2019/11/14 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅱ

11月14日の保育実習指導Ⅱでは、はじめに発達プロジェクトの4年生によるミニレクチャーが行われ、前回の「睡眠」についての振り返りのテストも行われました。

その後、「保育現場における幼児期教育の実際」と題しまして、特別講義が行われました。そして、実際に園ではどのように幼児教育が展開されているのかを、TFU保育士?幼稚園課程の卒業生で幼稚園教諭として勤めていらっしゃる佐藤愛実先生を特別講師としてお招きし、実際に使用されている教育課程や指導計画、園内研修などで使用されたポスターなど、10枚の資料を用いながら特別講義をしていただきました。

まず、保育士課程の3?4年生から、3法令の改訂の「幼児教育に新しい視点」が導入されたことに焦点を当て、講義が展開され以下の4つが主な内容として行われました。
?資質、能力の3つの柱
?幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)
?アクティブ?ラーニング
?カリキュラム?マネジメント


2017(平成29年)度の3法令の改訂(改定)では、保育?幼児教育の質の向上のための視点として新たに、「育みたい資質?能力(3つの柱)」が加えられ、それをより具体的に表したものとして「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が示されました。この10の姿と密接に関連してくるのが、「主体的?対話的で深い学び」いわゆる「アクティブ?ラーニング」です。

佐藤先生から、まず、実際の現場で見られるアクティブ?ラーニングについてお話ししていただきました。
お話ししていただいた事例は、Bブロックでの場面についてでした。昨年度担任していた3歳児クラスの子どもたちが、初めはBブロックを横一列に並べることを楽しんでいましたが、佐藤先生がBブロックの長さを出して端を合わせ、円状になったブロックを置くという環境構成を行ったところ、幼児たちはブロックをつなぎ合わせること、そして円状にすることに興味を持ち、「もっと大きくしたい!」という思いが芽生えたというお話をいただきました。その後、他者と協力したり、自分の考えを広げていったりすることで、実際に大きくしていき、家や温泉に見立てて遊ぶという姿に発展していったとおっしゃっていました。
また、この場面一つにおいても“協同性”や“言葉での伝え合い”“思考力の芽生え”などの10の姿が多く見られるとおっしゃっておられました。

このような10の姿につながる「アクティブ?ラーニング」を引き出していくために大切なことが、「カリキュラム?マネジメント」です。「カリキュラム?マネジメント」とは、その目標の達成のために必要な教育課程を編成し、各指導計画の計画?実施?評価?改善(PDCA)をすることです。その実際として、佐藤先生から指導計画とそれに赤字で評価?改善を加えている資料をお見せいただき、解説をしていただきました。
しかし、指導計画を振り返ることだけがカリキュラム?マネジメントではなく、日々の実践をふとした瞬間に「あれ、今日のあの子の行動って…」というように振り返ることもまたカリキュラム?マネジメントであるというお話もいただきました。
今回の講義では、AIの講義の際に出た『素敵な保育者になるためにはどうすればいいか』という問いに対して、挙げられた「臨機応変」、「子ども主体の保育」などの必要なことに対して照らし合わせることが出来たと思います。
もう一度、保育実習を終えて明らかになった自身の課題を見つめ直して学びを進めていきましょう。


記事担当:五十嵐廉、千葉早姫