2018/05/25 保育士?幼稚園課程

4年生 教育実習(幼?小)の事前事後指導

 5月25日の教育実習(幼?小)の事前事後指導は、『教育課程の編成と指導計画の作成 子どもの主体的な活動を生み出す指導案の作成』について、利根川先生にご講義いただきました。
まず始めに、10個の言葉の意味を考える問題が出題されました。
① 促す…させるよりも柔らかい表現であり、○○するように導くこと
② 誘う…保育者の参加してほしいという願いから一緒にやることで子どものある気持ちを引き起こす意味で使用する
③ 説明する…子どもの知性に働きかけて子どもがわかるように述べること
④ 指示する…物事をそれと指し示すこと、指図したりすることを意味し、命令の意味が強い
⑤ 言葉をかける?声をかける…自分の気持ちを相手に向けること
⑥ 話す…言葉で伝える、相談すること
⑦ 伝える…言葉やその他の方法で伝えること、あるものを受け継いで残す、何か相手に影響を与えたいときに使用する
⑧ 代弁する…子どもの意見や要求を代わりに述べること
⑨ 知らせる…言葉やその他の手段で知らせること、知るようにすること、知らせることで子どもが自分で判断?行動してほしいときに使用する
⑩ 見守る…無事であるように注意しながら見ること、成り行きを気をつけながら見ること、じっと見ること

上記の言葉は日誌でよく使うことがある言葉かと思います。このような言葉の正しい意味を理解できているでしょうか。間違った意味のまま覚えて日誌に書いたり、職員間で連絡を取り合ったりした場合、互いの認識に齟齬が生じてしまいます。実習前に今一度確認し、普段から正しい言葉遣いができるようにしましょう。

次に、事例を使って学習を行いました。
 まずマナミちゃん、ヤスヒトくん、ダイキくんは、
?「だるまさんがころんだ」は10文字であること
?10文字と1から数える10は異なること
に気づき、遊びを展開していることがわかります。このような経験は、他にどのような場面で見られるでしょうか。
例えば、ゼリーを一口で食べるか、2つに分けて食べるか、10に分けて食べるか、などによって、子ども達は『同じ体積でも数が増える』という経験をしています。「だるまさんがころんだ」の遊びの中で感じた気づきを、普段の生活の中でも感じていることを理解し、保育者も気づくことが大切です。


次の事例です。
 「コウジくんと同じチームになりたいのにさあ…」というオサムくんの言葉には
?ゴールをして仲間と喜び合ったりしたい
?サッカーをしたいのにボールに触れない
?自分と周りの子との自他の違いの気づきなどからの葛藤
が表れています。そのような葛藤を理解しつつ、子どもが意欲をもって活動を続けるために、保育者の働きかけが必要になります。子どもがルールをどこまで理解できているのか、それぞれの子どもの力量はどうなのか、など、子どもの気持ちの経験も含めて子ども理解をすることが大切になります。そして、子どもと一緒に遊びを楽しむことが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。


次の事例です。
なぜアオイちゃんは「踊りたくない」と言ったのでしょう。『アオイちゃんは特に踊ることが大好きで』という部分から、アオイちゃんは練習を楽しんでいた様子が読み取れます。保育者は、そんなアオイちゃんをたくさん褒めたり、一緒に楽しく踊ったりすることで、クラス全体を巻き込んで楽しく練習できるような雰囲気作りをしていたのでしょう。周りの子どもも踊るようになると、保育者は全体に目を向け始め、アオイちゃんに対しての関わりが少なくなってしまったのではないでしょうか。それに気づいたアオイちゃんの悲しい思いから出た言葉であったのかもしれません。

しかし、保育者は発表会に向けて全員に援助をする必要があります。再びアオイちゃんが踊りたいと思うようにするためには、周りの子を見つつ、目を合わせる、身体に触れてあげる、笑顔を向けるなどして、アオイちゃんのこともしっかり見ているということをわかりやすく伝えることが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。それでも踊らない場合は、終わった後にダンスの感想を聞いてみたり、アオイちゃんが黙って静かにダンスを見ることができていることに目を向けてあげるとアオイちゃんも発表会に参加することができます。アオイちゃんが何か言いたそうであったら、しっかりとアオイちゃんの気持ちを汲み取り、どのように対応することが良いのかを考えることが大切です。

幼児の主体性を引き出すためには、幼児は保護者?周囲の大人との愛情ある関わりの中で見守られているという安心感から行動範囲や興味?関心が広がり、保護者や教師、他児など他者との関係から様々な気持ちの経験をしていくことを、保育者が理解することが大切だということがわかりました。そして、日々の生活の中では幼児の主体性と教師の意図がどちらかに偏るのではなく、バランスよく絡み合うことが大切です。教師が効率の良さや計画通りばかりを考えるのは教師主導型になってしまいます。幼児が自ら周囲に働きかけ、その幼児なりに試行錯誤を繰り返し、自ら発達に必要なものを獲得しようとする意欲や生活を営む態度、豊かな心を育むことができるようにする必要があります。一人ひとりの幼児が教師のもとで主体性を発揮して活動を展開していく保育の展開が大切であり、子どもの立場に立つ保育が大切です。

6月から幼稚園実習が始まる人もいるので、今日の講義で学んだことを生かして、教師主導の「させる保育」にならないように、子ども理解に努め、指導案の作成を行っていくようにしましょう!!

記事作成者 木村杏伽