2019/05/17 保育士?幼稚園課程

発達に応じた遊びについて考える/幼児の教育実習(幼?小)の事前事後指導

5月17日に行われた教育実習(幼?小)の事前事後指導では、利根川智子先生から「幼児の発達に合った遊び」についてお話いただきました。最後に、小坂徹先生による発達ミニレクチャーが行われました。

まず初めに、利根川智子先生より遊びの教育的価値、機能、役割を6つ説明していただきました。その内容は以下の通りです。
①身体の発達成長、身体的運動機能の発達をもたらす
②知的発達を促す
③社会性の発達を促す
④自発性?自主性を発達させる
⑤望ましい人格形成を促す
⑥子どもの感受性を通して豊かな人間を育成する

利根川先生は「遊びを通した総合的な指導により、子ども達の見方や考え方が広がっていきます。そして、それらが幼児教育の土台になり、小学校以上の教科教育でも各教科の見方や考え方に繋がっていく」とおしゃっていました。遊びを通しての総合的な指導とは「知識?技能の基礎」、「学びに向かう力?人間性等」、「思考力?判断力?表現力等の基礎」が複合化されたものです。

「知識?技能の基礎」は遊びや生活の中で、豊かな体験を通じて、何を感じたり、何に気付いたり、何がわかったり、何ができるようになるかを意味します。
「思考力?判断力?表現力の基礎」は遊びや生活の中で、気づいたことや出来るようになったことなども使いながら、どう考えたり、試したり、工夫したり、表現したりするかを指します。
「学びに向かう人間力?人間性等」は心情?意欲?態度が育つ中で、いかにより良い生活を営むかということです。
これらの資質?能力については総合的な指導を行う中で一体的に育んでいくことが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。

今回、お話していただいた流れは以下の通りです。
1、幼児期の遊びと発達について
2、幼児期の特性と幼稚園教育の役割について
3、幼稚園教育要領に基づいた幼児期の特性と幼稚園教育の機能について


1、幼児期の遊びと発達について
発達とは自然な心身の成長に伴い、人がこのように能動性を発揮して環境と関わり合う中で、生活に必要な能力や態度などを獲得していく過程です。その中で、幼児自身が自発的?能動的に環境と関わりながら、生活の中での状況と関連付けて身につけていくことが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】となります。


2、幼児期の特性と幼稚園教育の役割について
幼児期は自然な生活の流れの中で直接的?具体的な体験を通して、人格形成の基礎を養う時期です。そのため、学校教育法第23条における幼稚園教育の目的を達成するために、必要な様々な体験が豊富に得られるような環境を構成し、その中で、幼児が幼児期にふさわしい生活を営むようにすることが大切になります。
また、幼児期の生活と遊びは明確に分けられてはいませんが、幼児の意識や必要感、興味や関心と関連して連続性を持ちながらのリズムに沿って展開される生活の流れが大切です。そして、幼児が幼稚園生活を充実したものと感じることが求められます。


3、幼稚園教育要領に基づいた幼児期の特性と幼稚園教育の機能について
幼稚園独自の働きとして、幼児の自発的な活動としての遊びを十分に確保することがあります。幼児の主体的な力が発揮され、生きる力の基礎である生きる喜びを味わうことが大切です。
また、幼児教育の基本として幼児一人一人の特性に応じ、発達の課題に即した指導を行うことがポイントとなります。利根川先生は、発達の課題に即した指導について、保育者が子どもの姿から発達の課題を観察して見つけることが大切であるとおっしゃっていました。


最後に、上記のことを踏まえ、2つの事例を通して子ども達の姿や興味関心について捉え、遊びを通した学びについて理解を深めました。また、利根川先生から「保育者本位ではなく、勉強した上で子どものための保育になるような実習を経験してほしい」とお言葉をいただきました。
4年生は、最後の実習となる幼稚園実習が間近に迫ってきている人もいると思います。
学びの多い実習となるよう頑張りましょう。

記事担当:西塚麻衣