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仏教専修科

科目紹介 禅学概論

講義の概要

仏教の開祖釈尊は出家して、主としてインドにおいて古くから行われた修行法である禅定と苦行を行いました。しかし釈尊は苦行を捨て、菩提樹下で禅定し「縁起」という教えに目覚め仏陀となったと伝えられます。釈尊は成道後にも禅定を行いました。後代、禅定は仏教の修行法として取り入れられ、仏教内で禅定を好む人々は一つのグループを形成し、長く継承されました。

禅はインドを起源とし、インド仏教以来の伝統的な修行法ですが、「禅宗」という宗教教団はインドにはなく、中国において成立しました。「禅宗」は、一般にはインドから中国に来て6世紀初頭に活躍した菩提達磨に始まるとされます。

仏教専修科「禅学概論」講義では、始めに初期禅宗史を概観し、関連する主な典籍の実際、即ち著者、時代、目的、特色等を説明します。また、インド仏教における禅定思想に関連して、禅に関する様々の様相を取り扱います。

授業では禅宗の典籍を講読します。過去には中国唐代の禅僧である石頭希遷(700−790)の『参同契』や道元禅師(1200−1253)の『正法眼蔵』「三界唯心」巻を講読しました。

講義の進め方

教科書およひ?配布資料を受講者に音読してもらい、その内容を説明することか?授業の中心となります。

どんなテキストも、ゆっくりと、注意深く、そして批判的に読むことに留意し、意味が不鮮明な語は、その都度辞典を引いて、その意味を明らかにし理解を深めます。

講義のスケジュール

前期(4月から8月)は、初期禅宗史を学びます。

後期(9月から2月)は、道元禅師の生涯と著作を概観するとともに、主著『正法眼蔵』の中の一巻を取り上げ講読する予定です。

教材

大久保道舟校訂『道元禅師全集』上、筑摩書房、1969年。

永平正法眼蔵蒐書大成刊行会『永平正法眼蔵蒐書大成』大修館書店、1974−1982年。

松本史朗『仏教への道』東京書籍、1993年。

松本史朗『道元思想論』大蔵出版、2000年。

石井修道「禅の概要」『駒澤大学禅研究所年報』29、2017年。

戸川芳郎監修、佐藤進、濱口富士雄編『全訳 漢辞海 第四版』三省堂、2017年。

授業では資料を配付します。

担当教員

新井一光

学生の声