンとは、「どんな?」等で始まる間口の広い質問です。より広範囲な情報を得ることが出来る一方、焦点がずれ違う方向に行く可能性があります。クローズド?クエスチョンとは、「はい」「いいえ」といった二者択一か、数字などで具体的に答えなくてはならない質問のことです。
合同説明会中は、自分が目星をつけた園順に話を聞くようにして、事前に考えた質問を投げかけます。合同説明会後は友達と情報を共有して自分の感じ方と他者の感じ方の違いを知り、自分の偏った考えで判断しないよう配慮することが望ましいです。
ここからは、実際の保育参画です。行く前には、表面上の曖昧な感想で終わらないために、保育を客観的に捉え言語化できるように見る視点を考えて「学びのテーマ」を明確にしておくことが必要です。
問いを持つ 「なぜ?」「どうして?」
↓
保育者に質問する、意図を聞く
↓
保育者の意図を知ったうえで子どもの姿を見る
こうした流れを意識して行うことが大切です。ただ『ねらい』や『意図』を知るだけではなく、それを踏まえてもう一度環境構成と子どもの姿を掛け合わせながら見ることで、より具体的に「保育の質」に迫っていくことが出来るのではないでしょうか。
そして、保育参画後には、必ず個人で自己内対話を行い、他者との対話を通して振り返りを行うようにしましょう。単に「良かった」「凄かった」ではなく、具体的に記録として残しておくことで、就活に向けての大学での学びの集大成となっていきます。
最後にまとめとして、学生が今できることとして「保育について学ぶ機会」に飛び込むこととおっしゃっていました。「保育の就活は、保育を学ぶこと」とあるように、保育の理想を追求し続けて自分を成長させることにつながります。その過程で、自分の価値観に合う現場、合わない現場、こういう現場で働きたい、など自分の保育観が洗練されていくのでしょう。そうして自分の保育観が確立しそれとマッチする保育現場に就職できた時を「幸せな就職」と呼ぶことが出来るのでしょう。
橋本さんからは、「ぜひ、この瞬間から保育について学ぶ機会に飛び込み、幸せな就職をして頂きたいと強く思っています」と後輩へのメッセージも頂きました。
第4部では、就活レクチャーⅠ?Ⅱに対してのフロアからの質問に発題者である成ケ澤さんと橋本さんに答えて頂きました。その後、園長及び保育現場に対しての質問に答えていただくべく、園長先生方にもご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
?ファシリテーター
TFU教育学科4年生 伊藤葵さん
学校法人啓朋学園 緑ヶ丘第二幼稚園 園長 三塚薫先生
学校法人秀志学園 泉の杜保育園 施設長 渡邊晴美先生
社会福祉法人青葉福祉会 青葉保育園 園長 木村智子先生
TFU教育学科4年生 成ケ澤咲希さん
TFU教育学科4年生 橋本日菜さん
次に、園長先生方に就活レクチャー及びシンポジウムに対してのご講評を頂き、学生からの質問に答えて頂きました。
質問1「分散型?協働的リーダーシップについてどう考えているか」
?職員全体で対話を交えて保育を深めていくことが大切である
?現場に入ってからは年齢?経験関係なく職員全体で意見を出し合ってより良い保育にしていく
?保育を語る力=保育の言語化が求められている
質問2「就職という名の保育の学びに入る学生にどんなことを学んで、どういう視点をもって、どのような保育者になってもらいたいか」
?子どもたちが何を求めて園に来ているのかを考える(友達と一緒に過ごすなど)
?子どもの最善の利益を考えて行動したことによって失敗は必ずある。その失敗から学び取ってどう変わっていくか
?失敗を明日の成功にするために、職員同士で共有していく
今回のセミナーでは「保育の就活」について焦点を当て、様々な視点から就職について考えることが出来たと思います。また、自分の理想の保育を確立して「幸せな就職」が出来るように、一人ひとりが保育を学ぶ機会に飛び込んでいってほしいと思いました。
これから選抜試験を控える1年生、実習が目の前に迫る2年生、就職活動が本格的になる3年生、それぞれが今回のセミナーで得た学びを生かしていきましょう!
記事担当 天野未紗希