2018/05/11 保育士?幼稚園課程

4年生 教育実習(幼?小)の事前事後指導

本日の実習指導では、高野先生より幼児教育の基礎理解、保育の評価の考え方についてご講義いただきました。

幼稚園教育要領第3章では、幼児の実態及び幼児を取り巻く状況の変化などに即して指導の過程についての反省や評価を適切に行い、常に指導計画の改善を図ることとされています。

まず、はじめに、幼稚園実習の前の復習も兼ねて、次の単語の意味をそれぞれ考えてみました。

① ねらい
ねらいとは、幼稚園教育の目標を達成するために、保育内容の領域ごとに設定された「めあて」のことを指します。これはあくまでも方向目標であり、最終的な成果が目的ではないということを必ず押さえておかなければなりません。ねらいは、年少児には心情に関するもの、年長児には態度に関するものが示されることが多いです。

② 内容
内容とは、幼稚園指導要領に示されたねらいを達成するために子どもたちが経験する事柄であり、保育者が指導する事柄でもあることを指します。

③ 幼稚園指導要録
幼稚園指導要録とは、学校教育法施行規則に規定されていて、作成と保存が義務付けられているものです。記録には、指導に関する記録と学籍に関する記録があり、入学?卒業時の記録は20年の保存義務があります。

④ 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
幼児期の終わりまでに育ってほしい姿とは、最終的に向かっていくであろう方向として示されたものです。完成された姿ではなく、育ってきた姿やこれからも育っていく姿を示したものを指します。

⑤ 態度
幼稚園修了までにその方向に向けて指導するものを指します。

⑥ 活動
活動とは、保育の実践場面で、子どもが主体的に環境に積極的に働きかけ、具体的に展開する状態のことを指します。一人ひとりの子どもの性格や発達などを理解して、活動の展開を見通して発達に必要な経験が得られるように援助をすることが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。

さらに評価?反省のポイントについて2つの大きなポイントについて説明していただきました。

1つめは幼児理解についてです。子どもの生活の実態や発達の理解は適切であるのか、子どもの育ちを考えることが大切になります。また、もし子どもがつまずいた時、それはどこで起きていることであるのか、そのことについて保育者はどう考えているのかを考えることが大切です。具体的には、子どもの実態に即していたかどうかや子どもの実態と保育者の願いが合致していたかどうか、ねらいと内容は適切な方向を示していたかどうかも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なポイントになります。

2つめは教師の指導についてです。活動で設定したねらいなどは適切であるか、子どもの育ちに気づくことができるかどうかなどから、最終的に幼児の充実した生活に繋がっているかどうかが大切となります。また、教師の指導について、予想した子どもの姿と実際の姿が実践の中ではどこがどう同じであったか、どう異なっていたのか、環境の再構成や助言などの援助は適切であったかを考えることが大切となり、子どもの発達が望ましい方向に向かうように計画の改善をしているか、保育後の評価の適切さを見ることも澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なポイントとなります。

評価とは、どうしたいのかなどの決意だけではなく、具体的にどうすればいいのかということの方針を出し、的確な現状認識とそれに基づく課題の抽出を行うことであり、多角的に反省や評価をしていくことが大切です。

最後に事例について解説をしていただきました。

A先生はアズサちゃんの不安を受けとめるために、抱きしめたり、優しく声をかけたりしました。しかし、A先生の「落ち着いてほしい」という思いや、「早く信頼関係を作りたい」という焦る気持ちがアズサちゃんに伝達し、それによってよりアズサちゃんの不安を煽る結果になってしまっていました。ここでは、母親とアズサちゃんを無理に離してしまうことはまだ早かったのかもしれないと考える必要があります。先生の気持ちや行動が、周りの子どもたちの不安にもつながってしまっていたことも考えられます。このように、保育者の関わり方は子どもにとって大きな意味をもつため、日々使う言葉や日頃の行動に留意する必要があります。保育者の、子どもの心情や行動を理解しようとする姿勢が、保育の見直し?改善にとても大切なこととなります。

2つめの事例の活動のねらいは、水に「浮く」ということがキーワードとし、水に浮く素材を使って船の制作を楽しむことでした。マサヒロくんは、最初は船を水に浮かべて遊んでいましたが、遊んでいる中で箱の中に水が入って沈んでいくことを見つけ、その遊びに興味が移ったのだと考えられます。同じように見える活動でも、一人ひとりの興味を実現しようとすることは異なり、保育者の意図とも異なることもあります。しかし、そのような時は、全体を進めることも大切ですが、個の関心も大切となり、一人ひとりの興味を大切にしながら全体とのバランスを見て活動を進めていくことが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】になります。
今回の講義では、保育の評価や反省について、子どもの実態に即して活動のねらいなどを考えるため、しっかりと子どもの日々の生活や子どもたち一人ひとりの理解を踏まえて計画をすることが大切であると、改めて学ぶことができました。また、その活動のねらいは子どもにとって適切であったか、環境構成は適切であったかなど、反省を行い、どうすればよかったのか、今後どうするべきか改善をし、子どもの充実した生活につなげていくことが保育者の役割の1つでもあるのではないかと考えました。さらに保育者の言葉や行動が子どもに大きな影響を与えることから、普段から気をつけて生活する必要があると感じました。

記事担当者:木村杏伽