2017/05/10 福祉心理学科

【研究】柴田理瑛助教がフィンランドのラウレア応用科学大学で講義を行いました

福祉心理学科の柴田理瑛助教は2013年から震災後の心のケアについて支援の実践と研究を行っています。

20174月下旬に、欧州域内外の学生および教職員の人的交流を促進するプログラム(エラスムスプラス、Erasmus +)により、フィンランドのラウレア応用科学大学で、震災後の子どもの心のケアに関する講義を行いました。帰国された柴田助教にプログラムに参加した感想などをお聞きしました。

--ラウレア応用科学大学での講義について聞かせてください。
学部生と大学院生を対象に震災後の子どもの心のケアについて、震災後の精神的健康に関する調査や人口統計を踏まえながら、これまでの心理支援に関する実践内容を報告してきました。ラウレア応用科学大学に通っている学生は、何らかの仕事をしながら勉学に励んでいる学生が多いので、「心身の専門家だけではなく、毎日被災者と接する保育士、教員や公務員などにも心理支援の知識を広めたい」という私の意見には深く賛同していたようです。学生達はとても積極的で、発表中にもどんどん質問をくれました。このような姿勢はとてもいいことだと思いますので、みなさんも私の講義中に分からないことがあったら、その都度手をあげて質問してくださいね。

--フィンランドの印象はいかがでしたか?
フィンランドの首都ヘルシンキの人口は100万人ほどとのことでした。仙台と同じような人口ですね。ヘルシンキの街は古い建物とモダンな建物が混在するとても美しい街でした。フィンランドでは、法律で古い建物を壊したり改修したりすることが厳しく制限されているのでこのような景観になっていったそうです。

現地ではとても新鮮なトナカイの肉を食べることができました。トナカイは高級食材の一つだそうで、とても美味しかったです。フィンランド料理の味付けはヨーロッパのほかの国々よりやや薄めで、日本人の味覚と近いものがありました。

フィンランド人のパーソナリティは基本的にはあまり感情を表に出さないけれど、話してみるととても親切とのことでした。なんだか東北人のパーソナリティに似ていますよね。たしかに一度話してみるとみなさんとても良い方々で、山形出身の私としてはとても親近感がわきました。

--今後のご研究は?
これまでは質問紙を使った調査をしておりました。質問紙調査は量的なデータを示すことに優れておりますが、量的データは自由記述やインタビュー調査によって得られる質的データで裏付けられることが必要と常々感じています。

これまで質的データを統計的に分析する手法はほぼなかったのですが、近年このような分析を可能にするテキストマイニングという手法が開発されました。今後はこれまでの質問紙調査を基にしながら、自由記述やインタビュー調査とテキストマイニングを組み合わせた研究を発展させていきたいと思っています。

--ありがとうございました!

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