2021/11/18 教育学研究科

【学生報告】オンライン講演会での学び

10月23日に開催されたオンライン講演会「行政書士と共に学ぶ、知的?発達障がい者の健康について~現状と予防~」に参加し、知的?発達障がい者の感染予防?高齢化?セルフマネジメントを専門とされる看護師の根本昌彦氏による講演を拝聴しました。

所感?感想など

講演の中で印象に残ったことが2点あります。
1点目は、「生活習慣やセルフケアは高齢化してからでは遅い」ということです。知的?発達障がいの方々は歯磨きが不足している、爪切りをしていない、服薬管理や入浴時における体の洗い方が疎かになってしまっていることなど、健康に関わる生活上の課題が挙げられました。そして、この課題が将来的な生活習慣病の罹患や寿命にも関わってくるということでした。

2点目は、「障がいのある方々の社会参加に目が向けられてきている一方、その基盤の安全欲求や生理的欲求などの低次的な欲求(マズローの法則より)が疎かにされてしまっている」ということです。現在、障がいのある方々の地域移行、社会参加が澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】視されています。その一方で、命や人生、健康に関する部分に支援の手が行き届いていないという課題が挙げられました。せっかく地域移行が実現されたとして、健康でいられなければ地域の中で生きていくことは難しくなってしまうとのことでした。

私は上記2点の課題について、学校教育の中で果たすべき役割があるのではないかと考えます。特別支援教育で行われる「日常生活の指導」や自立活動の「健康の保持」の指導において、児童生徒が実生活の中でセルフケアしていくことのできる指導?支援を行っていく必要があるのではないかと考えます。また、自らの体調変化を教員や保護者、支援者に伝えられるためのコミュニケーションスキルを確立していく指導?支援も澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であると考えます。
私は、現在、知的障がいのある方のQOLに着目した研究を進めています。QOLを高めることのできる要因は様々ですが、その要因が成立するためにも、まずは一人ひとりにとっての「健康」が成立していて初めてQOLを高めていくためのスタートラインに辿り着くと考えます。今後、障がいのある方々が健康に、そして高いQOLで生きていくために学校教育で何ができるのか考え続けていきたいと思います。
(教育学研究科2年 石鉢愛里)

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