2026/03/23 社会福祉学科
在学生インタビュー 堀籠真愛さん──悔いのないように動く。多くの人との交流が広げた可能性
堀籠真愛さんは、高校時代の放送部での経験をきっかけにメディアに興味を持ちながら、地元に貢献したいという思いから宮城の大学を選択しました。社会福祉学科では、実学臨床教育やゼミでの活動を通じて、福祉を「困っている人を助けるもの」から「誰もが必要とするもの」へと認識を深めました。ゼミでの高校の生徒支援、実学論文への取り組み、国家試験の取得を経て、福祉で学んだ思いやりの心とコミュニケーション力を武器に、河北新報へのイベント企画職での就職を決めました。多くの人との交流の中で、福祉の知識を異なる分野で活かせる強みを見出した4年間です。(インタビューは2026年2月のものです)。
高校での経験から大学選択へ
──出身地と高校での活動について教えてください。
宮城県仙台市出身で、泉館山高校を卒業しました。高校では放送部に所属していて、部長をしていました。放送部ではNHKコンクール「Nコン」に出品するドキュメント作品や、宮城県内の様々な大会に向けた作品制作に取り組んでいました。高校生活の中心は部活だったと言えますね。かなり部活に打ち込んでいた時代でした。──進路についてはどのように考えていたのですか?
高校で放送部をしていて、ドキュメント制作に携わっていたので、メディアに興味があるなとは思っていました。ただ将来については本当に漠然と悩んでいた時期で、仙台市出身ということもあり、地元に貢献できる人材になりたいという気持ちもありました。高校の先生と相談しながら、宮城の大学に通いたいと考えていました。──本学の社会福祉学科を知ったきっかけは?
いろいろな大学を探していた時に、4年間通う上での目標や目的が欲しいと思っていました。資格が取れる大学を調べていたときに、社会福祉学科なら社会福祉士という資格が取れることを知りました。社会福祉士のことは何も知らなかったのですが、福祉に幅広く携われるというところに興味を持ちました。せっかく4年間学べる場がもらえるなら、資格を取ってみたいと思ったんです。
大学での学びの転機
──入学してから授業を受けてみての印象は?
福祉という分野に特化して勉強できるというのが、福祉の専門家になれそうだなという感じで嬉しかったです。自分で得意なことや詳しいことがあればいいなと思っていたので、前向きに学習に取り組んでいました。──特に印象に残っている授業や科目はありますか?
1年生の時から福祉についてもっと学びたいという気持ちがありましたので、大学1年生の時からずっと実学臨床教育(以下、「実学」)を履修してきました。実学を通じた学びは本当に有意義な時間だったと思っています。1年生の時は見学という形で、「せんだんの丘」と「せんだんの館」を見に行きました。──法律などの難しい授業についてはいかがでしたか?
1年生で社会福祉学科の全員が取らなければならない科目を受けていた時に、「ポケット六法」という辞書を購入するよう勧められました。その時に「すごい、そこまで細かくやるんだな」と驚きました。国家試験の受験も視野に入れて、1年生の時から資格取得のための勉強も本格的でしたし、最初はハードルが高いかもなと思いました。
実学臨床教育と実習体験
──実学の、2年生の体験学習はどのようなものでしたか?
2年生の時に、1年生で見学に行った「せんだんの丘」に3日間の体験学習に行きました。初めて利用者さんとおしゃべりをするときは、最初の一言目からすごく緊張していました。1日目に一番最初に話しかけた利用者さんに「何言ってるか全然聞こえない」と言われてしまい、心が折れそうになりました。 ですがその時にちゃんと大きな声でゆっくりトーンを低めにして話すなど、それまで学んできたことを思い出し、何とかコミュニケーションを取ることができました。その経験は3年生の社会福祉士の実習にも活かされたと思います。実学臨床教育をやっていて本当に良かったなと感じています。──実学を通じて、福祉の分野へのやりがいや興味は湧きましたか?
具体的に福祉の職業について知ることができた機会でした。特に社会福祉士という仕事は、最初はその職業がどのように活躍できるのかが見えてきませんでした。でも相談援助の業務について現場を知る機会があった時に、社会福祉士は利用者さんとお話をしながら利用者さんのより良い生活を考えていくという、利用者さんと心を通わせながら働ける仕事だとすごく感じました。そういうところが魅力的で、やりがいをもって取り組める仕事だと思いました。──社会福祉士の実習はどちらに行ったのですか?
3年生の時に「せんだんの丘」に行くことができて、4年生は仙台市の社会福祉協議会の宮城野区事務所に行きました。
──社会福祉協議会での実習内容について教えてください。
主にコミュニティソーシャルワーカーの方々の業務に同行させていただいたり、地域住民の皆さんとの交流、より良い地域の暮らしや福祉的な活動に対してのアドバイスをする業務を見学させていただきました。また権利擁護センターも併設されていたので、実際に日常生活自立支援事業を利用している利用者さんのお宅にも訪問させていただきました。4年生の実習でも地域の皆さんや利用者さんのお顔を見ながら、その人たちのことを考えながら活動するという経験をさせていただきました。──入学時に比べて、社会福祉についての考え方は変わりましたか?
最初は福祉というものが、高齢になった時に必要とか、困っている人たちを助けるという、ちょっと限定的なイメージを持っていました。でも4年間学習してきて、福祉は私にもちろん必要なものだし、周囲のどんな人にでも、より良い生活をするためにはなくてはならないものなんだと思うようになりました。関心がなかったり福祉のことを全然知らない人も多いと思いますが、福祉は本当に身近で必要なものなんだと考え方が変わりました。
ゼミでの活動?実学臨床教育研究論文
──ゼミについて教えてください。どんなことをしていましたか?
鈴田先生のゼミに所属していました。活動は主に2つあります。基本的には教室で活動しているのですが、高校で学校に来られていない生徒さんや別室に登校している方たちの支援する活動をやっています。あとは鈴田先生がやられているNPO法人「森の学校」に入っている子どもたちと一緒にデイキャンプをしたりというのが大きな活動ですね。4年間本当にいろんなところで活動させていただき、子どもたちといろいろ交流ができたのは、本当に貴重な体験だったと思います。──実学臨床教育研究論文のテーマについて教えてください。
「福祉に関する情報発信の手段について、広報誌を用いた効果的な情報発信とは」というテーマです。これも仙台市の社会福祉協議会の皆さんと一緒に活動させていただきました。協議会が発行している「社協だより仙台」という広報誌から、福祉を本当に必要としている人に、どうやったら必要な情報を届けることができるのかという考えで論文を作成しました。「社協だより」に、社協の皆さんと共同で作らせていただいたアンケートを掲載し、そこからは認知度の低さなど、いろいろなことがわかりました。広報紙「社協だより」には全戸配布という特徴があり、本当に困った時に手に取れる紙媒体の特徴があります。それに加えてSNSとかデジタル媒体の活用も求められるんじゃないかなと思いました。
サークル活動「けやきクラブ」?資格取得と国家試験
──高校の放送部の経験からサークルを選んだのですか?
「けやきクラブ」という存在は入学前から気になっていました。大学の音楽堂「けやきホール」で行われるイベントの音響や照明などの裏方を、学生が主体となって運営するという活動です。高校の放送部にいた経験もあったので、カメラを触ったりとか収録をしたりという興味につながっていたかなと思います。──けやきクラブではどのような役割をしていましたか?
代表をしていました。けやきクラブには下手班(しもてはん)という部署があって、インカムをつけながら他の音響班、照明班、映像班といった部署に指示を出したり、逆に指示をもらったりします。演者さんと一番近くにいる存在なので、舞台に立たれる演者さんとお話をしながら本番を進めていくという役割になります。──楽しかったですか?
もう本当に楽しい活動でした。これも実学と同じような感じで、なかなかできない、他の大学ではできない活動だったかなと思っていたので、すごく楽しく活動していました。
──入学時から社会福祉士の資格を取ろうと決めていたのですか?
そうですね。何か一つ資格は取りたいなと思っていたので、社会福祉士を取ろうと思っていました。──勉強は難しかったですか?
中学の高校受験とか、高校の大学受験とかと同じ、もしかしたらそれ以上、かなり勉強に打ち込んでいたかなと思います。──一人で勉強しましたか、それとも仲間と一緒でしたか?
試験の1週間前とか1ヶ月前とかになると、友達とやっていたんですけど、あとは家で地道にコツコツやっていた時もありました。──大学のサポートは活用しましたか?
そうですね。学年が上がる時の確認試験みたいなものに向けて、猛勉強もしていました。確認試験は、その都度、国家試験はこういう雰囲気なんだなとか、このくらい取らなきゃ受からないんだなというイメージトレーニングができていたかなと思います。──これから試験を受ける人にアドバイスはありますか?
今年受けてみて結構難しかったというのがあります。やっぱり頼れる力は頼った方がいいのかなと思っていて、先生方にいろいろ聞いてみるとか、大学で開催される講座なども積極的に活用してほしいなと思います。進路決定と社会福祉学
──進路についてはどのように決めていったのですか?
就職先は河北新報のイベント、ビジネス総合部門です。高校時代のメディアへの興味というのが大きかったです。自分がやりたいなと思うことを考えた先で見つけた職種かなと思っています。サークルの「けやきクラブ」で、イベント運営の経験もあったので、そういった職種にできたらなという思いもありました。──福祉の学科で資格を取っているのに、民間企業に就職することについて、何か活かせそうですか?
福祉を学んでいたというのが、個人的には自分の強みだし、自分は福祉という分野なら語れますよというのが、自分のアピールポイントになっていると思っています。福祉の知識とか、福祉を学ぶ上で得た思いやりの心を、新聞の購読者の皆さんの、生活や社会的な状況をあれこれ考えることに生かすことは、福祉を勉強して、実習などで様々な経験を得たからこその、強みになるんじゃないかなと思います。
メッセージ
──後輩や大学を選ぶ高校生にメッセージをお願いします。
高校3年間がすごくあっという間だったなと感じていたので、入学したときに、きっと大学の4年間もあっという間だし、本当に悔いのないように過ごしたいなと思っていました。 大学では福祉を学びたいと思っていましたし、実際にゼミでの活動や実習、実学臨床教育みたいに、福祉に特化して学べる環境がありました。またそれ以外にもサークル「けやきクラブ」では、みんなをまとめる力とか計画性を持って活動することとか、そういったことも学びました。 ゼミもそうですし、「けやきクラブ」も、実学もそうですけど、なかなかそういった多方面の活動を経験し、いろんな人と交流できるところは少ないと思います。そんな環境で積極的に動いたことが、今の自分の考え方や価値観につながっているのかなと思います。自分が積極的に動かなきゃダメだなというのが、4年間のモットーというか、常々感じていました。これから大学生活を送る皆さんにも、いろんな機会を大切にしてほしいと思います。
