【現場から現場へ】
[学生MESSAGE] 社会福祉援助技術実習
学べることの幸せに感謝して
通信教育部社会福祉学科 冨田眞紀子
はじめに
国家試験が終了し,「卒業」の許可もいただける見通しがたった今日,この2年間を振り返ると,感謝と興奮,そして時々挫折の日々であったように思います。私が澳门赌场app_老挝黄金赌场-【唯一授权牌照】の通信教育部で学びたいと考えたのは,現在の職場である地域包括支援センターへの異動がきっかけでした。地域包括支援センターでは,主任介護支援専門員として勤めることになりましたが,相談業務の難しさや成年後見制度など権利擁護の仕事を,薄い知識で担うことへの不安を感じ,社会福祉について基礎から学びたいと思ったことが動機です。
このたび寄稿の機会を頂戴し,怒涛の2年間について振り返りをさせていただきたいと思います。
◆スクーリングとレポート
初めてのスクーリングは,入学して間もない4月半ばの社会学の講義でした。ビデオスクーリングでしたが,この時の興奮は今も忘れられません。ベトナムの売春宿で働く少女が,家族の為に働けることで生きがいを感じているという場面に,「生きがい」や「人のしあわせ」とは何か,私は何のために今学んでいるのか,と考えさせられるなど,とても刺激的な講義でした。以来,できるだけライブで講義を受けたいと思い,仙台や盛岡まで足繁く通うことになりました。
レポートとの戦いは通信教育ならではのものです。学習計画は立てたものの遅れ遅れになり,演習や実習の条件を満たす期限の前日には,何度時間外の郵便局に駆け込み,翌朝到着便の依頼をしたことでしょう。レポート作成は孤独な戦いであり,苦しいが故に戻ってきたレポートの講評に心から勇気づけられ,何度も何度も読み返したことを覚えています。しかし社会福祉原論のレポートだけは学んだことの総まとめのような気がして,国家試験1ヶ月前になるまで書けませんでした。今振り返れば,気負わず,少しずつ進化していけばいいということに気がつきました。私の例は試験勉強に大きな焦りをもたらすので,できるだけ早めに書かれることをお勧めします。
◆社会福祉現場実習
実習は,働いている市町村の社会福祉協議会と福祉事務所の障害福祉担当で,それぞれ12日間ずつ受け入れていただきました。社会福祉協議会では,住民に対する主体形成への支援や,住民や地域をエンパワメントしていくことの大切さを学びました。そして福祉事務所では,行政の役割,障害者関係の制度と動向,人権などについて,幅広く学ぶことができました。また二ヶ所の実習を通して,自身の相談援助における自己覚知をおこなうこともできました。実のところ,住民へのかかわりや障害者支援において苦手意識があったのですが,少しだけ道が開けました。
実習を行った時期は,4年生の10月から11月下旬にかけてでしたので,できるだけこの機会に,この分野の国家試験の勉強をしようと心がけました。現実はなかなか思うようには進みませんでしたが,実際の現場に入り,理論の枠組みを現実的に捉えられたことは,実習の大きな成果であったと思います。
◆卒業研究へのチャレンジ
この2年間の1番の喜びは,卒業研究にチャレンジし,論文として書き終えたことです。大学に入学したときから,何かのテーマをもって研究することにチャレンジしたいと考えていました。しかし今思うと,十分な知識もない中で,かなりの無理難題を先生方につきつけたのではないかと,身の縮まる思いです。論文の執筆にあたっては,指導教授に本当に細やかなご指導をいただきました。研究を進める途上でいただいたアドバイスは,このたびの研究のみならず,日々の仕事の上でも大きな指針となりました。そのなかでも特に心に響いたことは,個々の抱える生活課題をマクロ的な視点で冷静に見つめつつ,ミクロ的なかかわりにおいては私たち一人ひとりの力が限られ,不完全であることを認識して,仲間を増やし,協働していくという,ソーシャルワーカーとしての姿勢を教えていただいたことです。
現代社会は人と人とのつながりが希薄化し,「つながり」が社会問題ともなっています。これからも「つながり」と「協働」は自身のテーマとして学びを深めていければと思っています。
◆感謝をこめて
この2年間,本当にたくさんの方々に助けていただき,その上に現在があります。末筆になりましたが,ご指導をいただいた先生方,学習を進めるにあたりアドバイスを下さった通信教育部の方々,実習を受け入れてくださった事業所の方々,卒業研究の調査にご協力いただいた方々,長期の休みを許してくれた職場のスタッフ,一人で参加したスクーリングに安心を与え,レポート作成を励ましてくれた仲間たち,そして日々協力してくれた家族に心より感謝いたします。
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