2019/11/25 教育学研究科

【学生報告】「地域調査特別研究」巡検報告

澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】大学院教育学研究科に所属する学生の活動を紹介します。

10月に起きた台風19号並びに大雨などにより被災された特に角田市?丸森町の方々に、心よりお見舞い申し上げます。

私は台風19号が来る2週間前に授業「地域調査特別研究」の一環として、角田?丸森を中心とする巡検の実習を行いました。その内容は、阿武隈川や溜め池を利用した水利(灌漑用水としての利用)の歴史でした。日頃の阿武隈川や溜め池の水は、田植えや稲の育成に役立つだけではなく、さまざまな動植物の生命を培い、助け、自然環境の好循環に深く関わっています。私の研究のテーマは、人に生きる糧を与える「水」と関わっており、この報告を行ううえで、記事の最初にお見舞いを申し上げました。

巡検実習について報告致します。私は、角田を大きく3つに分けて調査しました。

1つ目は、角田市の西方の山間部にある西根地区です。この地区には、灌漑用の溜め池が非常に多く存在します。この地区は、阿武隈川の水が利用できないため、山に降った雨水や小川河の水を利用するために作られたものです。調査の対象は「西の入溜め池群」で、4つの池を、高低差を利用して管でつなぎ、雨量が少ない時などの工夫が見られます。

2つ目は角田市の中心部にあたる角田地区です。この地区の灌漑用の水は、角田用水により供給されています。角田用水の水源は、丸森町を流れる阿武隈川にあり、用水の取り入れ口を確認しました。そして、用水が流れる方向を下り、角田市の中心部付近にある「高山善右ヱ門」の銅像を見学しました。善右ヱ門は、明治時代に角田用水を開発するために尽力した人物です。

3つ目は、角田地区から見て阿武隈川の川向いに当たる枝野地区です。この地区の東善寺境内にある「毛利揚水翁頌徳碑」という石碑の調査です。明治?大正時代の枝野地区は、角田用水が利用できない、溜め池の水もとどかないという地域であり、毛利萬の助は全財産を使ってドイツ製の揚水機(ポンプ)を輸入して阿武隈川の堤防に設置し、阿武隈川を水源に新田開発を行った人物です。

今回の調査では、3地区の時代的な背景を検討するために時間軸を明確化することや、「萬の助」や「溜め池」に対する客観的な資料が少ないという課題がわかり、今後の研究の指針となりました。ご指導していただいた先生方に感謝申し上げます。
(大脇賢次)
西根地区にある溜池
西根地区にある溜池
丸森町にある角田用水取り水口(写真中央)と阿武隈川にかかる丸森橋(同右)
丸森町にある角田用水取り水口(写真中央)と阿武隈川にかかる丸森橋(同右)

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