2019/09/09 福祉心理学科

【学び】外部講師を招いた特別演習を実施 / 犯罪心理学ゼミ

福祉心理学科では、理論知と実践知を融合した『心理実践力』を身につけた学生の育成に取り組んでいます。

半澤利一准教授(犯罪心理学)のゼミでは7月11日午後6時から、仙台駅東口キャンパスに仙台家庭裁判所主任家庭裁判所調査官をお招きし、「夜ゼミⅣ~司法臨床?家裁調査官の仕事」という特別演習を行っていただきました。

参加したゼミ生たちは、既に講義や演習において非行少年の心理や少年審判の機能、矯正教育や更生保護制度などの処遇プロセスについて学修しているため、この特別演習においては、家裁調査官による少年理解の方法や家族に対する働きかけなど実践的な事柄についてご講義いただきました。さらに2~4年生合同のグループを編成し、講師から与えられたモデル事例について討議し、非行少年に対するアセスメントや有効な働きかけの方法についてのポイントを教えていただきました。

受講生の感想

『率直に、今回の夜ゼミに参加することができ、とてもよかったと思いました。何より、先輩方のグループをまとめる力、進行の仕方、的確な意見にとても感心しました。4年生の方が、皆さんから出た意見をまとめたうえで、この価値観や視点からの意見が出てないからそこをもうちょっと考えてみようか、というように上手に進行してくださったことに深く感心し、2年後には自分もあんなふうに後輩を引っ張り、深い討議にして理解を深めていこうと思いました』

『人の一側面だけをみて「だめだ」と決めつけずに、「なぜ」を追求する仕事はとても魅力的だと感じ、もっと家裁調査官の仕事について知りたいと思いました。自分の視野を広げる良い機会になりました』
『講師の「家事事件で扱う家庭の子供のケアをきちんと考えることが、非行少年を生まないという事につながるため、家事事件と少年事件のかかわりは深い」という話から、双方の支援は関連性が深いという事を確信でき、さらに対象者を支援につなげる視点について学ぶことができた。私が特に心に残っているのが、家裁調査官は「よりよい自分になろうとする力」を支援する仕事である、という言葉である。子どもや親、どちらかの偏った視点に立つのではなく、様々な視点から家族一人一人の人生を見つめていくことが必要だと思いました。』 
『同じ少年についても、面接を担当する者によって捉え方はそれぞれであり、対応の仕方についての考えも「これが正解だ」というものはないのではないか、と考えました。これまでの学びの振り返りと今後の学習の取り組みへのモチベーションとなりました。』

『私のグループで一番カギとなったのは、暴行を犯した少年の居場所をどのようにつくってあげるか、ということでした。…家裁調査官の言われたことを聞いて、犯罪を犯した少年に対しても共感的理解をし、辛かったね、頑張ったねなどと声をかけてあげることがとても大切なことが分かりました。』 
終了後、各参加者が「夜ゼミ」で学んだことや感想をレポートにまとめ、互いに読み深める事後学習を行いました。そこでは、「感想を読みすすめていくと、強く刺激を受けた部分が学年によって全く異なることに気づきました。2年生は初めての夜ゼミということもあり、ケース検討の難しさや先輩方の思考の視点の広さに驚かされ、 3年生はケース検討の内容や支援の仕方について考察を深めており、4年生になると支援方法や少年との面接を具体的に想定しつつ自らも深く考える、というような印象を受けました。」と述べた参加者がいました。  

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