2018/09/29 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅱ

保育実習指導Ⅱ

9月29日、2、3限の保育実習指導Ⅱでは、2名の先生をお招きし、「保育キャリア形成Ⅵ、Ⅶ」が行われました。2限の時間には社会福祉法人清香会りとるぱんぷきんずグループ統括園長の大江恵子先生より、3限の時間には社会福祉法人伸こう福祉会副理事長の林義仁先生より、それぞれお話をしていただきました。

2限では、大江先生より「就職先と選ぶ視点と選ばれる自分のあり方を考える」というテーマでお話をしていただきました。

まず、保育士の給与についてのお話です。
一般的に保育士の給与は低いと思われていますが、大江先生は「そんなことはない」とおっしゃっていました。あくまでも参考事例ですが、「厚生労働省 賃金構造基本統計調査(平成28年)」の表から、正規雇用の職員の全国平均と保育士の平均の給与を比較してみると、保育士の給与は決して低くないということが分かりました。また、保育士の処遇改善などが注目されているこの状況に甘んじることなく、自分の能力を磨き、質を上げることが大切であると分かりました。

次に、保育士の給与の仕組みや補助金について、また保育士確保のための補助事業についてのお話をしていただきました。主に、処遇改善費、キャリアアップ補助金や、保育士宿舎借り上げ支援事業などについて、教えていただきました。「待機児童の問題を解消するため」や「保育士が働きやすくなるようにするため」、また「保育士を確保するため」など、さまざまな目的を達成するための事業について、知ることができました。

他に、保育園?幼稚園?認定子ども園の賃金面の比較について、企業立の保育所、社会福祉法人の保育所の特徴などについてもお話していただき、真剣に就職先を考える上でとても参考になるお話をしていただきました。

就職先を選ぶ上で「安定」を求める人が多いと思いますが、「安定していること」が本当の安心であるとは限らないと先生はお話されていました。例えば、給与面のみを重視し、自分が思い描いていたような仕事ができない、また、やりがいを感じられない仕事場を選んでしまったら、それは本当の安定といえるでしょうか。就職先を考える上で、一つのことを重視するよりも、さまざまな視点をもつことで自分の本当の安定を見出せると先生はおっしゃっていました。

そして最後に、りとるぱんぷきんずグループで実際に保育士として働いていらっしゃる我妻先生に、就職までの流れや、関東で働くきっかけなどについてお話ししていただきました。澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】の卒業生である我妻先生から、就職に向けての活動についてお話していただいて、職場選びで重視したいことなどについてのお話も聞くことができました。
職場選びで重視したいこととして、「給料」「保育内容」「雰囲気」「待遇」「人間関係」が挙げられ、「人間関係」については、ボランティアに行っただけでは分からず、実際に働いてみないと分からない部分もあるということを教えていただきました。

大江先生や我妻先生のお話を聞き、就職先を考える上で大切にしたいことなどを改めて考えるきっかけとなりました。
3限では、林義仁先生より「『しっくりくる未来や働き方』を作るワークショップ」というテーマでお話をしていただきました。

まず、始めに前回のテーマ「ダメダメループを抜け出そう」の復習として、

?ステップ1 考える
?ステップ2 言う
?ステップ3 したい 
?ステップ4 やる
?ステップ5 続ける
?ステップ6 達成

のうち、今どこのステップなのかを学生同士で確認し合いました。
半分以上の学生が「ステップ3 したい」にあてはまるようでした。

その後、ステップ4以降に進んでいくために、克服しなければならない「三日坊主」についてお話いただきました。

【「三日坊主」にならないためにならないように】
『北風と太陽』のお話を例に挙げて、以下の3つの方法を紹介していただきました。
?太陽を増やす法:できたことについて、周りが褒めてくれるように、自分で褒める
(例)「今日は一個知ることができた。よかった。」
?北風を減らす法:辛いことを小さくする。先に、自分ができることをまずはやってみる
(例)家に帰ってきた時、ジョギングをやる前にジャージに着替える
?みんなで協力法:一人では難しいことを、友達など複数人数で協力する
(例)プロジェクト活動
続いて、求人票や面接についてお話していただきました。
「就太くんと活子さんの保育就職あるある」を見て、就太くんと活子さんの求人票の見方を比べながら、ポイントを確認しました。ポイントは以下の5つです。

?「分からない」を大事にする
?「分からない」がどこまでかを把握する
?「分からない」ことを、「分かる」というところまで調べる
?良いと思うことの中の課題も知る
?「自分のやりたいこと」と「園に求められていること」を一致させる

求人票に書かれていることを表面上だけ理解し、そこで満足するのではなく、それについて「詳しい意味は何だろう?」と、「分からない」ことを納得するまで調べることが大切になってきます。それが、志望動機につながり、面接にも関わってくるということになります。

今回の保育キャリア形成では、給与や補助金についてのお話や、社会福祉法人と企業立の保育所のメリットとデメリットなど、自分が「働く」ということに直結するようなお話を聞くことができました。
これから、プロジェクト活動や就職に向けた活動など、3年生はどんどん動き出していきます。「分からない」ことは恥ずかしいことではありません。とても大切なことで、そのままにせず、「なぜだろう」「どういう意味だろう」と追求していくことで、一歩一歩と進んでいくことができます。
みなさんも、「分からない」ことについて、「分かる」までどんどん追究していけるように意識していきましょう。

記事担当:大橋咲恵、沼田真由