2025/03/25 社会福祉学科
清水冬樹 准教授 科研費成果シンポジウム
「災害時のこどもの居場所—自然災害時も開園している乳幼児と家族を支える保育の価値」

2025年3月15日、仙台レインボーハウスにおいて科研費成果シンポジウムが開催しました。今回のシンポジウムは、被災したこどものパーマネンシー(どのような状況に置かれたこどもであっても、永続的な成長発達の機会を社会として保障すること)の具体化に向けた保育の課題を顕在化させることを目的としました。震災を経験したこどもたちが成長し、現在では子育てを始める世代となっている中で、その際に利用することが想定される、保育の現場で何が起きているのかをまずはきちんと知る必要があるということです。
なぜなら、大切なこども?子育て支援を担う保育現場が、自然災害のような有事の際何が課題として表出するのか、きちんと今日まで言語化されてこなかったことが挙げられる。シンポジウムを通じて見えてきたことの1つに、保育現場の先生方が懸命にこどもたちと向き合う中、ややもすればご自身の暮らしのことよりこどもたちと向き合ってきたということがあります。一方で、保育者ご自身のことも含めて、いろいろな悩みや葛藤を言語化したり共有する機会が得られない状況に置かれていることも見えてきました。
こうした問題意識の元、基調報告として一般社団法人東日本大震災子ども?若者支援センターの足立智昭先生よりご講演いただきました。足立先生は、ここ20年の間に自然災害が急増していることを指摘され、災害対応を常に検討することが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であると強調されました。また、災害対応においてはトラウマインフォームドケアを重視することが求められるとし、その澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性についても述べられました。
なぜなら、大切なこども?子育て支援を担う保育現場が、自然災害のような有事の際何が課題として表出するのか、きちんと今日まで言語化されてこなかったことが挙げられる。シンポジウムを通じて見えてきたことの1つに、保育現場の先生方が懸命にこどもたちと向き合う中、ややもすればご自身の暮らしのことよりこどもたちと向き合ってきたということがあります。一方で、保育者ご自身のことも含めて、いろいろな悩みや葛藤を言語化したり共有する機会が得られない状況に置かれていることも見えてきました。
こうした問題意識の元、基調報告として一般社団法人東日本大震災子ども?若者支援センターの足立智昭先生よりご講演いただきました。足立先生は、ここ20年の間に自然災害が急増していることを指摘され、災害対応を常に検討することが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であると強調されました。また、災害対応においてはトラウマインフォームドケアを重視することが求められるとし、その澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性についても述べられました。

シンポジウムの報告セッションでは、まず柴田理瑛先生(一般社団法人東日本大震災子ども?若者支援センター理事?澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】総合福祉学部福祉心理学科講師)より、東日本大震災後の保育者支援の実際についてご報告いただきました。発達障害の出現率とは異なる、愛着の課題を抱えるこどもが増加している現状について指摘され、こどものアセスメントを行う中で震災との関連が見えてくることを述べられました。また、保育士集団におけるコミュニケーション体制を適切に把握することの澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】性が強調されました。
次に、大原慎先生(泉チェリーこども園)より、東日本大震災発災当時の保育の現状についてお話をいただきました。震災時において、保育士たちは自らの暮らしを犠牲にしてでもこどもの保育に全力を尽くしたという実態が語られました。しかし、その疲労は2?3年後になってから現れることが多く、震災に関する話題が風化しつつある状況の中で、保育士たちがこどもや保育上の悩みを抱え込みやすい状況があることが指摘されました。なお、大原先生は本学卒業生で、社会福祉学科を卒業し、大学院福祉心理学専攻にて平川先生の元で修士課程を修了されています。
次に、大原慎先生(泉チェリーこども園)より、東日本大震災発災当時の保育の現状についてお話をいただきました。震災時において、保育士たちは自らの暮らしを犠牲にしてでもこどもの保育に全力を尽くしたという実態が語られました。しかし、その疲労は2?3年後になってから現れることが多く、震災に関する話題が風化しつつある状況の中で、保育士たちがこどもや保育上の悩みを抱え込みやすい状況があることが指摘されました。なお、大原先生は本学卒業生で、社会福祉学科を卒業し、大学院福祉心理学専攻にて平川先生の元で修士課程を修了されています。

最後に石川県輪島市子育て支援センターの保育士である山本惣太郎先生からは、能登半島地震の現状を踏まえた保育に関する問題について報告がありました。特に、公立保育士が民間保育所に出向する状況において、自身のアイデンティティが十分に構築されないままで業務に当たっているという問題が述べられました。
シンポジウムの最後には、宮城県少子化社会対策課長の三浦周氏より、行政のバックアップ体制の現状と課題についてコメントがありました。行政がどのように保育現場を支援していくかが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であるという指摘がなされました。
シンポジウムの様子は河北新報でも掲載していただくことができました。
基調報告をいただいた足立先生のお話にもあったように、自然災害への備えはもはや世界的に見ても特別なことではなく、デフォルトだと認識する必要があります。東日本大震災を経験した東北において、まだまだ学び発信していかなければならないことが多くあることと、ソーシャルワーク?心理学?保育?復興学といった学際的な研究の面白さや意義を改めて認識をした1日でした。(清水冬樹)
本シンポジウムは、JSPS科研費 JP 24K05451の助成を受けて実施した研究結果の一部で、一般社団法人東日本大震災子ども?若者支援センターとの共催で開催しました。
シンポジウムの最後には、宮城県少子化社会対策課長の三浦周氏より、行政のバックアップ体制の現状と課題についてコメントがありました。行政がどのように保育現場を支援していくかが澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であるという指摘がなされました。
シンポジウムの様子は河北新報でも掲載していただくことができました。
基調報告をいただいた足立先生のお話にもあったように、自然災害への備えはもはや世界的に見ても特別なことではなく、デフォルトだと認識する必要があります。東日本大震災を経験した東北において、まだまだ学び発信していかなければならないことが多くあることと、ソーシャルワーク?心理学?保育?復興学といった学際的な研究の面白さや意義を改めて認識をした1日でした。(清水冬樹)
本シンポジウムは、JSPS科研費 JP 24K05451の助成を受けて実施した研究結果の一部で、一般社団法人東日本大震災子ども?若者支援センターとの共催で開催しました。