2022/08/10 情報福祉マネジメント学科

教員の声:プログラミングと試行錯誤

教員の声<不定期更新>
学科の教育や活動について学科教員の視点でまとめて報告します。第19回目となる今回は高橋先生によるプログラミング教育についての話です。

プログラミング教育については2020年から大きな変化が生じています。
この大きな変化とは2020年から小学校教育においてプログラミング教育を必修化することを皮切りに、2021年から中学校、2022年から高校においても必修化するということです。

その主な内容として、小学校でのプログラミング教育では「プログラミング的思考」をキーワードとして、コンピュータに意図した処理を実施させるための考え方を学ぶこと、中学校でのプログラミング教育では、「計測?制御のプログラミング」と「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」などを学ぶこととされ、言語の学習も含まれます。

そして、高校においては「情報Ⅰ」という科目が新設され、プログラミングやネットワーク、データベースなど情報技術全般について学ぶこととなります。文部科学省が公開した教員用研修教材を見ると、基本的なプログラミング手法に限らず、自然現象のモデル化とシミュレーションなどが含まれており、これらをプログラミングできるレベルであれば基礎として十二分であると考えます[1]。

さて、現在の大学生に目を向けると、高校にてプログラミングを学んできたという学生もいましたが、大学に入って初めてプログラミングを学ぶという学生もおり、そのスキルにはばらつきがあります。そのため、本学の初年次教育のプログラミングの目的は、2年次以降にて学ぶことができるゲームプログラミングや機械学習などの基礎を整えることとなっています。

そんな中で今年からスタートした2年髙橋ゼミでは、イギリスのBBC(英国放送協会)が主体となり作成されたmicro:bitを活用したリモート制御によるロボットカーの実装を行いました。このテーマの表向きの目的としては、プログラミングにてモーターなどの制御方法を理解することです。

しかし、今回使用したパーツは教員がパーツを揃えたものでした。そのため、パソコンの画面上のプログラミングとは異なり、ロボットカーの動作は路面状況や各パーツの特性から想定通り(プログラム通り)に動かないことが多々あり、調整が必要でした。つまり、教員の本心としては、プログラミングすればすべてがスムーズに完遂できるという経験をしてもらうことよりも、目的を達成ための試行錯誤をしてもらうことが目的でした。

そこで、前期のまとめとして、タイムレース&複数台一斉スタートのレースを実施しました。その結果、調整段階において負けないだろうと思っていた学生が抜かれるなど、なかなか見ごたえのある内容でした。
※後期は、リモート制御ではなく、プログラム制御にて目的地点への到達やライントレースなどを実装する予定で、学生たちの試行錯誤が続く予定です。

この2年次のゼミ活動をとおした試行錯誤とは、4年次に取り組む卒業論文や社会人としての活動だけでなく、目の前の大学生活においても澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な要素であると考えています。そのため、日常生活においても様々なことに挑戦し、七転び八起きの試行錯誤を通して、大学生活を過ごしてほしいと考えています。

[1]文部科学省「教育の情報化の推進」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/index.htm 
作成するロボットカー
作成するロボットカー
スタート直後の様子
スタート直後の様子
方向修正のために右往左往する様子
方向修正のために右往左往する様子

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