2019/05/23 保育士?幼稚園課程

指導計画の作成について/保育実習指導Ⅱ

5月23日、5限の保育実習指導Ⅱでは前回に引き続き、利根川先生より指導計画作成についてご指導いただきました。

はじめに、利根川先生より、前回の指導計画作成の続きで「児童福祉施設の場合」での指導計画についてご指導いただきました。
子ども達の状況は施設ごとに異なっていて、同じ施設を利用する子ども達一人ひとりの状況も異なっています。実習生が子どもの状況を理解するためには、施設職員の方に積極的に質問を行うと良いとのことでした。

指導計画を作成する目的として、支援を行う場合、個々の勘で実施するのではなくて、目標を共有して実施することや、職員の方々に周知された計画で実施するということがあります。

指導計画(日案)の心得は三つあります。

一つ目は、「オーダーメイドで子ども理解」です。目の前にいる子どもに責任をもって保育を行うために作成するということです。子ども理解のために記録を生かし、予測し、実践場面や振り返りでさらに子どもを理解することに繋げます。

二つ目は、「一日の流れをつくる」ことです。子どもと子ども、子どもと保育者など、そこに登場する人とつなぐということです。

三つ目は、「その日、その時間に責任をもつ」ことです。子どもが一日を快適に、楽しみや充実感、達成感などの味わいながら生活をするための時間、仲間と暮らす喜びを感じる時間、そうした時間を作るには、保育者の入念な準備、保育所同士の協働が大切になってきます。実習生の場合、複数担任のクラスでもすべて一人でやろうとしてしまうことがよくあるそうです。しかし、子どものことを考え周りの先生に協力してもらうことも必要になってくるそうです。

そして、指導計画に記載する、「前日までの子どもの姿」「ねらい」「内容」の書き方を詳しく説明していただきました。
書き方のポイントは以下の通りです。

1. 前日までの子どもの姿
?前日までの子どもの記録から、特に指導計画につながる部分を取り上げて記入します。
?はじめに、事実を記入し、保育者のとらえ(考察?課題検討)、保育者の願いへの順で書いていきます。
?当日の指導案のねらいにつながるため、ねらいの理由がわかるように記入します。

2. ねらい
?入園から卒園までの間に子どもに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情?意欲?態度などを示します。
?主語は子どもとなります。
?「誰と」「どのように」「何を」「どうする」「ようになる」の形で書いていきます。
「誰と(範囲)」「どのように(レベル)」は発達過程をとらえて、「何を(養護?5領域)」「どうする(心情?意欲?態度)」は保育者の願いも入れて、「ようになる」は方向性を示すことばを適宜入れるとよいとおしゃっていました。

3. 内容
?ねらいを達成するために指導する事項を指します。子どもが環境に関わって展開する具体的な活動を通して総合的に始動されるものであり、経験する事項であります。
?主語は子どもとなります。
?はじめに、具体的な活動を記入します。続いて、活動のポイントとなる行動?対象、子どもの内面(心の動き:心情?意欲?態度、養護)、ねらいにつながる経験を記入します。そして、「経験する」等のことばを補い、文末を適切にする事が大切です。


参加していた学生は返却された自分の指導計画や、保育実践演習で作成している遊びの指導計画を見ながら、書き方のポイントについて確認していきました。


指導計画作成についての講義を受け、今まで「わかっているつもり」になっていたことなどを改めて学ぶことができたと思います。6月から実習がある学生の皆さんは再度、指導計画の作成について確認し、実習に臨めるよう頑張っていきましょう。

記事担当者:五十嵐廉、千葉早姫