2021年11月に大月書店から『不平等の進化的起源—性差と差別の進化ゲーム—』が出版されます。分担著者である福祉心理学科?中川裕美助教からコメントをいただきました。

【中川裕美助教からのコメント】

本書は、哲学者ケイリン?オコナー氏の書籍『The Origins of Unfairness－Social Categories and Cultural Evolution』を翻訳したものです。性別や人種によって社会が分割される理由と、それが不公平を生み出すメカニズムを最新の進化ゲーム理論で解明する画期的な研究が紹介されています。

私が担当した第7章「差別と同類選好」では、アカデミアの世界で生じる差別を取り上げています。特に女性が少ない学問分野では、男性に比べて女性の研究に対する業績評価が低く見積もられる傾向にあります。なぜそうした差別が起こるのか、少数派?多数派が存在するゲームを用いて不公平が生み出されるメカニズムを検証しています。ぜひお手にとっていただけると幸いです。