2018/02/10 保育士?幼稚園課程

2018年2月10日 3年生保育キャリア形成

2018年2月10日 3年生保育キャリア形成

本日の保育キャリア形成は、林義仁先生による、『「しっくりくる未来や働き方」を作るワークショップ』というテーマで、2限目333教室にて行われました。今回で3回目の、そして3年生最後のキャリア形成。今年度の締めくくりとなった林先生の講義の内容を、簡単にご紹介していきたいと思います!

保育士?幼稚園課程の3年生もそろそろ就活がはじまりますね。公務員保育士を目指している学生は試験勉強を始めていたり、企業を考えている学生はもうとっくに就職活動を行っていたりと、就職に向けてスタートしている人もいるかと思います。しかし、現段階でいまいち就活について意識ができていない3年生がやはり多いようです。

保育の就職活動は一般企業の就職活動とは違ってそう簡単に内定が決まるものではありません。自分に合った保育園を探し求め、10月~11月頃から園の人事募集が開始し、だいたい12月頃が内定のピークとなります。保育の就活は園探しが一番ポイントです。しかし、数年後も「この園で本当に良かった」と言える園を、私たちはたった数カ月で選べるのでしょうか。

まず、園を選ぶためには、園を掘り下げていくことからはじまります。

ここで就太君と活子さんの物語、2人の就職先の園を決めていく過程で、いったいどちらの就活方法が望ましいのかを考えていきました。前回の保育キャリア形成でも少しお話ししていただきましたね。(前回の林先生のお話も気になる方はぜひ2017年10月7日の記事に記載されていますのでぜひご覧ください!)
同じ求人情報を見た就太君と活子さん。就太くんは表面上の情報だけを見て良いと判断してしまいますが、活子さんは素直に分からない、と疑問を感じ、園について詳しく調査していきました。より、園を深いところまで理解できるのは活子さんですね。

就職活動の秘訣
その①『分かったフリをしない!わからないことを大事にしよう!』
その②『分からなくないように調べよう!』
その③『「良いと思うこと」の中の「課題(裏側)」も知ろう!』

分からないことを素直に分からないと感じなければ、活子さんのように新たな気づきができなくなってしまいます。分からないという感情が出て来たら、何か新しい知識を得ることができるチャンスです!分からないところがないようにとことん調べあげましょう。調べて、良いと思った中にも課題や裏側を見出し、園の表面だけでなく裏側にも目を向けるようにすることが大切です。

就職したい園について知ることができたら、次は面接などで問われる志望動機について考えます。

就職活動の秘訣

その④『やりたいことと、園に求められていることを一致させる。』
その⑤『志望動機は第三者の社会人に「やりたいこと」と「求められていること」が一致しているのかどうかチェックしてもらう』

園側が採用する時、自分たちの園についてどれくらい知ろうとしてくれていたのか、という点がとても澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】視されます。志望動機は求人票に記載されていることだけに則して考えるのではありません。自分でさらに調査したことを踏まえなければ、相手に自分がどれだけその園について調べあげたかが伝わらないのです。

また、その園の課題やいいところだけでなく、課題にも目を向け、自分がその課題解決にどれだけ役立てるかをアピールすることが大切です。

ただ、園側に「好きです!」を伝えるのではありません!「役に立ちたいです!」を伝えなければならないのです!恋愛と同じように、大切なことは、相手の長所も短所も踏まえたうえで付き合いたい、という想いをしっかりと伝えることですね。

そして、一度志望動機を考えたら、その園の先輩にチェックしてもらうと、さらに就職も確実なものに近づきますね!自分のやりたいことと、相手が求めていることが一致するような園に出会えたなら、きっと幸せな就職になるのではないでしょうか。

就活の仕方について教えていただいたところで、次に、短い時間ではありましたが2カ月ごとに、その月に行う活動内容を詳しく書き、自分の1年間の就活スケジュールを立てていきました。
私は今まで、実習の前は文献などを読んで知識を付ける、実習の後はひたすら園見学、と大まかにしか考えたことが無かったため、いったいどのように、どれくらい取り組んでいけば良いのかなかなか書くことができず、半分も埋めることができませんでした。今の時点ですら、やらなければいけないことがはっきりしていない人も多いと思います。
そんな頭を抱えた私たちに林先生は、6つ目の秘訣を教えてくださいました。

就職活動の秘訣
その⑥『手段や方法が先行せず、「やるべきこと」を自ら「考える」ことがしあわせな就活につながる(かもしれない)』

まず、目標を達成するために何が足りないのか、どんな力を付けることが大切なのかをよく考えることが大切です「本当に幸せな就職につながるかなんて誰にもわからない。でも分からないなら、分かるために、どうすればいいのかを考えよう。」と林先生はおっしゃっていました。何が課題なのかを考えることで、やらなければいけないことが見えてきます。そのやらなければいけないことはもしかしたら、幸せな就職につながるかもしれません。あくまで、かもしれないです。もしかしたら幸せな就職につながらないこともきっとあるでしょう。しかし、考えることは決して無駄なことではないですよね。


そして最後に、就活とはいったん離れ、未来の保育、幼児教育を担う私たちに、林先生から、今世界中で研究されている新しい教育方法について、いくつか教えていただきました。

①Learning Creative Learning(ラーニング?クリエイティブ?ラーニング)
これは「教わる」から「学ぶ」をまさに実践しているMIT(マサチューセッツ工科大学)の、複雑で想定外の問題を解決するクリエイティブな人材を育成するためのプログラムです。
子ども達が大人になっても、学びを喚起させる仕組みを一生懸命考えることが保育士の役目ではないのでしょうか。「教わるのではなく自ら学ぶ」「クリエイティブな学びを学ぶ」といった「ユニーク」でインパクトを与え「マジック」のような感動のある保育を私達も作り上げていきたいですね。
そして、さらに世界中で行われている講義の内容を見ることができる「MOOCs」というアプリを林先生から紹介していただきました。オンライン上で好きなように学びが深められる、無料のアプリです。自分の好きなものを見つけて、好きなように学べる、まさしくLearning Creative Learningアプリですね!必見です!

②STEAMs教育プログラム
STEAMsとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったもので、ひとつの方法にとらわれるのではなく、いろいろな分野を横断的に学んでいこうというものです。例えば、スポーツ×数学ならば、サッカーの戦略を数学的に考えることで、サッカーをしながら数学を学ぶことができます!多様な分野を掛け合わせることで、今まで見えなかった新しい視点が見えてきますね。

③EdTech(エドテック)
 EdTech(エドテック)とはEducation(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語で、テクノロジーの力で教育に改革を起こすといった方法です。「創造性」を軸に開発競争が行われている世界では、EdTechが取り入れられているようです。日本の未来の教育もテクノロジーの力で大きく変わっていけばいいですね。

④千代田区立麹町中学校の未来の教室
 以前まで宿題やドリルばかりで教育を行っていた麹町中学校は、現在、教育方法について見直し、学生のスキルアップのため、様々な学びの場を創り出しています。教育現場がめざすべき未来の教室を増やしていくために、日本でもこのような新たな教育が生み出されてきているのです。

世界中で新しい教育が日々研究されている中、保育も従来の方法だけではなく、未来を見据え、新しい視点で保育をしていくことが今後澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】なのではないかと思います。
「どんな人材が求められて、世界の保育や教育はどのように進んでいくか、新しい保育の掛け合わせを考えてクリエイティブな保育を目指してください」と林先生は私たちに話してくださいました。
私達には未来の保育を創り上げていくという使命があります。今、現在の保育に足りないことは何か、必要なことは何か、それを踏まえて自分がすべきこと、学ぶべきことは何かをよく考え、残りの1年間過ごしていきたいと、強く感じることができました。将来のことを考えると不安だらけですが、幸せな将来を創り上げていくために、この1年間、勉強を頑張りたいと思います!
悩みを抱える私たちの背中をいつも押してくださる林先生。
今回も貴重なお話をありがとうございました。

そして最後に今回スペシャルゲストとして来てくださった、平成28年度TFU保育士?幼稚園課程卒業生の山村周子さんから、私達3年生に向けて、お話をいただきました。

山村さんは去年、青森の保育園に就職し、現在、保育士として日々ご活躍されています。山村さんは私達3年生に「いろいろな園だけでなく、いろいろな保育者さんに出会ってください。こうなりたい、こういう保育者になりたい、と分かるようになるためにはいろいろな保育者に出会うことが大切です。」と話してくださいました。山村さんも学生時代、憧れの先生に出会い、自分のやりたい保育について知ることができたとおっしゃっていました。私達も残りの1年間で、心を揺さぶられるような憧れの保育者の先生と出会い、保育の学びを深めていきたいですね。
そして最後に。
「わからないこと」は「恥ずかしいこと」でしょうか。「分からないこと」は「気になっていること」「もっと知りたいこと」かもしれません。「気になる」「知りたい」は「大好き」の始まりです。「分からない」ことは「大切なこと」かもしれません。「分からない自分」を「大好きな自分」にしてあげられるよう、分からないことを受けとめ、大きく成長していける1年にしましょう。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事担当者:教育学部3年菊池海里