2022/01/27 福祉心理学科

【学び】身体化認知に関する研究発表会を行いました / リエゾンゼミⅡ

2年生対象の社会心理学ゼミ(リエゾンゼミⅡ:吉田綾乃)では『身体化された認知(embodied cognition)』に関する研究に取り組んでいます。

前期は、身体化認知に関する研究を取り上げた本と論文を講読し、その内容についてプレゼンテーションを行いました。後期は興味を持った研究論文を調べ、人々が知覚、接触する刺激のメタファー(隠喩)がどのように認知や行動に影響を及ぼすのかについて研究を行いました。今年度は4グループに分かれ、以下のテーマについて研究を行い、その成果を1月26日に発表しました。

研究テーマ

?清潔感プライミングと不快刺激への接触が道徳的価値観に及ぼす影響
?赤色と認知的負荷が課題成績に及ぼす影響
?ブランドロゴへの接触が商品価格の推定に及ぼす影響
?表情刺激への接触と楽観性が明るさの認知に及ぼす影響

学生の感想

 『自分で深めたいと思う領域を決め、先行研究に基づいて仮説を立て、グループでどういった実験を実施すれば仮説を検証できるのかを考え、得られた結果を踏まえて分析し、発表をするという一連の研究活動を体験しました。なかなか仮説は支持されないことや、剰余変数を統制した実験を行うことの難しさが分かりました。被験者の年齢層を考慮したり被験者の特性や個人内差など事前に調査を行ったり、さまざまな影響を加味して考えていくことが求められるのだと学びました。他のグループでもとても本格的な実験がなされていてとても刺激になりました。』

『(実験では)自分が予測した結果とは違う結果が得られました。だからこそ、「次はこの方法でやってみよう」「違う観点から見るか」という気持ちになり、研究が繰り返し行われ、より信頼できる研究結果になることが分かりました。グループ実験を通して、心理学実験の醍醐味はトライアンドエラーである、ということを少し身に染みて感じました。』

『正解が分からない中で、互いに意見を出し合いながら課題設定や分析をしてひとつの研究として発表できたことにとても達成感がありました。今回は前期にまとめて発表した先行研究の中から選択しましたが、3年生では自分が関心のある事柄について研究してみたいと強く感じるきっかけになりました。』

『今回のグループの実験や発表会を通して、研究仮説は必ずしも支持されるわけではないということを改めて感じることができました。しかし、仮説が支持されなかったときに、仮説が悪かったとすぐ思うのではなく、考察を通して今後につなげることが大切なのだと学ぶことができました。自分たちで仮説を立て、実験を行い、何が良くなかったのか分析を行うことがとても興味深く、もっといろいろな心理学の実験や研究について知りたいと思いました。』

※感想は抜粋です。

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