2019/06/14 保育士?幼稚園課程

教育実習(幼?小)の事前事後指導

6月14日(金)の教育実習(幼?小)の事前事後指導では、【子どもの発達勉強したいプロジェクト】の学生による第2回目の発達特別講義が行われました。

今回のテーマは『知覚?認知、対人関係、言語』の発達についてでした。また、今回の発達特別講義から各章ごとに『考えてみよう』と題して、12月に行われる最終テストの形式を用いて、発達についての理解度を確かめるミニテストが行われるようになりました。


始めに、『知覚?認知』の発達についてです。

そもそも知覚?認知とは何でしょう。

?知覚:目、耳、鼻、皮膚、舌などの感覚受容器官が身体の外部や内部から受けた刺激を脳が感じ取るはたらきを感覚という。この感覚を意味づけ、外界や身体内部の状態を知る働きのことを知覚という。
?認知:過去の経験や思考に基づいて知覚を解釈する過程のこと。

この分野では、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の五感それぞれに分けて発達を見ていきました。また、おおむね2歳のところからは時間の感覚や空間認知(上下、前後、左右など)について、おおむね3歳のところからは数字の認知についての発達も見ていきました。


次に、「対人関係」の発達についてです。

おおむね0歳0か月は、うとうとしている時や生理的に快い状態の時に微笑んでいるように見える「生理的微笑」を見せます。そこから、0歳3カ月には、「社会的微笑」といって人との関係において表現する微笑を見せるようになります。この「社会的微笑」は大人から語りかけられたり、おもちゃを見せられたりしたときに喜びを返す笑顔などが当てはまります。

また、「養育者が最も信頼できる」「養育者がいないと不安」という状態であるアタッチメントが形成されているからこそ、以下のことが起こります。

?おおむね0歳7~8カ月頃 「分離不安」
子どもが養育者と離れることに不安を感じて抵抗を示すようになること
?おおむね0歳8カ月 「人見知り」
見知らぬ人に対して警戒したり、おそれを抱いたりすること
?おおむね0歳9~10カ月 「後追い」
特定の大人が視界から消えたとき、あとを追いかけたり探し回ったりする行動

そして、子ども同士のぶつかり合いが増加する「自我」が強く出る時期や、自分の気持ちを通そうとするけれど思い通りにいかないというなかで起こる「対人葛藤」などを経験していき、子どもは友達との関わり方を学んでいきます。


最後に、「言語」の発達についてです。

0歳0カ月~3カ月未満の子どもは、快?不快を泣き声で表す、「アー」「ウー」などの音声を発する「クーイング」を出している姿を見せます。そこから、喃語が活発になっていき、その喃語で大人とやりとりをしたり、意味のある言葉が混じったりするようになっていきます。

また、0歳9カ月頃から、欲しい物に指をさすなどの指差しが始まります。指差しもコミュニケーションの1つです。指差しには以下の発達過程があります。

?おおむね0歳9カ月~10カ月 「指向の指差し」
養育者に「わんわんだよ」と言われて、指差された方向を見る指差し
?おおむね0歳11カ月 「自発の指差し」
何かを見つけたときに、自ら声を出して対象物を指差す
?おおむね1歳1カ月 「要求の指差し」
身振りと発声で要求する
?おおむね1歳3カ月 「共感の指差し」
自分の気になったものを指差しで知らせ、相手もそれを見ているか振り返って確認する
?おおむね1歳6か月 「応答の指差し」
「ワンワンどれ?」などと聞かれて指をさして答えること。対象物がそこに無い時も、対象物がある方向を指差す。

発達が進んでいくにつれて、初めての言葉である『初語』、「ワンワン、いる」などの『二語文』、「ころんだから、ここ、いたいの」などの『従属文』や、「パパ、かいしゃ、いったね」などの『三語文』、そして日常の会話がだんだんとできるようになっていきます。語彙数も増えていき、おおむね5歳には約2000語までになります。


次回の講義では、「食事?排泄」の発達となります。

子どもの発達の順序性を理解しておくことにより、子どもの発達に合わせた関わり方や環境構成を考えていくことの基盤となります。発達特別講義で学んだことを頭に入れて、一人ひとりの発達に合わせた保育ができる保育者になってほしいと思います。

記事担当:大橋咲恵