2019/06/28 保育士?幼稚園課程

教育実習(幼?小)の事前事後指導

6月28日(金)5限の教育実習(幼?小)の事前事後指導(幼稚園課程)は、【子どもの発達勉強したいプロジェクト】による発達特別講義が行われました。
4週にわたって行ってきた発達特別講義ですが、今回で前期の発達特別講義は最後となります。テーマは、「着脱?睡眠?清潔」の発達についてです。

まず、始めに「着脱」の発達についてです。
発表の流れとしては、まず着脱の発達について見ていき、その後に衣類の種類ごとにトップス、ボトムス、靴?靴下、ボタンファスナー、衣類の片付けの順で見ていきました。

発達区分ごとに、以下のような傾向が見られます。

〇おおむね0歳
おむつ交換の際に快さを感じる経験をします。また、大人が子どもに「次はズボンをはくよ」などと声がけをすることにより、子どもが次に何を行うのかわかるようになり、着脱に協力的になってきます。そして、脱ぐことの面白さを知っていきます。

〇おおむね1歳6か月~2歳未満
自分で着脱をしようとしているときに、大人が手助けをすると嫌がることがあります。また、脱ぐことを面白がる姿も見られます。

〇おおむね2歳
始めから最後まで「自分でしたい」という気持ちや、自分でできないところは「手伝って」と助けを求める気持ちが出てきたり、できる姿を「見てて」と要求する気持ちが出てきたりと、自分の思いを認めて欲しい気持ちが強まってきます。また、大人が「一人でできるかな?」と声をかけると、「できる」と自信満々でやる姿が出てくるのもこの時期です。

〇おおむね3歳
他のことに気をとられてしまい、着脱が進まないことがあり、大人から見ると少し困った姿を見せることがあります。

助が必要だったところから、徐々に一人で脱げるようになる、着ることができるようになるなど、細かな発達の諸相を学ぶことができました。


続いて、「睡眠」の発達についてです。
発達が進んでいくにつれて、睡眠のリズムが安定していきます。

〇生後?1ヵ月
1日のほとんどを寝て過ごし、ずっとまどろんでいる状態です。

〇おおむね0歳1ヶ月
3~4時間ごとに目覚めと眠りを繰り返し、目覚めると泣くという姿が見られます。この頃の睡眠時間は1日20~22時間になります。

〇おおむね0歳2ヶ月
1日あたりの授乳時以外の15~20時間はまどろんでいる状態です。この頃の睡眠時間は1日15~22時間です。

〇おおむね0歳3か月
この頃から昼と夜の区別がつき始めます。そのため、午睡は朝、昼、夕方と3回になり、時間が一定になり始めます。睡眠時間は1日15~20時間くらいです。

〇おおむね0歳6ヶ月
昼夜の区別がはっきりしてきて、午睡の時間が一定になります。午睡が午前と午後の2回になり始めます。また、この時期からノンレム睡眠(脳が休んでいて、眼球が動かない状態の深い眠り)が表れ始めます。1日の睡眠時間は13~15時間です。

〇おおむね1歳~1歳3ヶ月未満
生活のリズムが一定になってきます。また、ノンレム睡眠の割合が増し、熟睡するようになります。1日の睡眠時間は12時間ほどで、その中で夜の睡眠は9~10時間程度です。

〇おおむね1歳6か月~2歳未満
1回の午睡で熟睡するようになってきます。ただ、中にはまだ午睡が2回ほど必要な子もいます。

このように見ていくと、睡眠のリズムが安定してくるということが分かります。
年齢があがってくると、だんだんと午睡が必要なくなる子どもも出てきます。



最後に、「清潔」の発達についてです。

まず、「清潔」に関する生活習慣については、食事や排泄などの生理的な欲求とは異なり、大人が見本を見せるなど教えることを通して習得していきます。そのため、保育者の関わりが大切になるとのことでした。

清潔は、まず汗拭き?洗顔に関すること、次に手洗い?うがい、歯磨き、鼻かみの順で、発達を見ていきました。

どの項目においても、0歳の時期に大人にやってもらい、「気持ちよい」という感覚を感じる経験が大切であることが分かりました。それが、今後の「自分でやる」ということにつながっていきます。
そして、保育者の援助にも技術が必要なものもあります。今回は、「歯磨き」での援助?磨き方について紹介します。以下の通りです。

〇おおむね1歳3ヶ月~2歳未満
離乳食の食材の種類も多くなってきて、甘いものを食べ始めます。食後は寝かせ磨きやガーゼで歯をふき取ります。また、自分で歯ブラシを持って磨く姿も見られるようになってきますが、仕上げ磨きが必要です。仕上げ磨きの際は、膝の上に仰向けに寝かせて歯の裏側や奥歯を中心に磨きます。

〇おおむね2~3歳
自分で磨く姿が出てきます。前歯を磨く時は上から握り、かき出し法(スクラッピング法)という歯ブラシを歯に対して直角に軽く当てて細かく左右に動かす磨き方で、歯を磨いていきます。仕上げ磨きでは、一人一人の磨き方を見届け、立ったまま磨いたり、寝かせて磨いたりします。前歯の左右の局面は、大人がブラシのサイドで隙間が内容に磨くことが大切です。

〇おおむね4歳
奥歯の歯と歯の間に虫歯ができやすくなります。奥歯の溝は、いちばん歯垢がたまりやすい部分であるため、歯ブラシの先やサイドを使って奥歯を上手に磨くことが必要です。

〇おおむね5歳
一筆書きの要領で歯を磨くルートを決めることによって、磨き残しや磨き忘れがなくなります。また、描円法(フォンズ法)と、回転法(ローリング法)という磨き方について、紹介されました。

4回にわたる発達特別講義でしたが、かなり細かく発達の順序性について学ぶことができたのではないでしょうか。
12月には最終テストもありますが、それに限らず、将来現場で発達の知識を活かせるように復習をしておきましょう。


記事担当:大橋咲恵