2021/10/25 医療経営管理学科

【コラム】元救急隊員の独り言(2) ~24時間勤務とは①~福田理絵

イベントで市民に乳児の心肺蘇生法を説明している様子
イベントで市民に乳児の心肺蘇生法を説明している様子

消防署には消防士が24時間体制で待機していますが、出動時以外どんなことをしているのか気になるところではないかと思います。

消防職員の約8割は隔日勤務と言って、24時間消防署に詰めますが、24時間寝ずに働いている訳ではありません。食事や休憩、仮眠の時間を除き24時間のうち15時間30分程度が勤務時間になっています。消防では休憩時間と言っても消防署外に出ることはできないので、基本的に食事はお弁当を持参したり、自分たちで作ったりしてみんなで食べます。消防職員に料理上手な男性が多いのは、職場で料理を作るからなんです。また、汚れた活動服などの洗濯や署内の掃除も職員が自分で行うので、家事は何でもこなせるようになります。
 

訓練終了後に挨拶を行っている様子
訓練終了後に挨拶を行っている様子

日中は出場がなければ事務処理や訓練、防火対象物の査察、消火栓などの点検、自主防災組織の訓練への出向など様々な業務があります。その中でも災害に向けた訓練は、救急隊も火災や救助の訓練に参加することもあります。救急隊だからと言って、救急に関することだけが大切なのではなく、消防士である以上消防に関するあらゆる分野を学び戦術を身につける必要があるのです。救急だけでいい、は通用しないのです。

そして、驚くかも知れませんが、署内にいるとは言え所在を明らかにするために、トイレに行く時も報告することもあります。なぜなら、緊急時に職員を探して出場が遅れたなんてことが起こっては絶対にいけないからです。不思議なことがたくさんあると思いますが、それが危機管理というものなのです。(次回は夜間の話をします)
 

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