2018/11/01 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅰ

11月1日の保育実習指導Ⅰでは、まず和田先生より、プロジェクトについての説明をしていただき、次に環境プロジェクトの皆さんより、「保育における環境」についてご講義いただきました。そして、その後さらに和田先生より、保育所保育指針?幼稚園教育要領?幼保連携型認定こども園教育?保育要領の三法令改定(改訂)についてご講義いただきました。 
はじめに環境プロジェクトによる授業として、保育の中での「環境」というのはとても大事なことであることを教えていただきました。ある環境プロジェクトのメンバーによる失敗談として、次のエピソードがありました。そのメンバーはある意図を持っていつもの保育室と異なる環境構成を考えました。その際、現場の保育者から『いつもと異なる環境構成は子どもの不安につながることもある』という言葉をいただき、保育における環境の大切さに気付いたというお話がありました。

では、保育における環境とはどのようなことをいうのでしょうか。保育所保育指針より、保育における環境とは人的環境に始まり、物的環境、自然、社会の事象がそれにあたります。また、保育所保育指針には、「環境を通して」という文言が何度も出てきます。この「環境を通して」というのは、子どもが自ら環境に働きかけ、自分で遊びをつくり出すことができるように環境構成?援助をする保育のことをいうのです。

例えば環境プロジェクトのメンバーが実際にいくつか園を訪れると、ある園では年齢によって名前シールの有無を変えていたそうです。3歳児の下駄箱には名前シールがあり、4、5歳児の下駄箱には名前シールがありませんでした。この環境構成は、保育者の4、5歳児の発達による仲間意識の芽生えから友達との関わりが増え、好きなお友達の隣に自分の靴を置きたいというような子どもの気持ちを大切にしたいというねらいや願いから設定された環境構成でした。この下駄箱の名前シールの有無の工夫は、年齢の発達を踏まえた子どもたちの援助につながります。このように保育における「環境」について、次回からより環境プロジェクトのみなさんと一緒に考えていきましょう。 
次に、和田先生よりご講義いただいた三法令改定(改訂)についてです。今回はなぜこのように改定(改訂)となったのかについて中心にお話します。まず幼児教育について大きく見てみると、日本はまだ世界レベルにまで達していませんが、世界は幼児教育に力を注いできています。世界が幼児教育に投資する理由としては、解のない問いに解を見出せる人材が大切であると考えられているからです。

この解のない問いというのは、近年世界問題とされている地球環境に関する問題や貧困?格差、少子化などの問題のことです。これらの問題への解決策を考えだせるような能力を幼児期から育てていきたいということから、認知能力だけでなく、非認知能力のどちらもの能力である「21世紀型能力の育成」が澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】視されているのです。そのため、三法令でも保育そのものについての内容はこれまでと一緒ですが、「21世紀型能力の育成」を目指すようにシフトされたのです。その育成を念頭に入れて新たに設けられ視点が【幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿】でありますが、これはこのような能力を身に付けるようにする達成目標ではないということを頭に入れておきましょう。

次回は、この続きから、再び三法令改定(改訂)についてご講義していただきます。

記事担当 木村杏伽