2025/06/23 教育学科

【教育学科】教員インタビュー 今野和賀子教授(初等教育担当)

国語科教育や教育実習関係の講義を担当している今野和賀子先生に、教職を志した経緯とやりがい、小学校教員を目指す高校生?大学生へのメッセージを話していただきました。

研究室:たくさんの書物に囲まれて

小学校教員としての経歴をお持ちですが、どうして教員を志したのですか。

小学校時代に出会ったいずれも個性的で人間味あふれ芯の通った先生方に憧れ、導かれるように小学校卒業時には教員を志していました。特に影響を受けた1?2年担任のK先生は国語の指導に熱心でした。音読の際は鼻濁音やイントネーション、間のとり方まで、作文は年中様々なジャンルを縦横無尽に、作文コンクール挑戦の折には徹底的に朱筆を入れてくださいました。私が本好きになる契機は、先生に勧められた浜田廣介の童話です。 

教職について、そのやりがいをどのように感じていましたか。

 一教師として「書くこと」指導を学級経営の柱とし、日記の素敵なところを見つけてクラス全員で共有する取組を続ける中で、「書くこと」の可能性を実感していきました。「『書くこと』は、息をするのと同じくらい当たり前のこと」、「お互いに言い合って、最後に一番ぴったりした言葉を探すが楽しかった」。そんな子供たちの声から、子供の成長に寄り添いつつ学び成長できる教師という職業の魅力や、それが誇りにつながっていくことに目を開かせられました。

学生には大学でどのようなことを学んだり身につけたりしてほしいですか。

 私は大学入学と同時にオーケストラに入り、音楽を通じて様々な土地の人々に出会い、感動を共にし、音楽に国境はないと感じる瞬間を味わいました。教育実習の折、それまで練習していたブラームスの交響曲が全く違って聴こえた記憶は今も鮮明です。勉学でも部活でも何か一つ、これをやったと言えるものを持ち、多様な世界に積極的に自分を拓いて関係性を築いていくしなやかな感性を養ってほしいと思います。

最後に、小学校教員を目指す高校生?大学生にメッセージをお願いします。

皆さんは幼少時からスマートフォンやSNSが身近な環境で育ち、思春期はコロナ禍で活動が制限され、オンライン生活が中心だった方も多いことでしょう。答えを性急に求める風潮が強い中、安易な生成AIの活用は自分で考える力を損ないかねません。社会の変化が著しい時代だからこそ、ときに応じて自らじっくり考え、可能性に挑戦する気概を持って、自分らしい未来の教師像を大きく描いてほしいと思っています。 
講義:『学校経営と学校図書館』の一場面

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