2019/04/19 保育士?幼稚園課程

「TFU保育?就活の要訣」Part2!!/教育実習(幼?小)の事前事後指導

4月19日、5限目の教育実習(幼?小)の事前事後指導の授業では、和田明人先生から前回に引き続き『TFU保育?就活の要訣』と、『求人票の見方』についてご教授いただきました。

はじめに、前回の講義の続きである『TFU保育?就活の要訣』についてご教授いただきました。

まずは、保育現場の見極め方についてです。
その方法として、以下の4つの方法をご教授いただきました。

① 研究型ボランティアとして現場へ赴く
“〇〇を見てこよう”“保育者に〇〇について聞いてみよう”等、目的を持ってボランティアに参加してみましょう。

② 生活場面面接(信頼関係構築)を実践する
しっかりとした面接の機会を設けて職員の方とお話をするというよりは、日常の場面で保育者とお話してみましょう。聞いてみたいことを考えながら、また、仮説を立てながら、目的を持ってお話ししましょう。

③ 参与観察での評価の視点を絞る
実際に保育現場に入らせていただき、いろいろな面から観察してみましょう。例えば、保育環境や子どもへの関わり方、職員の年齢構成など、観察の視点は様々あります。

④ 具体をたくさん集め、抽象化し、比較考察をする
生活場面面接や、参与観察等で集めた具体をもとに、比較し、考察してみましょう。具体を集めるには、できるだけたくさんの園に赴くことが大切です。

次に、職員同士の人間関係への視点についてです。
仲が良い、悪いというのはなぜ生じるのかを考えてみましょう。保育理念、保育観、保育方法の共有チームとなっていれば、仲が良いと言えるのではないでしょうか。

次に、受容?共感?傾聴の実際(実践)、保育理念と実践の一致についてです。
ある先輩は、子どもへの普段の姿勢が学生に対しても表れている様子に感動し、ここから評価の視点で保育に参加していったそうです。そして、保育実践に参加することや対話をすることを通して、保育理念と実践が一致していることを確認していったそうです。

次に、様々な立場の方に質問をすることについてです。
信頼関係を築くことができたら、学生から職員の方々に質問をさせていただきましょう。卒業生の先輩や、現場で働いている保育者などの声を実際に聞くことで、より詳しい実際について知ることができるかもしれません。

最後に、“保育の質”向上を探求している保育チームかどうかについてです。
園内研修の方法にこだわっているか、保育環境の細部にこだわっているか、保育実践の場面にこだわっているか等、観察してみましょう。しかし、これらの点については、学生自身が技法や評価方法を学んでいないと見えてきません。


続いて、『求人票の見方』についてご教授いただきました。

求人票の見方を間違ってしまうと、大変危険です。まずは、求人票について知ることから始める必要があります。

まず知っておきたいのは、給料と給与の違いです。
給料とは、残業代や各種手当などを引いたもの、つまり、基本給のことです。
給与とは、給料に残業代や手当がつき、給料日に支払われるすべてのお金のことです。また、給与支給方法をしっかりと確認しておきましょう。4月の給与が5月に支払われるといった翌月払いの園もあるため、注意が必要です。

続いて、求人票を見るときに着目すべきポイントについてです。
注目すべきポイントは以下の8つです。

① 必要資格
必要資格に、社会福祉主事任用資格、大型?中型自動運転免許と書かれている場合があります。その場合は、保育園以外で仕事をすることになったり、バスの運転手をすることになったりという可能性があるので、気をつけましょう。

② 募集人員
「若干名」という記載よりも、具体的に人数を記載している方が安心度は高くなります。大量採用の場合は、その法人で次年度に新規開設があるかを確認しましょう。ない場合は、多数離脱が慢性的であるということも考えられます。

③ 住居手当(一人暮らしの場合)
住居手当があるかないかでは、可処分所得にかなり差が出ます。ここ最近では、保育士宿舎借り上げ支援事業を推奨している自治体等が増加傾向にあります。
保育士宿舎借り上げ事業とは、保育士として継続して働くことができるように、家賃の全部または一部を負担してくれるものです。

④ 通勤
首都圏の生活は基本的に電車文化です。満員電車での往復通勤のことも考えてみましょう。また、首都圏に限らず、自転車圏内に住むことのメリット?デメリットについても考える必要があります。

⑤ 税込みの数字
控除額(給与から保険料などが引かれた後の金額)を記載する求人票はありません。この構造を深く理解する必要があります。

⑥ 加入保険
社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、雇用保険のことです。法令上、1か月に20日以上勤務する場合は、加入が義務となっています。

⑦ 先輩、本学卒業生
働きたいと思った園に先輩がいると分かったら、まずはTFU保育士?幼稚園課程の教員に確認をしましょう。そして、先輩に直接お会いし、話を聞いてみましょう。その時、求人票を見てもらい、説明していただけると良いでしょう。

⑧ 学生から先輩(卒業生)に問う
保育理念と実践は一致しているか、福利厚生に満足しているかなど、実際のところを先輩に聞いてみましょう。


最後に小坂先生によるミニレクチャーがありました。今回は「感性」とはどういう意味かという問題でした。

先週から2週にわたって、和田先生より主に就活についてご教授いただきました。保育の就活は学ぶことの延長線上にあること、そして、ひとつひとつの情報を丁寧に理解することが大切であることがわかりました。

保育者を目指す者としてこれからどう過ごしていけば良いかを考え、残された1年を大事に過ごしていきましょう。

記事担当:成ケ澤 咲希