コロナ禍で人と人との交流の機会が減少しつつある昨今ですが、スポーツ界も例外ではありません。各種の大会が中止されるなど、外部の選手と試合や練習をする機会が減少しています。

そうした中、私がアドバイザーを務める「日本ろうあ者卓球協会」が主催する、強化指定選手合宿が、2021年11月20～11月23日と2022年1月8日～1月10日の二回にわたって開催されました。その合宿では、社会貢献活動の一環として本学の学生8名がトレーナーとして、ろうあ者の方々と汗を流し、交流を深めました。

参加した学生たちにとって、非常に有意義な経験となったようです。また、ろうあ者の方々からも良い練習になったと感謝の言葉が寄せられています。こうした活動によって、微力ながら社会に貢献して参りたいと思います。

今回はコロナ禍の中、ろうあ者日本代表チームの方々たちと卓球できるという貴重な体験をすることができ、とても光栄に思います。特に選手の方々にジェスチャーや通訳の方の力を借りながらアドバイスをしたり、手話を教えてもらうなど、スポーツを通じて触れ合ったことは、私にとって一生の財産になりました。

私たちの大学は福祉の大学という事もあり机の上での勉強はもちろんですが、学外でのこのような体験は、自身のスキルアップのみならず、社会への貢献活動にも繋がる、とても良い機会です。合宿に参加してくださった選手の方々が、今後、ブラジルで開催されるデフリンピックで、良い成績を収めることを願っています。

ここで、私の専門である卓球における、聴覚の影響について述べてみたいと思います。

卓球は、相手の打ち方からボールのコースや回転を判断して打ち返す競技です。その判断材料は主に視覚であり、相手のラケットの面の角度、動く方向、速さなどからボールの回転やコースを判断します。

しかし、実は音も澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な判断材料です。卓球選手は素早く、複雑にラケットを動かすことで相手の視覚を欺こうとしますが、打球音は誤魔化すことができません。打球音によって、どれだけ強く回転をかけたのかを判断することが出来るのです。その点において、聴覚の影響は澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】です。

また、人間の反応時間は視覚より聴覚の方が速いことが知られています。相手が打ち込んできたボールを素早く打ち返すためには非常に高い精度でタイミングよくラケットを振ることが必要です。卓球の場合は、相手が打ってから自分が打つまでの時間が、早い場合には0.2秒ほどになります。そのタイミングを精度よく計るのに、相手の打球音の情報が澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】であることが容易に想像できます。

こうした点が、卓球において、聴覚が澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】な点であり、それが、ろうあ者が健常者よりも不利となっている点だと考えられます。以上、あくまでも一般論として紹介しましたが、具体的に卓球において聴覚がどの程度の影響を持っているかは今後、研究が待たれるところです。